竜騎士Bloody†Saga 選評

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|ブランド|あかべぇそふとすりぃ|| |ジャンル|ADV|~| |メディア|DVD-ROM|~| |原画|相川たつき、zunta、桐島千夜|~| |シナリオ|伊後山勇気、菅原トーヤ|~| |発売日|2016/12/22|~| |定価|10,584円(税込)|~| *選評 【2016】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 避難所 10本目 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58331/1481291868/ #blockquote(){706: 竜騎士選評 ◆IYkyv8f8CQ :2016/12/25(日) 22:30:14 ID:y6wbdIgE タイトル:竜騎士 Bloody†Saga ブランド:あかべぇそふとすりぃ 発売日:12月22日 価格10584円 様々な問題を起こしてきた騎士シリーズの三作目であり、今作はついに価格が5桁の大台に乗ることになった。 前作までとは原作が変更され、ちらほらとやばいんじゃという声も聞こえていたが蓋を開けてみればそこそこの体裁を保ったものに出来上がっていた。 とはいっても、相変わらずのヒロイン4人体制でサブはなしヴォーカル曲も1つと値段にしては寂しいものがあるが。 エロシーンに関してもヒロイン毎に相応の数が用意されており、クリア後にアフターHもついている。また、UIにも問題は特に見受けられなかった。 ではなにが問題なのかというと、ただただシナリオがひどいのである。前作の反省を生かさず畳み掛けている姿には、感銘すら受ける事この上ない。 またグロフィルターなるものがあり、本格的なファンタジーなのかと思わせるが拍子抜けの展開の連続である。 さてそれではさっそく問題点を順番に触れていこう。 1.【ガバガバすぎる世界観】 『竜に襲われている国があって、その国の騎士が生き餌になりつつもがんばって耐えている。 』 突き詰めれば読むのに必要な設定は以上である。前作よりもさらに薄くなっている。 HPのあらすじによるとその竜によって国が守られてるとか書いてあるが、本編ではほとんど説明されていない。 騎士団のTOPが代々国王をつとめてきたらしいが、騎士が生き餌となりゴミのように死んでいく中よく維持できているものである。 多大な犠牲をだしながらもこの土地にとどまる理由が見受けられない。 さらに、なぜ竜がこの国を襲っているかもよくわからない。 基本的に『なぜ』というのがこのゲームには欠落してしまっているのである。これは他の部分でも度々顔を表してくる。 2.【6人の敵役】 ・激しい戦闘で勃起する、死にたがり ・一対一での戦いに美学を持つ戦闘狂 ・美しい髪フェチの変態 ・死姦大好きな変態 ・カニバリズムの変態 ・強いやつと戦いたい戦闘狂 この話では竜以外にも上記のような特徴的な敵が存在するが、基本的には出落ちである。 最初の二人は主人公と戦うことなく、国王と戦って斬殺される。 髪フェチは出てきたと思ったら即退場し、死姦マニアとカニバリズムは主人公に惨殺される。 最後の一人は序盤に一度主人公と邂逅し興味を持つが、偶然2回目にあったとき首ちょんぱである。 だがこいつらの死に様のためのグロフィルターといっても過言ではない。キチンと誰得CGも用意されている。 もっとも肝心の竜に対し騎士が死んでいくのは、テキストで軽くながされていってしまうのだが。 3.【謎の主人公】 さて敵役をわりとあっさりと倒す事のできる主人公のロイではあるが、その境遇が語られることはない。 なぜ強いのかは謎のまま話は終わってしまう。 これに関しては少し複雑な説明をしなければいけない。 実はあかべぇそふとから11月25日に発売されている『略奪者の淫宴』という作品があるが、その主人公がロイなのである。 その作中でロイは幼いころ住んでいた村が賊に襲われ、賊の頭の女房に気に入られて生き残ることになる。 復讐を誓いながらも、成長するまでは従属して一緒に(仕方なく)悪事に手を染める。 やがてその賊達はとある村でてにいれた薬によって淫宴にふけり壊滅するという話である。 この賊の頭がとても強く、それを倒すために強くならざるを得なかったわけだ。 この作品をやらなかった人からみれば、主人公がなぜ強いのかはわからないままである。過去になにかあったとしか把握できない。 またやった人からすると主人公が過去から救われるのを期待するが、ヒロイン達は空気を読んで深く問い詰めることはしない。 