2016年 総評

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プログロムもできない奴がバグを笑って エロゲライターにもなれなかった奴がシナリオ笑って 原画家にもなれなかった奴が絵を笑って 声優にすらなれなかった奴が声を笑う。 それがKOTYe。 ぶっちゃけ底辺。 なのに勘違いする馬鹿が何故か後をたたない
*『[[グリモ☆ラヴ ~放課後のウィッチ~>グリモ☆ラヴ ~放課後のウィッチ~ 選評]]』(3/25)《しろいぱんつ》 #blockquote(){2015年のKOTYeは多種多様なクソゲーが立ち上がる群雄割拠の様相を呈していた。 KOTYe常連とも言えるスワンアイ、sealと言った強豪が不在となり、その空位に入り込む様に新たな顔が次々と現れたのである。 混迷を極めた戦いは8年振りに帰還を果たした戦極姫6が群雄割拠の世を制し見事に大賞に輝いた。 己の存在一つで全てを台無しにする独自性を得物に戦場を駆け抜け、公式にすら黒歴史と認定された稀代のクソ主人公の勇姿は、修羅の国に新たな感銘を呼び起こしたのである。 しかし泰平の世とは遠く及ばない。 「クソゲーとは何か?」 KOTYe始まって以来未だ決着を見ない永遠の課題の答えを求め、今再び住人達は混迷の世に足を踏み入れるのであった。 2016年に踏み入れた第一歩、そこに立ち塞がったのは混迷の世に相応しい最大級の敵であった。 げーせん18が戦極姫6に続き叩き付けた最後通牒。その名も「戦御村正 ‐剣の凱歌‐」(通称:村正)。 本作は架空世界の大日本帝国を率い、第二次世界大戦を戦い抜く戦略SLGである。 が、実際に戦う相手は敵国では無いのだとユーザー達はすぐに気付く。 本当の敵は「製品未満レベルのバグ」なのだ。 げーせん18の作品にバグが付き物である事は初代戦極姫の時代から修羅の国でも周知の事実であったが、村正のそれはお馴染みで済むレベルでは到底無かった。 特筆すべきは強制終了、進行不能、セーブデータ破壊と言ったSLGとしては致命的なバグがあらゆるケースから発生する事だろう。 最初のマップである満州をクリアすると強制終了するバグ、通称「満州事変」。 会話相手を選ぶリストに「士官名士官名士官名」と言う名の謎の人物が並び、触ると強制終了。 SLGの肝である自軍編成画面でスクロールするとやはり強制終了し、戦闘を行えば「ビットマップの作成に失敗しました」と言うポップアップと共に進行不能になる始末。 バグ回避の為にセーブをこまめに行なっても強制終了と共にセーブデータが破壊され使用不能になってしまう四面楚歌状態だ。 なんとかクリア条件を達成してもイベントが発生せずクリア不可能になる等は、これらの前では些細な問題であろう。 戦極姫等を通じて超人級の耐性を得ている作品スレ及びKOTYeの住人達はなんとか試行錯誤を重ねクリアを目指すも、全てが帰らぬ人となってしまった。 この異常事態にげーせん18はほぼ毎週金曜日にパッチを順次配信するという対応に出るが、パッチを適用するとセーブデータの互換性が無くなる「賽の河原システム」であった事で更なる顰蹙を買う事になる。 パッチの内容自体、一部のバグが直る一方で別の部分が悪化し新しいバグも発生する大混乱状態であり、その検証の困難さは本家KOTYの「太平洋の嵐」を彷彿とさせた。 結局発売から5ヶ月程パッチのリリースを続けていたげーせん18であったが、6月に遂にギブアップ宣言を発する。 最早村正の修正は不可能と悟ったげーせん18は開発会社を変更し、別の新規作品として再リリースする事を宣言したのである。 後に「戦御村正 ‐剣の凱歌‐ DX」の名である事が判明したこの作品を村正購入者には無料で配布する事で事態の収束を図ったのだ。 これにより無印村正は欠陥品のまま生涯を終える事が確定。幾多のバグクソゲーを見てきたスレ住人達もこの事態の深刻さに次々と投降するのであった。 一応最終パッチを持って根気良く頑張ればエンディングは迎えられる程度にはこぎ着けたものの、焼け石に水にもならないのは言うまでもない。 