グリモ☆ラヴ ~放課後のウィッチ~ 選評

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|ブランド|しろいぱんつ|&amazon(B01A9MLSYA)| |ジャンル|素敵な女子(お化け含む)に囲まれた&br()ボクの学園生活AVG|~| |メディア|DVD-ROM|~| |原画|78、すてりい、吉澤友章|~| |シナリオ|洋式、りりあん嬢、須々木鮎尾、まじか|~| |発売日|2016/03/25|~| |定価|9,504円(税込)|~| *選評 【2016】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 避難所 2本目 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58331/1460218215/ #blockquote(){161 :グリモラブ選評 ◆Ra9j1sVq3.:2016/04/13(水) 23:35:01 ID:BnX0wimk グリモ☆ラヴ ~放課後のウイッチ~ ジャンル 素敵な女子(お化け含む)に囲まれたボクの学園生活AVG ブランド しろいぱんつ 発売日 2016年3月25日 価格  8800円+税 自称「普通じゃない」メーカーのしろいぱんつが放った世紀の怪作。 正直文章で表現する事はかなりキツイので、体験版だけでもやってる事をオススメする。 ○概要  公式サイトによると  何故か超常現象や幽霊等が発生しまくる学園で、主人公が魔導書を入手。この魔導書は女性を発情させるのでエッチなトラブル続出!  というパッと見スワンやSealに似たバカエロゲー的な物を匂わせる紹介となっている。  が、公式サイトのキャラクター紹介からして既に異臭を放っており、メジェド様なるエジプトの古代神等が跳梁跋扈する極めて混沌とした雰囲気を醸し出している。  内容についてはさておき、本作の構成を説明すると、所謂ショートショート集である。  合計220話(http://i.imgur.com/dInYeN5.jpg)に及ぶ非常に多いエピソードが用意されている。  基本的にオカルトチックな物が題材なのだが、オカルトでもなんでもないエピソードも多数である。  各エピソードに移行する際は黒板を模したカットインが挿入される。  http://i.imgur.com/S6o3UJ4.jpg  http://i.imgur.com/FoEZ9lA.jpg ○問題点  ・理解不能   本作のクソさの多くを占める致命的な問題。   本作はハッキリ言って一体どういう話で、どういう展開で、結局どういう話だったのか常人には理解不能なのである。   最後までプレイしても結局なんだったのかまるで分からない。   原因は複数あり、まず構成がかの「りんかねーしょん新撰組っ!」の様な時系列、順序等を完全無視した散文となっている事が挙げられる。   例えば本筋の一つである生徒会に勧誘されるエピソードの途中かと思いきや、突如カットインが入り登校中の別エピソードに突入したりする。   そもそも220話有るとはいうものの、話の本筋に関与するエピソードはせいぜい1/10程度であり、殆どが要はサイドストーリー端的に言えば無駄話だ。   なので本筋にサイドストーリーが付いてるのではなく、その真逆の関係となっている為、一体今出てきてるエピソードが本筋なのかどうか普通に読んでいてはまず分からない。   続いて挙げられる原因はエピソードの内容自体が極めて無意味である事が挙げられる。   サイドストーリーとなるエピソードは大まかに分類すると   ・ヒロインが発情したのでエロシーンに突入する話   ・怪奇現象を聞きつける→行ったら人外が居ました→瞬殺で退治しました   ・怪奇現象が起きました→でも無害なので放置しました   の3種類程度に分けられる。   エロシーンについてはさておき、後者2つに関してはまるで実りが無い話ばかりである。   怪奇現象を追いかけるにしても、進むに従い徐々に正体を掴むようなホラーであれば多少は面白いが、   殆どの場合で移動先に着くやいなや間髪をいれず姿を見せ、矢継ぎ早に魔女ヒロインが正体を喝破し一撃で片付けるコピペエピソードである。   地獄先生ぬ~べ~で例えるならば、2ページ目で悪霊がいきなり登場し、次のコマでぬ~べ~が悪霊の名前を叫びながら鬼の手で粉砕するだけ といった感じである。   またこれら本筋以外のエピソードの内容が本筋に影響する事も殆ど無い為、ますます存在意義が疑われる。   酷い物だと本当に何事も起こらない事も有り、例として以下の様なエピソードが存在する。   ・いつも寝てるヒロインが今日も階段で寝てるのを見かけた→終わり   ・生徒から幽霊の情報提供が有ったが、そんな話は今迄聞いた事が無いので、無いものと断定し対処はしない→終わり      加えて言うならば、後半に行くに従い明らかにネタ切れの様相をハッキリと感じる事が出来る。   例として突如現れる潜ると透明人間化する扉のエピソードは、主人公が透明人間化してセクハラする相手が違うだけのバリエーションが何度も登場するし、   最初は呪いのアプリのせいで現れるゾンビも後半になると、取り敢えず困ったらゾンビで締めとけと言わんばかりに大量発生する。   そして全てに置いて説明不足である。   魔術だの幽霊だのが存在する事自体は良いとしても、それらに対する説明や理由付け等がまるで無く、   最初から有って当然の物、知ってて当然の物として扱われるのでユーザーは完全に置いてきぼりである。   例としてエジプト古代神のメジェド様が初登場した時がこんな感じである。(http://i.imgur.com/jC1RtNO.jpg)   このシーンの前後でも「メジェドって何?」「本当に神様なの?」「何故ここに居るの?」と言ったユーザーの素朴な疑問には一切応じず   「エジプト古代神のメジェド様が何故か分からないけど学園に現れて仲間になった」という状況が瞬間的に固定され、以後これらへのフォローは無い。   最後に挙げられる原因はエピソードの長さが極端にまちまちな事である。   上記の何も起こらないエピソード等の様に2,3分で終わる瞬間ネタの様な物がある一方で、何時始まったかも思い出せないような長編も紛れ込んでいる。   結果としてショートショートの利点であるリズム感等が完全に殺されており、この構成にした意味が全く感じられない。   以上をまとめるならば「シナリオが無いりんかね」とでも言うべきか。   りんかねはまだ順序立てて再構築すればそこそこのシナリオが有ったが、こちらにはそれすらも無い。   まるでオカルト好きのメンヘラの妄想に飛び込んだかの様な本作の支離滅裂さは、ある種の恐怖感すら有る。   一周回って面白いと称されたクソゲーが有った様に、本作は一周回って怖いクソゲーと言えるだろう。  ・味付けがキツすぎるキャラクター   さて上述のカオスワールドを更に不快な物にさせているのが極めてエグい性質のキャラクター達である。   単刀直入に言うなれば全員がキチガイだ。   まず人間の方から説明すると、ヒロインには陳腐化したありきたりな属性が付与されている。   腹ペコ娘、無気力生徒会長、木刀武士娘等であるが、良くないのが彼女らの行動がこれら属性の一点押しだと言う事である。   何のシーンだろうと腹ペコ娘は腹減った腹減ったと何かを食べる事しかしないし、無気力生徒会長はダリィダリィの連呼しかしない。   木刀武士娘は校則校則とヒステリックに叫びながら木刀をチラ付けせるばかりである。   また思考回路が全員ぶっ飛んでおり、例えば主人公が透明人間化してセクハラをしていたと発覚すると、ヒロインが揃って   「罰としてお前も見せろ」と玉袋の裏まで観察しだしたりする。発情していなくてもこんな調子なので、正直発情前後で何が違うのか良く分からない。   主人公も主人公で重度の狂人であり、ラノベ作家になると言って憚らない時点でかなりの香ばしさであるが、脳みそが精巣で出来てるのかと思うくらいの性獣である。   ヒロインを見ればすぐさま脳内で服をひん剥き妄想を始め、ヒロインのパンツを見ることに全身全霊を捧げる。   更に人間サイドについての致命的な問題として、本作はヒロインを掘り下げるとか、愛着を湧かせる、恋愛するという要素が初めから考慮されていない。   掘り下げは上述の通り属性の一点押しで人物像を描写する事はまず無く、主人公と幾ら肉体関係を持とうが情を持ったり愛が芽生える事も一切無い。   最初から最後まで単に発情したらセックスする それだけの関係である。   シナリオや文章が稚拙でヒロインの魅力や恋愛を上手く描写出来無いタイプのクソゲーとは、この点が一線を画していると言えよう。   人外にスポットを当てると味方陣営にはエジプトの古代神メジェド様、自動コックリさん、アイヌの土着神、誰も疑問を挟まない校長の犬(http://i.imgur.com/4sYCVcf.jpg)等   こちらも見ただけで吐き気を催すような電波出力を放っている。   またブラクラじみた狂気の沙汰としか言いようが無い演出を伴っている事が多い。