ただ悪夢を見た主人公をちょっと抱きしめて、好感度を稼ぐだけである。 4.【薄味ヒロイン】 そんな主人公に思慕の情を抱くヒロイン達であるが、最初は主人公に見張りとして交代でつくことになる。 なぜかというとその理由は寝泊まりする場所として騎士団の一室が与えられることになるからである。 どうやら騎士団の施設には秘密があるからしいのだが、それが話に絡んでくることはもちろんない。 ここで1つ言わなければならないことがあるが、それは 『このゲームに個別ルートは存在しない』 のである。 なんと舞台となる国では一夫多妻制が認められているのだ。 これによりヒロイン同士の確執もなく、話も広がらない。(複数Hはちょびっとだけあります』 ヒロインA→B→C→Dと順番に中を深めていくのだが、個別ルートが存在しないためにヒロインの存在感が希薄になっているのだ。 ゲームでよくある手法として共通ルートでヒロインの過去をちらっとだし、個別ではその障害を乗り越えるというものがあるが、 このゲームでは後半部分がばっさりカットされている。 ・騎士になって人を助ける事を夢見る少女 ・竜によって商人の親を失い、強くあるために騎士になった少女 ・小さい頃から孤児院で育ち、恩を返すために騎士になった少女 ・名家に生まれ、国王に引けを取らない実力と魔剣を持つ父に負けないよう騎士になった少女 それぞれにきちんとした設定はあるのだろうが、仲が良くなる時にちょっと話題になる程度である。 関係者ももちろんいるが、深く関わってくることはない。 5.【雑な話展開】 さて上記までのように問題が色々あるが、一番気になるのはこの部分であろう。 さっそくゲームの展開を順番にまとめていこう。 ①この国を訪れ竜の被害に心を痛めた主人公ロイは、復興を手伝うために逗留する ②賊がなぜかこの国を襲う ③変態がなぜかこの国を襲う。なぜか変態がもっていた竜の卵が孵り、対抗手段として育てることに ④竜がなぜか短い間隔で訪れ、甚大な被害がでる ⑤竜に対抗する手段を確保するため、ヒロインの父親が持っていた魔剣(討伐失敗して行方不明)を探しに二人で竜の住む山に ⑥崖から落ちそうになったヒロインを助けかわりに転落するロイだが、運良く助かりさらにその場所で運良く魔剣もみつかる ⑦魔剣の力が無くなっていたのでその力を復活させるため、作った刀匠を探し隣国までロイ+ヒロイン4人+子竜で旅をする ⑧旅の途中ゴブリンの襲撃にあい、ヒロインの一人が崖から落ちて川に流される。ロイは助けるため川に飛び込む。(残り3人には進むように言ってから) ⑨魔物が跋扈する森を抜ける途中でなぜか(近道らしい)髪マニアの変態と出会い倒す。 ⑩そのころ3人と子竜も旅を続けるが植物の魔物に襲われる。子竜の助けで、その魔物を切り抜け子竜が捕食する。  なぜかその植物の魔物がたくさんいて、全部子竜が食べてなぜか巨大化する。 ⑪隣国で刀匠を探し出すが、両足をカニバリズム野郎に食われていて、奥さんを人質に取られて剣を作ってる。 ⑫奥さんを救出して剣を直してもらう。剣を扱うのは大変らしい。 ⑬国に帰ると、火竜が三度街を襲っている。それを魔剣と子竜で撃退する。なお魔剣はロイがあっさり扱いになれる。 ⑭撃退したら国王に、火竜が怪我してるしちょっと倒してきてと言われて倒す ⑮Fin 長くなってしまったが、なぜの部分はもちろんきちんと明かされない。突っ込みだしたらきりがないのだ。 そして話は盛り上がることなく展開されていき、最後まで走り抜けていく。 なお主人公はクライマックスが終わるまでただの薬剤師であり、部外者のままであることも付け加えておこう。 最初に述べたようにこの『なぜ』が積み重なったまま話が展開していくため、素直に楽しむことができない。 6.最後に シナリオ以外は最低限の水準をなんとかみたしているが、シナリオだけで糞という一本糞のようなゲームである。 古来からの王道中の王道である竜討伐を題材にしたファンタジーは山ほどあるが、これはその中でも最低ランクと言っていいだろう。 このゲーム内だけでも『子竜』『魔剣』『4人の恋人』『主人公の過去』『悪役たる悪役』『騎士団』と使えそうな題材は山ほどあるのに、 それらはぶん投げられており、見るも無残だ。 そもそも名前のある登場人物が極端に少なく(主人公ヒロイン4人団長副団長、主人公に絡んでもこないため話に重厚さが皆無である。 もっと直球に描いて良かったのではないかと思う。 まさにどうしてこうなった!としか言いようがないのがなんとも残念な作品であった。 以上です。}

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