バグを除いても村正は致命的なレベルの問題点を多数抱えているのも注目すべき点であろう。 過去作の「大戦略シリーズ」から代わり映えせず2016年のゲームとは思えぬ古臭さのグラフィック。 未実装の戦闘アニメ、ゲームモードに加え、不便極まりないUIや死にユニットが居並ぶ壊れゲームバランス等、ゲーム性だけを見ても修羅の国ですら稀に見る低レベルさを誇る。 2016年KOTYeの開戦と同時に叩き付けられた無条件降伏勧告。 この緊急事態に狼狽える住民達であったが、その傍ら村正の侵攻を食い止めるべくヒッソリと地雷埋設作業に勤しむベテラン工兵の姿が有った。 地雷のスペシャリスト戯画が埋設した新型地雷、その名も「甘えかたは彼女なりに。」(通称:甘なり)である。 税込み価格1万円を超えるその威風堂々たる姿からは想像も付かない破格の薄さが本作の特徴だ。 小一時間程の主人公の独り言で構成される共通ルートを抜けると特に親交を深めた訳でもないヒロインから突然の告白。 「こんなに苦しいのなら愛など要らぬ!」等の取って付けたようなヒロインの悩みをアッサリ解決したらセックスして終幕である。 そのボリュームは実に合計6時間にも満たなく、「川田まみの新曲CDを買ったら良く分からない画集が付いてきた。」と揶揄されてしまう。 登場人物も皆不快で、主人公がボッチである事を罵倒するのに全力を尽くすヒロイン達、主人公をストーキングする坊主頭の後輩、 無個性かと思いきや女性器の味を調味料で再現しようと画策する主人公等とことんユーザーを追い詰める。 クソゲー最後の砦とされるグラフィックも適当過ぎる男キャラのクォリティやスッカスカのパーティー会場等脱力物だ。 極めつけは変に高難易度かつ理不尽な攻略難易度で、ヒロインと屋上で弁当を食べないか誘う選択肢を選ぶと理由も不明にバッドエンドが確定する等スキが無い不快仕様となっている。 「小さなクソゲ、大きな不快」とでも言わんばかりな時代に即したエコ意識を見せつけるのも古参ならではの憎い演出であろう。 同じく薄っぺらさで勝負をかけたすたじお緑茶の「はにかみCLOVER」は起承転結の起・承・転をカットすると言う大胆な采配で、 ヒロインの悩みを解決するのに18クリックと緑茶ならぬ茶番とでも言うべき出来となった。 その他テンプレを固めただけのシナリオ、商業ゲーとは思えぬ素人臭でエントリーしたつみきそふとの「ハプニングLOVE!!」も後に続く。 しかし村正の強大さの前にはこれらの如何せん力不足感が否めず、撤退を余儀なくされてしまう。 このまま村正に屈するのか…いや、何か有るはずだと打開策を求める日々。 事態が動いたのは3月。 奇策で勝負に打って出たのは自称「普通じゃない」メーカーのしろいぱんつ謹製「グリモ☆ラヴ ~放課後のウィッチ~」(通称:グリモ)だ。 本作は伝説のクソゲー「四八(仮)」の様にオカルトや超常現象を元にしたショートストーリーの集合体となっており、その数なんと220話に及ぶ。 問題とされたのは各話の構成がメチャクチャな事である。 エピソードの途中で全く時系列が異なる別のエピソードが何の前触れも無く挿入されて進行してしまう為、普通にプレイしていてはストーリーラインを理解出来ないのだ。 ニュータイプ覚醒用ゲームと揶揄され2009年KOTYe大賞に輝いた「りんかねーしょん新撰組っ!」を思い出す仕様であるが、グリモはまたそれとは異なる趣向を凝らしている。 並びを整理すれば読めるシナリオとされたりんかねとは違い、本作は並べ替えても意味不明なのである。 その理由は各エピソードの内容の無さに起因する。 220話収録と言ってもメインストーリーに影響するのはその内せいぜい1割で、他はワンパターンのやっつけ仕事で超常現象を解決する薄味エピソードか 「ヒロインが寝てるのを見た」「超常現象が起きたけど無視した」等の10クリックそこらで終了する意味無しエピソードばかりである。 