例えば   ・主人公を見るなりじゃれつく風紀委員(http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org814768.wmv.html)   ・他の絵と違い異常に力の入ったゾンビが突如登場(http://i.imgur.com/DIOiHGb.jpg)   ・万引き犯ボイスの呪いの人形(http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org816019.wmv.html)   とユーザーの精神力をゴリゴリ削っていく。クリアするのが先か発狂するのが先か見ものである。  ・抜きが考慮されていない抜きゲー   本作はCG78枚に対してエロシーン71回であり、スペックだけで見ればCGの殆どがエロに回されている抜きゲーである。   しかし本作は地のスペックは抜きゲーなのに、作品の方向性としては抜きゲーとは真逆の方向性となっている。   まずエロが絡まないエピソードが大多数である。ショートショートの抜きゲーならばそれぞれのエピソードでエロが有る位の勢いが欲しい。   そしてエロの配分が悪い。   エロシーンのペースは後半に偏っており、最初のエロシーンまでが非常に遠く、本番シーンを見ようと思うならば5時間はカオスワールドを体験しなければならない。   また、需要不明の誰得性癖が混入しているのも見逃せない。   ・透明人間とのエロシーン、しかもアニメーション付きという人類には早過ぎる性癖    http://i.imgur.com/JM41J86.jpg    http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org816009.wmv.html   ・突然の主人公女体化からのガン掘り    http://i.imgur.com/s3Ixjw7.jpg   この様に抜きゲーなのに抜きに向かないという何者にもなれていない謎仕様が本作のクソさを一層引き立たせている。  ・散見される手抜き   ここまででお分かりの通り(何をしたいのか全く不明だが)やりたい放題に作られている本作だが、妙な手抜きも散見される。   例えば先に上げた通りゾンビを始めとする化物のグラフィックはやたらと力が入っているのだが、一方でただの影絵でしか無い物もある。   ・学園を徘徊する女子生徒の亡霊(http://i.imgur.com/WagzgcZ.jpg)   ゾンビは一生懸命に描くのにこちらは影絵とは一体どういう基準で決めているのだろうか。   また何故か立ち絵では無くデカデカと顔を表示する演出もよく見られる。   http://i.imgur.com/EXfDoRV.jpg   http://i.imgur.com/NkNGRUZ.jpg   立ち絵にも同じ表情や姿の差分が存在しているシーンでもこの方法を使用する為、こちらもどういう基準で使用を決めいてるのは全く不明である   エロでも手抜き体質は見受けられ、発情した女教師と魔女ヒロインの絡みでは何故か女教師がのっぺらぼうになる。   http://i.imgur.com/FVkBjpR.jpg   主人公がのっぺらぼうならまだしも、何故ヒロイン同士の絡みでのっぺらぼうにならなくてはならないのだろうか。   更に本作の売りの一つであるアニメーションも全てのエロシーンに有る訳でもない癖に大変質の悪い物である。   アニメーションと言ってもe-moteの様な物では無く、単純なmpgファイルの埋め込みである。現にインストールフォルダから直接再生も出来る。   再生すると分かるのが、まず画質が悪い事だろう。   1枚絵のCGからアニメーションに移行した瞬間、ひと目で分かる位映像がザラつく。   そして肝心なアニメーションの動きは壊滅的。(http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org819855.wmv.html)   明らかに無理な動きが多く不気味な上に、とにかく楽しようとした痕跡も見受けられる。以下はその例である。   ・何故か扱いてるだけなのに乳まで揺れている(http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org819859.wmv.html)    ↓   ・その後のピストンで使いまわせる様にです(http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org819860.wmv.html)  ・全編スベリ芸   本作はオカルトにシュールギャグを混ぜた様なエピソードが多いのだが、これらが尽くスベっており不快感以外何も感じない。   