まるめる ~ソウシンシャは@未来~ 選評

概要

タイトル まるめる ~ソウシンシャは@未来~
ジャンル 未来分岐生成型ADV
発売日 2010/12/24
ブランド アーベルソフトウェア
価格 9240円


要点

  • 毎度恒例のアドオンプログラムで追加されたのは表情差分
  • 事前宣伝でマルチストーリーを匂わせたが結果一本道シナリオ
    • エンディングは多数存在するが、そのエンディング全てを順番通り見てやっと本エンド
  • バグは無いが誤植や不具合はいっぱい


選評


801 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2011/01/08(土) 14:46:52 ID:JVQK6waL0
まるめる ~ソウシンシャは@未来~
ブランド:アーベルソフトウェア
ジャンル:未来分岐生成型ADV
発売日:2010年12月24日
価格:¥8,800円(税込9,240円)

12月24日、世間はクリスマスイヴで賑わうこの日にKOTYにもサンタが訪れた
2010年、既に3本のクソを投下済みのアーベルソフトウェア社長・菅野ひろゆきサンタがトドメとばかりに4本目を繰り出してきたのである
『まるめる ~ソウシンシャは@未来~』、「アーベル四天王」が勢揃いした瞬間である

過去作でもお馴染みの「アドオンプログラム」は本作でも健在である
しかし、前作『萌恋維新』では事前にアドオン内容を告知していたのが
『まるめる』ではただ「発売日に配布する」という告知のみで内容については不明なままだった
そしてソフトは発売、アドオンを入れずに始めたプレイヤーはすぐにある違和感を感じたであろう
…メインヒロインの渚が主人公に怒る時も、肝試しで怖がってる時も常に笑顔なのである
それもそのはず、発売日に配布されたアドオンの中身は全て「立ち絵・セリフ横の顔の表情差分」なのだから
渚に限らず登場キャラの立ち絵は服のバリエーションこそあるが表情は基本1枚であり、
ヒロインには辛うじてキスの時に目をつぶる表情差分が存在する程度である

このような仕打ちをしておきながら、アーベル社長の菅野ひろゆき氏は自身のツイッターにて

まるめるの追加プログラムが配信されている。
ご購入された方は、ダウンロードして適用すると、ちょっとだけ嬉しい感じになるはずだ。

と、本来最初からあって当然の表情差分すらあくまで「追加要素」であると言い張る始末
普通のメーカーなら「修正パッチ」という名目で謝罪と共に配布するものではないのかと小一時間問い詰めたい

802 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2011/01/08(土) 14:47:42 ID:JVQK6waL0
本作のウリは「過去の自分へとメールが送れる携帯によって周回プレイでストーリーが変化する」というものである
実際に初回プレイは特に選択肢も出ないまま1時間程度でBADエンドを迎える、あくまでプロローグ的な位置付けである
この「メール送信システム」を聞いたユーザーは誰もが「メール選択次第でさまざま結末に辿りつく」ようなゲーム性を想像するであろう
事実、この『まるめる』には18個ものエンディングが存在する
…だが、まさか「TRUEエンドに辿りつく為にはそれ以外の17個全てのエンディングを順序通り見せられる」とは誰が想像出来たであろうか

1つ目のエンドがプロローグ的な強制BADである事は上記の通りだが、
「メインヒロインの渚から告白されるも返事は出来ずにうやむや→そのまま気まずくなってエンド」
という次のBADエンドも回避は不可能である
このBADエンドを見ることで「渚を受け入れろ」という新たなメールを送信出来る様になり、それでストーリーを進める事が出来るようになる
それ以降も「渚の浴衣を褒めなかったらヘソを曲げてエンド」などという理不尽かつ回避不可能なBADエンドを何度も見せられ、
ようやく渚と一応のGOODエンドを迎えるが「でも島の謎は解けてないから」とまた新たなメールを送り、今度は別のヒロインとイチャイチャしつつ話は進む
…なんかめんどくさい事になってるが、早い話がまたまたアーベル恒例の「一本道シナリオ」なのである

まるでドミノを並べるかのように
「渚ルート→佐和ルート→奏ルート→蛍ルート→ノアルート」
と、本来横に並べるべきヒロイン5人の個別ルートを全て縦に繋げて一本道を形成している、この順序は完全固定で変える事は一切出来ない
5つの個別ルートが繋がってるのに10時間程度でクリア出来てしまう内容で、ヒロイン1人あたり2時間程度という薄さである
ちなみに最後のノアに関してはもはや製作陣も体力の限界だったのか、携帯を使う機会は一度も無く選択肢も全く無い
3回あるノアとのHシーンも唐突な始まり方で無理矢理ねじ込んだ感が満載である
BADエンドは舞台となる島を遠くから映したCGが大抵出るので、このCGが出る度に「また終わるのかよ!」とプレイヤーは何度もイラつく事必至である