売りの超常現象解決もエピソードが始まるや否やすぐに原因となる化け物が現れ、間髪入れず魔女ヒロインがワンパンで撃破するコピペでしかない。 その急展開ぶりは「2ページで終わる地獄先生ぬ~べ~」「ソードマスターヤマト」等と例えられた。 単に理解不能で面白く無いだけでも厳しいが、グリモはその意味不明さとは裏腹にある種のホラー性も備えている。 ブラクラと称される狂気を放つ風紀委員という名の謎の生物、他のキャラと違い異常に画力の高いゾンビ、気持ち悪い人面犬の校長、何故か味方のエジプト神メジェド様等々 常人の脳みそを一瞬にしてショートさせる狂気が押し寄せる。 オカルト好きのメンヘラの脳内とされるカオスワールドは一周回って怖いと期せずしてホラー性を評価されてしまったのである。 エロゲーとして見ても致命的で、収録CGの殆どはエロCGなのに後半に偏っているせいで到達困難。 エロの対象であるヒロイン達は与えられた属性を元に同じセリフを連呼するBOT仕様で、肉体関係を持っても一切情愛を持たない。 ようやくエロにたどり着いても絵のクォリティがおざなりな上、内容も「女体化した主人公をヒロインが掘る」「透明人間とのセックスと称して動画付きで虚空に腰を振る」とやはり常人には理解不能だ。 20時間以上かかるボリュームを持つにも関わらず、選択肢も最後の最後に1個有るだけな上に殆ど意味を成さないほぼ一本道仕様。 「行動に応じて展開が変わる分四八(仮)の方が優れている」とまで言われてしまう。 自称に偽り無い怪作ぶりは面白い面白くない、クソかクソで無いかという次元の外側に位置しているとスレ住人達を恐怖に陥れたのであった。 この流れに触発されたのかKOTYeの常連が顔を出す。 昨年セクシービーチプレミアムリゾートで一世を風靡したILLUSIONが投入したのは「セクロスフィア」。 ツムツムから一切のゲーム性を排除して丸パクリしたパズルゲームを500回、時間にして4時間以上も純粋な作業を強いる苦痛ゲーだ。 ヒロインはバイブの貸し借りで盛り上がる奇人変人ばかりで、モデリングの低質さも加わり不気味さが際立つ。 全クリする事で解放される「パイパーモード」という名のフリーHモードはオーラバトラー並に巨大化したショタのイチモツでプレイ出来るが、 プレイのパターンも少なくILLUSIONお馴染みのカスタム要素も無いのでやれる事は多くない。 セクシービーチに続くこの惨状はILLUSIONの詰む詰むっぷりを露呈する結果となった。 その他、 登場人物全員がのウザさが際立ち「ウザコン」と称されたういんどみるOasisの「ウィザーズコンプレックス」。 本家曲芸商法の意地を見せつけファンディスク有りきの投げっぷりを発揮したCIRCUSの「D.S. -Dal Segno- 」。 ライターの厨二時代のノートが原作と自称し、伏線ぶん投げ&メディア展開狙い過ぎのエロ徹底排除姿勢で不評を買ったUnicoЯnの「聖鍵遣いの命題《プロポジション》」。 これら3作も後に続きクソゲー春季攻勢は大きな成功を収めたのであった。 続々と投入される新兵器により村正を押し返すKOTYeの前線であったが、異形の第三勢力の登場により再び空気は沸き立つ。 謎の新メーカーWhitePowderが6月に送り込んだ刺客。その名も「LAMUNATION!」(通称:ラムネ)だ。 「史上最悪の文章力」「センスのない学園ハンサム」等と住人に評された文章力こそが彼の主力武器である。 地の文が無く全編第三者視線のナレーションが状況説明をするスタイルなのだが、ライターの力量が圧倒的に不足している為に扱いきれておらずひたすらテンポが悪い。 ドラえもんに当てはめて   >のび太「ドラえも~ん!ジャイアンに虐められたよー!」   >ナレーション「のび太君が家に入りました。」   >ナレーション「のび太君が階段を登って部屋に入りました。」   >ナレーション「のび太君はジャイアンによく虐められるんです。いつもボコボコです。」   >ドラえもん「またかい、しょうがないなぁ。」   >ナレーション「ドラえもんが返事をしました。」   >ナレーション「ところでドラえもんは狸じゃなくて猫なんだそうですよ。なんでもネズミが怖いんだそうです。」   >ドラえもん「君はさっきからベラベラうるさいなぁ。」   >ナレーション「ごめんなさい。」   >ドラえもん「じゃあこの道具を貸してあげるよ。」   >ナレーション「ドラえもんがポケットから道具を取り出しました。」 と言った感じである。 この極めて読みにくく、センスが無いナレーション構成によりユーザーの不満はラムネ瓶から吹き出す泡の様に膨れ上がっていくのである。 これだけでも十二分にキツイが、更なるクソの上乗せで追撃を仕掛ける。 そのクソとは、本作の殆ど全ての言動が何かしらのパクリ・コピペ・パロな事である。 本当になんでも引っ張って来ており洋画・アニメ・ゲーム・漫画・テレビ番組等々全てを把握するのは困難なレベルに達している。 採用してる物も特に基準や法則もなく、単に製作期間中に見聞きしたから使ったのだろうと言う事情が見え隠れする。 これら以外に喋る事と言えば「ウンコ」である。 低質という比喩ではなく本当に主人公及びヒロインが「ウンコ」の話で盛り上がる。トゥルーエンド行きの選択肢の内容も「ウンコを漏らす」という徹底ぶりだ。 シナリオ自体も痛々しさ全開で、厨二妄想テンプレートの「テロリストが乱入してきたら」を完全再現するのは序の口である。 また世界観や設定の根幹をライターの同人作品から引っ張って来ているが、本作中では何の説明も無いので全く理解不能となっている。 この文章力は「まとめブログを見てネットスラングで盛り上がり多用しだす小学生」とまで揶揄された。 メーカー名通り白い粉をキメて書いてるのでは無いかと疑惑が上がるこの新機軸のクソっぷりに住人達も思わず唸るのであった。 同月にはイカれきった主人公が織り成す不快な一作、Prometheusの「恋と魔法と管理人 ~運命の歯車編~」もエントリーし華を添える。 猛暑が続く8月末、役者も出揃い苛烈な戦いを繰り広げる戦場に見参したのはかつてKOTYeを大いに湧かせたあの英雄であった。 どこへ行っていたンだッチャンピオンッッ 俺達は君を待っていたッッッ Softhouse-sealの登場だーーーーッ 2014年に「ビッチ生徒会長のいけないお仕事」がエントリーして以降、めっきり姿を見せなくなっていたお馴染みseal。 最近は姉妹ブランドを次々と立ち上げロープライス乱発体制から脱却を進めていたのだが、 その内の一つ、実用性重視の触れ込みで展開するseal-tutuの「発情インフレーション ~気になるあの子の淫れスイッチ~」を以って再び姿を表したのだ。 本作は「セックスイッチ」なる発情のツボを悪用する童貞主人公が織り成すバカエロゲーだと思われていたのだが、蓋を開けるとアミバの如く間違ったツボを刺激されてしまう。 中盤までは発情したヒロインを好き放題する期待通りの展開なのだが、終盤に入ると突如暗雲が漂う。 なんと突然現れたDQNや痴漢にヒロインを売り飛ばす展開が選択肢によっては登場するのだ。 NTRテイストもカラッと明るければ良いのだが、純粋に慕ってくれてる妹が泣いてるのに輪姦させたり、傷跡が残り続ける程のハードSMプレイ等の後味悪くダークな雰囲気で有る為、 明るいバカエロゲーに釣られたユーザーは見事に爆死する可能性を秘めている。 しかしながらsealのクソゲーとしてはパンチ力に欠けており、未だブランクからのリハビリ中である事を伺わせる結果となった。 9月にはKOTYe初参戦となるSMEEが「カノジョ*ステップ」を携えて登場。 批判されるとツライからという理由でライター、原画非公開というなんとも香ばしい煽りで注目を浴びた。 その結果同メーカーの過去作とは似ても似つかぬノッペリとした絵、特に「銅板を巻いてる」と揶揄された浴衣の帯で笑いを誘った。 時は流れて12月。 スレ住人達は厳戒態勢に突入していた。そう、12月と言えばご存知「年末の魔物」が跳梁跋扈する危険が潜んでいる為である。 