例えば、封印されている古の魔女を解き放つエピソードのオチがこんな調子である   http://i.imgur.com/dVAkjLU.jpg   基本的に本作のエピソードは「センスが無いギャグマンガ日和」と「四十八(仮)」を悪魔合体させた物と思って良い。  ・箇条書きテイストの文章   本作の文章は箇条書きを並べた様な文体の物が多い。   上の魔女のオチ等はその典型例である。ついでに言うならば公式サイトも箇条書きの羅列である。   何か拘りが有っての作風ならまだしも、本作でのそれは単に文章力が低いが故の結果なのでひたすらに読みにくい。  ・混ぜすぎ危険   ここまで散々オカルトオカルトと言って来ているが、本作のオカルトは非常に範囲が広くなんでも取り込んでいる。   定番である学校七不思議やトイレの花子さんの様な幽霊は勿論、魔法、異世界、古代神、土着神、都市伝説、SF、超能力、妖怪なんでもござれである。   幽霊一つとっても伝統的なスタイルの幽霊からインターネット回線に乗じてコンピューターに取り憑く霊等本当になんでも取り込んでいる。   それこそ地獄先生ぬ~べ~の様に上手く取り込んでいるならばそれも面白いのだが、言うまでも無く本作では無計画に取り込んでいるだけなので   パンクして扱いきれていない。   この方向性が分からないテーマも本作の意味不明さに貢献している。  ・充実のコンフィグ   本作のコンフィグは何故か3つしか選択項目がない充実のコンフィグとなっている。   http://i.imgur.com/S2tDLFe.jpg   一応一番上を選ぶと別ウィンドウが出てきていっぺん通りの設定はできるが、これも非常に古臭いシステムである。   http://i.imgur.com/bZ6rd9h.jpg  ・ほぼ選択肢無し   よく8割共通ルート等と言われたりするが、本作は9割9分共通ルートと言って良い。   具体的には最後の15分位で2回選択肢が有り、3つのルートが有るのだがルートと言っても最後に誰とセックスするかの違いくらいである。   どのルートでもよく分からんがめでたしめでたしで終わりなので、いっその事選択肢無しの方が潔いのではないかと思われる。   勿論中出し/外出しみたいな選択肢も無い。   合計20時間位は有る無駄に長いボリュームの本作だが、この一本道仕様のせいで苦痛度は頂点に達する。   せめて四十八(仮)の様に選択肢次第で出るエピソードが多少変化する等の仕様が有ればまた違ったと思われる。 ○まとめ  一体何がしたくて作られたのか一切理解出来無い怪作である。  面白い面白くない、クソかクソで無いかという次元の外側に位置しているとすら思える始末である。  一周回って怖い本作だが、作中のどの怪奇現象よりも本作が生まれて発売された事がよっぽどホラーである。  この選評で良く分からない諸兄は後学の為に実際プレイしてみる事をオススメする。  りんかね+センスが無いギャグマンガ日和+四十八(仮)の素敵な世界を体験出来るはずだ。 }
|ブランド|しろいぱんつ|&amazon(B01A9MLSYA)| |ジャンル|素敵な女子(お化け含む)に囲まれた&br()ボクの学園生活AVG|~| |メディア|DVD-ROM|~| |原画|78、すてりい、吉澤友章|~| |シナリオ|洋式、りりあん嬢、須々木鮎尾、まじか|~| |発売日|2016/03/25|~| |定価|9,504円(税込)|~| *選評 【2016】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 避難所 2本目 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58331/1460218215/ #blockquote(){161 :グリモラブ選評 ◆Ra9j1sVq3.:2016/04/13(水) 23:35:01 ID:BnX0wimk グリモ☆ラヴ ~放課後のウイッチ~ ジャンル 素敵な女子(お化け含む)に囲まれたボクの学園生活AVG ブランド しろいぱんつ 発売日 2016年3月25日 価格  8800円+税 自称「普通じゃない」メーカーのしろいぱんつが放った世紀の怪作。 正直文章で表現する事はかなりキツイので、体験版だけでもやってる事をオススメする。 ○概要  公式サイトによると  何故か超常現象や幽霊等が発生しまくる学園で、主人公が魔導書を入手。この魔導書は女性を発情させるのでエッチなトラブル続出!  というパッと見スワンやSealに似たバカエロゲー的な物を匂わせる紹介となっている。  が、公式サイトのキャラクター紹介からして既に異臭を放っており、メジェド様なるエジプトの古代神等が跳梁跋扈する極めて混沌とした雰囲気を醸し出している。  