803 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2011/01/08(土) 14:48:33 ID:JVQK6waL0
ストーリーに関して、↓は最後に出てくる敵のセリフなのだが
「地球の外側から、この星を攻撃だってできるに違いない。そうなればオレは王さ。この星のな!」
と、拳銃で人を撃って人質を取るくらいの犯罪を犯す人間にしては酷過ぎる動機である
「攻撃だってできるに違いない」とは言うが、それが攻撃可能なものかどうかは作中では一切触れられていない完全なる妄想である
最後に現れる黒幕も登場人物は全部で13人しか居ない為、主人公・ヒロイン・同級生・身内を省いて残った連中がそのまま黒幕と何の意外性も無いオチ
ちなみにこの13人以外はモブキャラすら登場しない手の抜きようである
学校もたった10人のクラスなのに主人公・ヒロイン4人・男友達の大地を除いた残り4人はセリフの1つすら出てこない、じゃあ最初から6人で良かったのでは?

このようなストーリー見る為にプレイヤーがやるべき事は
「日付が変わったらセーブ→BADエンドを見てメール送信→ロードして既読スキップ→スキップが止まったら新たな選択肢を辿る」
このパターンを延々と繰り返し、「Fin」と出てそのヒロインのルートが終了したら序盤のセーブデータをロード、これが本作における「全て」である
「既読スキップ」の存在がこれほどありがたいと思うゲームはなかなか無い

なお、中盤以降のエンドではストーリーが進む正解メールとは別に、ストーリー進展には全く関係の無いハズレメールも出現するのだが、
そのハズレメールが「佐和の巫女服は結構可愛い」などともう一体何がしたいんだ、過去の自分に何を伝えたいんだというものだらけである
そんなストーリー進展とは一切関係の無いメールでもイベントや新規CGが出るならまだ分かるのだが、
メール「トイレに行け」を送る→「・・・今向かってる最中だっての」
などと数行追加されるだけでイベントなんて一切出ないし選択肢も増えない
ちなみにハズレメールを送っても特にマイナス要素は無い、中盤以降だとメール送信回数は腐るほどあるから障害にすらならない

804 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2011/01/08(土) 14:49:28 ID:JVQK6waL0
本作は単純な紙芝居型ADVである為目立ったバグこそ存在しないが、誤植や不具合に関しては

〇「傷ついた→気づいた」「おはようございます→およはうございます」「取りだした→盗りだした」「心配して損した→存した」といった誤植
〇夜だったハズなのに、ちょっと回想が入って場面が戻るとなぜか昼
〇夜のハズなのに、海は見事なまでの青空の中で「やあ、こんばんは」
〇佐和に日焼け止めを塗るかどうかで「塗らない」を選択・もしくはその選択肢を出す前でも、その後主人公の部屋で起きるHでは塗った事になってる
〇佐和との初Hは挿入前に「ここまででやめる」を選択出来るが、そこで止めてもその後のストーリーに影響は無く既に処女を奪った事になってる
〇「たしか『ノア』と名乗った女の子・・・」→名乗ったシーンはまだ出てませんが・・・
〇エンディングで「Fin」とまで出てるのに画面にはメール送信回数が消えずに残ってる
〇「でもね、」などセリフの冒頭にある言葉を読み飛ばしてたり、セリフは「それとも」なのに「あるいは」と読んでたりする
 蛍「だから、私と一緒に遊んでください。」では「だから・・・」で止まる有様
〇「そのネックレス素敵ね」→水着なので隠しようも無いのに付けてない

…と、探せばいくらでも出てきてしまいそうな勢いである
なお、アドオンは「表情差分」の追加のみなのでこれらの誤植や不具合はアドオン導入後も修正は一切されない

最後に、発売前にアーベルHPのトップに大きく書かれていた『まるめる』のキャッチコピーを転載して選評を終了する

「あなただけの物語(ストーリー)を作れ!!」

…購入者が自分1人しか居ないという意味でしょうか


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タグ アーベルのゲーム 2010年の作品
最終更新:2014年08月03日 20:39