最初に魔物が襲来したのは21日、七色の輝きと共にKOTYeの門が突き破られた。 エロゲー界最古参メーカーの一つD.O.の「なないろ*クリップ~最後のステージ~」(通称:ななクリ)のオンステージの始まりである。 D.O.と言えば「家族計画」「加奈 ~いもうと~」と言った代表作を有し、現存するメーカーでは最古参の一つとして挙がるメーカーである。 が、完全新作は2006年を最後に出ておらず目立った動向も無い為、ひっそりと消えた物と思われていた。 ところが2015年4月に突如息を吹き返し、同年秋にななクリを発売する事を宣言。 しかしズルズルと延期を繰り返し、2016年春にはライターとして協力していた某ラノベ作家が逝去した事を理由に約2ヶ月程弔慰文のみを残して公式サイトが閉鎖される等 復活の期待よりも不安の方が圧倒的に大きい進捗状況となっていた。 その後も何度か延期をし遂に10月末に発売。そして12月21日にエントリーを果たした。 遂にステージに上がったななクリの姿を見た住人達が発した言葉はただ一つ。 「古臭え…」 発売前よりヒロイン達を始めとするキャラデザ、塗りが20世紀かと思われる程の古臭さである事は指摘されていたが、実際にプレイするとそれ以外の全ても古臭さかったのだ。 殆どの操作がメニュー経由というUIの化石仕様、スキップ中に操作するとフリーズ等のお粗末なチェック体制、そしてe-moteを無理に実装した事もあり異常に重い動作。 体験版範囲を抜けると誤字脱字やNGボイスが混入したりと更にクォリティは低下していく。 長年のブランクは腕をサビさせるどころか風化させてしまった様だ。 今風にしようと無理をしたのかe-moteを導入し、やたらと3DCGを背景に使用しているが如何せん技術が追いついておらずe-moteは人型の水風船の様に不気味に揺れ動き、 時にはヒロインの頭が首から離れてしまう。終いには空すらズレて断層が発生する始末である。 終盤のヒロインたちのライブではムービーが挿入される物の、モブキャラの野郎共は初代PSもビックリのカクカクポリゴンという酷い出来で笑いを誘った。 ちょくちょく入るSDキャラも肉団子の様な醜さだったりと全編に渡りビジュアル面は最悪だ。 作中の「このクオリティで5000人は厳しいんじゃないか?」というセリフはスレ住人の間にムーブメントを巻き起こし、 「このクオリティで(売上)5000本は厳しいんじゃないか?」等と便利なコピペとして愛される事となった。 余談だが盤外要素も強力であり、前述の逝去したライターの死を全面的に宣伝に利用する死人商法や、無駄に強気に展開するリアルライブ等も話題となった。 特にスタッフロールの締めにデカデカと表示される「この作品を故某ラノベ作家に捧げる」という演出は絶対零度の冷ややかさを放つ。 また、作中のコミュニティーという項目からはアンケート、人気投票等にアクセス出来るのだが新年度を迎えても未だに開始の目処は立っていない。(当初は11月1日開始予定) 2016年終盤に至っても更なる新しいクソゲーの切り口を開拓した功績により続々とファンを獲得するななクリ。 しかしクソゲー界のトップアイドルを狙う彼女は更なるパフォーマンスで一気に人心の獲得に乗り出す。 勢い付いたななクリは翌日22日に新たな装いを手に入れ再びメインステージに殴り込んだのである。 その新衣装こそ同日に発売された「なないろ*クリップ~星空にメリークリスマス~」であった。 このクリスマス仕様は本編購入者には無料で配布される一方でミドルプライスでの単体販売も行われたファンディスク的な存在である。 驚愕すべきはインストール容量。なんとミドルプライス作で578MBのコンパクトさを誇る。 この容量ではまともなボリュームを望むべくは無く、全クリにかかる時間は1時間未満でしかない。 その内容も「ドルヲタの主人公が追いかけてるアイドルに優しくしたら3人揃ってベタ惚れ。クリスマスにわざわざ離島の主人公の元に赴きセックスして終わり」 という童貞中学生の妄想の様なぶっ飛びぶりである。 