内容についてはさておき、本作の構成を説明すると、所謂ショートショート集である。  合計220話に及ぶ非常に多いエピソードが用意されている。 #region #image(001.jpg) #endregion  基本的にオカルトチックな物が題材なのだが、オカルトでもなんでもないエピソードも多数である。  各エピソードに移行する際は黒板を模したカットインが挿入される。 #region #image(002.jpg) #image(003.jpg) #endregion ○問題点  ・理解不能   本作のクソさの多くを占める致命的な問題。   本作はハッキリ言って一体どういう話で、どういう展開で、結局どういう話だったのか常人には理解不能なのである。   最後までプレイしても結局なんだったのかまるで分からない。   原因は複数あり、まず構成がかの「りんかねーしょん新撰組っ!」の様な時系列、順序等を完全無視した散文となっている事が挙げられる。   例えば本筋の一つである生徒会に勧誘されるエピソードの途中かと思いきや、突如カットインが入り登校中の別エピソードに突入したりする。   そもそも220話有るとはいうものの、話の本筋に関与するエピソードはせいぜい1/10程度であり、殆どが要はサイドストーリー端的に言えば無駄話だ。   なので本筋にサイドストーリーが付いてるのではなく、その真逆の関係となっている為、一体今出てきてるエピソードが本筋なのかどうか普通に読んでいてはまず分からない。   続いて挙げられる原因はエピソードの内容自体が極めて無意味である事が挙げられる。   サイドストーリーとなるエピソードは大まかに分類すると   ・ヒロインが発情したのでエロシーンに突入する話   ・怪奇現象を聞きつける→行ったら人外が居ました→瞬殺で退治しました   ・怪奇現象が起きました→でも無害なので放置しました   の3種類程度に分けられる。   エロシーンについてはさておき、後者2つに関してはまるで実りが無い話ばかりである。   怪奇現象を追いかけるにしても、進むに従い徐々に正体を掴むようなホラーであれば多少は面白いが、   殆どの場合で移動先に着くやいなや間髪をいれず姿を見せ、矢継ぎ早に魔女ヒロインが正体を喝破し一撃で片付けるコピペエピソードである。   地獄先生ぬ~べ~で例えるならば、2ページ目で悪霊がいきなり登場し、次のコマでぬ~べ~が悪霊の名前を叫びながら鬼の手で粉砕するだけ といった感じである。   またこれら本筋以外のエピソードの内容が本筋に影響する事も殆ど無い為、ますます存在意義が疑われる。   酷い物だと本当に何事も起こらない事も有り、例として以下の様なエピソードが存在する。   ・いつも寝てるヒロインが今日も階段で寝てるのを見かけた→終わり   ・生徒から幽霊の情報提供が有ったが、そんな話は今迄聞いた事が無いので、無いものと断定し対処はしない→終わり      加えて言うならば、後半に行くに従い明らかにネタ切れの様相をハッキリと感じる事が出来る。   例として突如現れる潜ると透明人間化する扉のエピソードは、主人公が透明人間化してセクハラする相手が違うだけのバリエーションが何度も登場するし、   最初は呪いのアプリのせいで現れるゾンビも後半になると、取り敢えず困ったらゾンビで締めとけと言わんばかりに大量発生する。   そして全てに置いて説明不足である。   魔術だの幽霊だのが存在する事自体は良いとしても、それらに対する説明や理由付け等がまるで無く、   最初から有って当然の物、知ってて当然の物として扱われるのでユーザーは完全に置いてきぼりである。   例としてエジプト古代神のメジェド様が初登場した時がこんな感じである。 #region #image(004.jpg) #endregion   このシーンの前後でも「メジェドって何?」「本当に神様なの?」「何故ここに居るの?」と言ったユーザーの素朴な疑問には一切応じず   「エジプト古代神のメジェド様が何故か分からないけど学園に現れて仲間になった」という状況が瞬間的に固定され、以後これらへのフォローは無い。   最後に挙げられる原因はエピソードの長さが極端にまちまちな事である。   上記の何も起こらないエピソード等の様に2,3分で終わる瞬間ネタの様な物がある一方で、何時始まったかも思い出せないような長編も紛れ込んでいる。   結果としてショートショートの利点であるリズム感等が完全に殺されており、この構成にした意味が全く感じられない。   以上をまとめるならば「シナリオが無いりんかね」とでも言うべきか。   りんかねはまだ順序立てて再構築すればそこそこのシナリオが有ったが、こちらにはそれすらも無い。   