CGは全部で10枚、本番エロは1回だけのエロイッカイダケ再来である。 本編で有ったバグや不具合はそのままな一方で回想モードやCGモードを削除する謎の仕様も住人達を唸らせた。 ファンディスクとして見ても本編のヒロイン7人中1人しか登場しない誰得っぷりで何故こんな物をリリースしたのか全く理解不能だ。 これだけでも驚異的な戦闘力なのだが、住人の調査により発覚した新事実により最終形態へと進化を遂げる。 なんと本作の殆どがななクリ本編に特典として付く小冊子のコピペだったのである。 ファンの為の追加要素を提供するのがファンディスクで有るのに、その内容がファンなら既に読んでいる物のコピペであったら一体何の価値が有るのだろうか。 ななクリ関連で繰り広げるD.O.の挙動不審さの集大成としてKOTYeでもそうお目にかかれ無いクソゲーへと昇華を遂げたのであった。 次なる魔物は聖なる夜、クリスマスイブに襲来。 かねてより「絵が不気味過ぎる」と注目されていたマリンの「お嬢様学園こすぷれハーレム部!「今日はどの服でエッチしよっか?」」がエントリー。 本作の問題点はいたってシンプル。「嫌悪感を覚える」と言わしめるほど奇怪なグラフィックにある。 黒目が異様に大きく、アイラインは太マジックで描いたかのように太く、口の形が爬虫類、等々顔のパーツがいちいち歪で地球人に化けようとした地球外生命体の様なのだ。 売りにしている様々な衣装でのプレイも精々3、4程度で、立ち絵のポージングは各キャラとも一種類ずつな為、ミスマッチが目立つ。 主人公に至っては手足が細く肌が土気色なためゾンビにしか見えない上にHシーンではアナルがモザイク無しでモロに表示されるためホラーにしか見えない。 CGの問題は季節感にも侵食しており、春・夏・秋、攻略ルートによっては冬と、ほぼ全ての季節を舞台としているのだが背景は全て同じものを使い回しており、 テキストでは雨が降っていると表示されているのに空は眩しいほどの夕日が差し込んでいる始末で、時間経過も日付表示がないなど滅茶苦茶だ。 致命的なバグこそないものの、ことエロゲというジャンルにおいて絵の出来がいかに生命線となっているかを再認識させてくれる作品と言えるだろう。 続いて25日に襲来したのは2014年に大騒動を巻き起こした銃騎士の後継2作目となる、あかべぇそふとすりぃの「竜騎士 Bloody†Saga 」。 何やら竜と戦っている等の意味ありげな設定が居並ぶが、殆どが理由不明であったり不要な設定で有ったりと相変わらずガバガバである。 設定ばかりは重厚な一方で名有り人物が極端に少ない為、大変薄っぺらい印象に仕上がっており、 本家KOTYを制した某反逆者を彷彿とさせる味わいである。 27日には今年最後のエントリーとなったすたじお緑茶が「夏彩恋唄」で今年2作目のエントリー。 本作の特徴はなんといっても、決して長くないボリュームの中、合計19回と狂ったように挿入されるOPムービーである。 これが「OP→本編→次回予告→OP・・・」という番組風演出ならともかく、本作の場合「ヒロインとデート中→OP→デートの続き」などと、位置にまるで脈絡がない。 毎回「OPを再生しますか?」の選択肢が挟まるのも鬱陶しく、単純なお邪魔虫にしかなっていないのだ。 更に目立つイベントが何も起こらない退屈極まるシナリオもテンポ悪化を助長。 本作のピーク、「ヒロイン妊娠に悩む主人公の背中を親友が押す」熱いシーンですら、 「育児はヒロインに、金は親に任せて大学行って、一流企業就職したら幸せな家庭作れるじゃん。ヒロインは退学だろうけどね」 「その手があったか!」 からの円満解決というド茶番であり、ユーザーの目にはただただ熱い何かが迸るのみである。 付け加えると、イカレポンチなOP攻勢のわりにEDには歌がなく、ヒロインとモブ女生徒1人以外の立ち絵もない。 誰しもの心に「手 抜 き」の3文字が踊ろうものだが、真相がどうあれ、これですたじお緑茶が2作連続の迷走を演じてしまった事は確かだ。 それでもまたユーザーという名の懐の深い親友が現れ、軽快に背中を小突いて激励してくれる未来が訪れるよう、心から願ってやまない。 さて、エントリー作の紹介を終えた所で次点、そして大賞の発表に移りたい。 次点は ・戦御村正 ‐剣の凱歌‐ ・LAMUNATION! ・なないろ*クリップ~最後のステージ~ ・なないろ*クリップ~星空にメリークリスマス~ 大賞は ・グリモ☆ラヴ ~放課後のウィッチ~ 2016年のKOTYeは開幕と同時にやってきた村正の圧倒的戦闘力により、一時はKOTYe初の逃げ切り達成かと思われていた。 しかしその後続々とエントリー作が押し寄せる中で村正とは違うベクトルを誇る列強が立ち塞がった。 LAMUNATION!はKOTYe史上最低とされる文章力で新たな地平を切り拓き、ななクリ2作は時代錯誤の骨董品、そして誰得と低質を極めたファンディスクでそれぞれ大いに舞台を沸かせた。 それらの中でもグリモは飛び抜けて異様な戦闘力を誇っている。 理解不能で大賞に輝いたりんかね、そして伝説のクソゲー四八(仮)すら比較対象に挙がるぶっ飛びぶりはKOTYeの歴史でも類を見ない物である。 ベクトルが異なる強みを持つ村正とグリモ。優劣を付け難い戦いであったが、両者には決定的に違う部分が有った。 それは「クソゲーをプレイするとはどういう事か」という事である。 村正は強大であった。 メーカーすら匙を投げ、クリア不可能、検証すら困難というそのバグゲーっぷりはKOTYe過去の英霊と比べても比肩する者は居ない程である。 しかしそれは同時にゲームとして本当の意味でプレイされた物では無いのではなかろうか。 確かに村正に挑むのは時間、労力、気力全てを消費する大変な物だが、その結果見られるのはバグって進めないという切れ味悪い物である。 言うならば「戦わなければ負ける事は無い」とでもする逃げのスタイルだ。 一方でグリモは常人には理解不能というやはりこちらも比肩する者が居ない強みを誇っている。 しかしこちらの強みは最初から最後まで仕様通りの動作でプレイ出来るからこその物である。 同じ負けないでもこちらは「正面から12R戦って殴り勝った」とでも言うべき実の有る物ではないだろうか。 2008年より「クソゲーとは何か?」という永遠の課題に向き合ってきたKOTYeにとってこの違いは大きな意味を持つ。 クソゲーに向き合い語るという根本的趣旨を考慮した時、「バグってプレイ出来ないからクソゲー」ではバグが酷いという点を語るに留まってしまう。 これに比べグリモの様に「じっくりとプレイし内容を考察した上でクソゲー」であれば永遠の課題に対しまた一歩進展が得られる。 そして何よりスレ住人達が期待し沸かせる物は強大なクソゲー同士の派手な肉弾戦である。 バグという盾に隠れて行う遠距離攻撃では人は決して沸き立たないだろう。 以上の理由より、2016年KOTYe大賞は「グリモ☆ラヴ ~放課後のウィッチ~」とし、心からの祝福を贈りたい。 群雄割拠の2015年と異なり、2016年は巨頭同士の頂上決戦が行われるハイレベルなKOTYeとなった。 大賞に輝いたグリモは勿論、次点に並んだクソゲー達も従来のKOTYeでは見なかった新たなクソゲーの地平を開拓し、 「クソゲーとは何か?」という永遠の課題に対して前進が得られた実り多い年であったと言えよう。 しかしいつまでも余韻には浸って居られない。 既に2017年の門前にはアーベル、ザウス、そして転生を果たした村正DXが座り込み、今や遅しと門を叩き続けている。 節目となるKOTYe10年目となるに相応しい幕開けを予感させる2017年に向けて立ち向かわねばならない。 クソゲーが新たに生まれる限り答えは見つからないであろう永遠の課題に向け、 2016年を仕舞いとする事で一つの節目としたい。 最後に大賞に輝いた「グリモ☆ラヴ ~放課後のウィッチ~」に次の言葉を送り結びの言葉としたい。 「超常現象【クソゲー】も退治して下さい。」 }

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