まるでオカルト好きのメンヘラの妄想に飛び込んだかの様な本作の支離滅裂さは、ある種の恐怖感すら有る。   一周回って面白いと称されたクソゲーが有った様に、本作は一周回って怖いクソゲーと言えるだろう。  ・味付けがキツすぎるキャラクター   さて上述のカオスワールドを更に不快な物にさせているのが極めてエグい性質のキャラクター達である。   単刀直入に言うなれば全員がキチガイだ。   まず人間の方から説明すると、ヒロインには陳腐化したありきたりな属性が付与されている。   腹ペコ娘、無気力生徒会長、木刀武士娘等であるが、良くないのが彼女らの行動がこれら属性の一点押しだと言う事である。   何のシーンだろうと腹ペコ娘は腹減った腹減ったと何かを食べる事しかしないし、無気力生徒会長はダリィダリィの連呼しかしない。   木刀武士娘は校則校則とヒステリックに叫びながら木刀をチラ付けせるばかりである。   また思考回路が全員ぶっ飛んでおり、例えば主人公が透明人間化してセクハラをしていたと発覚すると、ヒロインが揃って   「罰としてお前も見せろ」と玉袋の裏まで観察しだしたりする。発情していなくてもこんな調子なので、正直発情前後で何が違うのか良く分からない。   主人公も主人公で重度の狂人であり、ラノベ作家になると言って憚らない時点でかなりの香ばしさであるが、脳みそが精巣で出来てるのかと思うくらいの性獣である。   ヒロインを見ればすぐさま脳内で服をひん剥き妄想を始め、ヒロインのパンツを見ることに全身全霊を捧げる。   更に人間サイドについての致命的な問題として、本作はヒロインを掘り下げるとか、愛着を湧かせる、恋愛するという要素が初めから考慮されていない。   掘り下げは上述の通り属性の一点押しで人物像を描写する事はまず無く、主人公と幾ら肉体関係を持とうが情を持ったり愛が芽生える事も一切無い。   最初から最後まで単に発情したらセックスする それだけの関係である。   シナリオや文章が稚拙でヒロインの魅力や恋愛を上手く描写出来無いタイプのクソゲーとは、この点が一線を画していると言えよう。   人外にスポットを当てると味方陣営にはエジプトの古代神メジェド様、自動コックリさん、アイヌの土着神、誰も疑問を挟まない校長の犬等 #region #image(005.jpg) #endregion   こちらも見ただけで吐き気を催すような電波出力を放っている。   またブラクラじみた狂気の沙汰としか言いようが無い演出を伴っている事が多い。例えば   ・主人公を見るなりじゃれつく風紀委員   ・他の絵と違い異常に力の入ったゾンビが突如登場 #region #image(015.jpg) #endregion   ・万引き犯ボイスの呪いの人形   とユーザーの精神力をゴリゴリ削っていく。クリアするのが先か発狂するのが先か見ものである。  ・抜きが考慮されていない抜きゲー   本作はCG78枚に対してエロシーン71回であり、スペックだけで見ればCGの殆どがエロに回されている抜きゲーである。   しかし本作は地のスペックは抜きゲーなのに、作品の方向性としては抜きゲーとは真逆の方向性となっている。   まずエロが絡まないエピソードが大多数である。ショートショートの抜きゲーならばそれぞれのエピソードでエロが有る位の勢いが欲しい。   そしてエロの配分が悪い。   エロシーンのペースは後半に偏っており、最初のエロシーンまでが非常に遠く、本番シーンを見ようと思うならば5時間はカオスワールドを体験しなければならない。   また、需要不明の誰得性癖が混入しているのも見逃せない。   ・透明人間とのエロシーン、しかもアニメーション付きという人類には早過ぎる性癖 #region #image(006.jpg) #endregion   ・突然の主人公女体化からのガン掘り #region #image(007.jpg) #endregion   この様に抜きゲーなのに抜きに向かないという何者にもなれていない謎仕様が本作のクソさを一層引き立たせている。  ・散見される手抜き   ここまででお分かりの通り(何をしたいのか全く不明だが)やりたい放題に作られている本作だが、妙な手抜きも散見される。   例えば先に上げた通りゾンビを始めとする化物のグラフィックはやたらと力が入っているのだが、一方でただの影絵でしか無い物もある。   ・学園を徘徊する女子生徒の亡霊   ゾンビは一生懸命に描くのにこちらは影絵とは一体どういう基準で決めているのだろうか。 #region #image(008.jpg) #endregion   また何故か立ち絵では無くデカデカと顔を表示する演出もよく見られる。 #region #image(009.jpg) #image(010.jpg) #endregion   立ち絵にも同じ表情や姿の差分が存在しているシーンでもこの方法を使用する為、こちらもどういう基準で使用を決めいてるのは全く不明である   エロでも手抜き体質は見受けられ、発情した女教師と魔女ヒロインの絡みでは何故か女教師がのっぺらぼうになる。 #region #image(011.jpg) #endregion   主人公がのっぺらぼうならまだしも、何故ヒロイン同士の絡みでのっぺらぼうにならなくてはならないのだろうか。   更に本作の売りの一つであるアニメーションも全てのエロシーンに有る訳でもない癖に大変質の悪い物である。   アニメーションと言ってもe-moteの様な物では無く、単純なmpgファイルの埋め込みである。現にインストールフォルダから直接再生も出来る。   再生すると分かるのが、まず画質が悪い事だろう。   1枚絵のCGからアニメーションに移行した瞬間、ひと目で分かる位映像がザラつく。   そして肝心なアニメーションの動きは壊滅的。   明らかに無理な動きが多く不気味な上に、とにかく楽しようとした痕跡も見受けられる。以下はその例である。   ・何故か扱いてるだけなのに乳まで揺れている    ↓   ・その後のピストンで使いまわせる様にです  ・全編スベリ芸   本作はオカルトにシュールギャグを混ぜた様なエピソードが多いのだが、これらが尽くスベっており不快感以外何も感じない。   例えば、封印されている古の魔女を解き放つエピソードのオチがこんな調子である #region #image(012.jpg) #endregion   基本的に本作のエピソードは「センスが無いギャグマンガ日和」と「四十八(仮)」を悪魔合体させた物と思って良い。  ・箇条書きテイストの文章   本作の文章は箇条書きを並べた様な文体の物が多い。   上の魔女のオチ等はその典型例である。ついでに言うならば公式サイトも箇条書きの羅列である。   何か拘りが有っての作風ならまだしも、本作でのそれは単に文章力が低いが故の結果なのでひたすらに読みにくい。  ・混ぜすぎ危険   ここまで散々オカルトオカルトと言って来ているが、本作のオカルトは非常に範囲が広くなんでも取り込んでいる。   定番である学校七不思議やトイレの花子さんの様な幽霊は勿論、魔法、異世界、古代神、土着神、都市伝説、SF、超能力、妖怪なんでもござれである。   幽霊一つとっても伝統的なスタイルの幽霊からインターネット回線に乗じてコンピューターに取り憑く霊等本当になんでも取り込んでいる。   それこそ地獄先生ぬ~べ~の様に上手く取り込んでいるならばそれも面白いのだが、言うまでも無く本作では無計画に取り込んでいるだけなので   パンクして扱いきれていない。   この方向性が分からないテーマも本作の意味不明さに貢献している。  ・充実のコンフィグ   本作のコンフィグは何故か3つしか選択項目がない充実のコンフィグとなっている。 #region #image(013.jpg) #endregion   一応一番上を選ぶと別ウィンドウが出てきていっぺん通りの設定はできるが、これも非常に古臭いシステムである。 #region #image(014.jpg) #endregion  ・ほぼ選択肢無し   よく8割共通ルート等と言われたりするが、本作は9割9分共通ルートと言って良い。   具体的には最後の15分位で2回選択肢が有り、3つのルートが有るのだがルートと言っても最後に誰とセックスするかの違いくらいである。   どのルートでもよく分からんがめでたしめでたしで終わりなので、いっその事選択肢無しの方が潔いのではないかと思われる。   勿論中出し/外出しみたいな選択肢も無い。   合計20時間位は有る無駄に長いボリュームの本作だが、この一本道仕様のせいで苦痛度は頂点に達する。   せめて四十八(仮)の様に選択肢次第で出るエピソードが多少変化する等の仕様が有ればまた違ったと思われる。 ○まとめ  一体何がしたくて作られたのか一切理解出来無い怪作である。  面白い面白くない、クソかクソで無いかという次元の外側に位置しているとすら思える始末である。  一周回って怖い本作だが、作中のどの怪奇現象よりも本作が生まれて発売された事がよっぽどホラーである。  この選評で良く分からない諸兄は後学の為に実際プレイしてみる事をオススメする。  りんかね+センスが無いギャグマンガ日和+四十八(仮)の素敵な世界を体験出来るはずだ。 }

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