2014年 総評案 > 総評案6 > 修正案1

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**2014年総評案6 修正案1 大賞:カスタムメイドオンライン #blockquote(){541 :総評案6 ◆d2IyO874yc:2015/02/28(土) 22:15:52 HOST:p8056-ipad407sapodori.hokkaido.ocn.ne.jp 修羅の国と揶揄された大陸がある。 そこは、国土の半分(推定)が地雷原で覆われた、過激(R-18)で野蛮な暗黒大陸である。 時としてバグに当てるパッチもなく、時としてインストーラーもない。そこで産まれる魔性の遊戯物を楽しむため、漢達は死肉を喰らい、血河を渡る。 KOTYe(クソゲー・オブ・ザ・イヤーinエロゲ)というスレッドがある。 それは、18禁でありながら赤子すら騙せないゲームに群がる猛者達の狂宴である。 振り返ること2013年…、2連覇を狙うsealを破ったスワンアイ自らが2連覇を達成すべく輩出した門番『リア充爆発しろ!(通称:ずっぷ)』が群がる猛者たちを跳ね返す中、 あと一歩で頂に手が届くという所に現れたのが、年明けの大攻勢に紛れ込んでいた無名の最終生物兵器『明日もこの部室で会いましょう』。 彼が展開したクソゲーの大パノラマに包まれた時、『ずっぷ』は脆くも崩れ去った。新たな王者の誕生である。 ヒーローは世紀末にやってくる…。そんな予言通りの大逆転劇を見せてくれたのだった。 年間を通して波乱に満ちた戦いを目の当たりにする一方で、住民はやがて1つの極地へと辿り着いていた。 我々は正と負の両面を混濁併せ持つクソゲーを、一方的に糾弾し晒し者にするのではなく、笑いとネタに満ちた作品として品評しなければならないのだと。 そして今年も、修羅の者が歩みを始める。地雷を踏もうと足を止めず、新たなクソゲーを求める漢達の進軍が…。 14年の1番槍を務めたのは、piriri!の『きみと僕との騎士の日々 -楽園のシュバリエ-』(通称:きみ騎士)。 行方不明になっている女性と各ヒロインが抱える問題を解決すべく、主人公達が騎士となり決闘へ挑む…という王道的ストーリーなのだが、 爪が甘いというか案の定というか、穴が開いた大風呂敷に設定を詰め込みすぎた感が拭えない仕上がりになってしまった。 そもそも、幼馴染は幼馴染ではなく、母の病を治すために戦う女子に母など最初からおらず、行方不明の女性など最初から存在しない。 これらの真相をトゥルールートの最終局面にねじ混み、一方で個別ルートは基本「俺達の闘いはこれからだ!」で幕を閉じる。 書こうとしているものは分かるがそれを伝える力が絶対的に足りない、何とももどかしい作品であった。 とはいえ、12年の『苦の一』、13年の『ずっぷ』に比べれば、本年は比較的静かな立ち上がりを見せたと言えよう。 その後は、コンプするだけなら僅か5分で済むZIONの『巨乳JK生主生ハメ生中出し』はこれ!といった強めのネタに乏しく、 熟女時代の『艶乳 ~ツリ目で淫らでヤバい秘書~』は「全自動腰振りマシーン」を自称する男が「バッチン、バッチン、ヌチャプチョッ」 「グッチョ、プニュッポ」、「ウドゥピュッ~」という奇怪な日本語を駆使して責める点だけが印象に残る一発屋感は拭えず、 昨年度「劣化品どころか別モノ」「分割しないといいながら分割商法を展開」といった所業でファンの不興を買った前作の続編『バルドスカイゼロ2』も 及第点の出来になっていたため、選評が届くまでには至らなかった。 しかし幸か不幸か、新陳代謝激しい暗黒大陸において、平穏は混乱の下準備に過ぎない…。 古くから「決算期の3月はクソゲーの月」という格言通り、その3月末に現れた異形の数々は、住民を大きな混乱に陥れたのである。 その1つがエフォルダムソフトの『銃騎士 Cutie☆Bullet』(通称:銃騎士)。 体験版の時点で大器の片鱗を見せていたが美麗なCGから「最悪、画集と思って買おう」と後ろ向きの期待を寄せられていた本作だが、 いざ発売されるや否や、その斜め下への突き抜けっぷりは想像の範疇を遥かに超えた酷い有様だった。 まず一番の売りである『絵』だが、CG枚数はフルプライスにも関わらずたった35枚(後に追加で+2枚)しかない。 解析の結果画像データ番号が飛び飛びになっており、明確な強硬販売であることが露呈してしまう。 スタッフロールでは途中で一枚絵が種切れし、白ベタの背景に戦犯リストが流れていく様が哀愁を誘う。 その惨状から、『絵フォルダ無』と蔑称されるのも当然と言えよう。 次に『シナリオ』についてだが、これもまた絶望的である。 そもそも黒幕が主人公を狙う動機からして「仕事を抜けてジムの利用料が半額の日に行こうとしたら主人公の父親に咎められたから」という 小学生並の逆恨みであり、そのせいか全編を通して茶番じみたお寒い展開が延々と続く。 他にも、病で死んだと思われていた主人公の父親は、実はピーナッツクリームサンドイッチを食べてアナフィラキシーショックで死んでいた。 扉が開かない理由が、アロンアルファで接着されていたから。国王の声が涸れて咳が止まらないのは、朝までカラオケしていただけ。…等々、 凍えそうなほど寒いギャグがシリアスなシーンでもガン無視で挿入され続ける。 個別ルートでも、乳首を黒く染め上げようとする残虐王を追う。同性愛者になる薬を混入させたハンバーガーを配り歩くテロを解明するといった 酷いドタバタ劇だが、ヒロインの1人・サラルートは別の意味で酷い。彼女は日常においてキサルピナ語なる言語で会話するのだが、 これが某ウポポ族の言語のような奇怪なものであり、例を挙げると「はなげかーにばる(訳:こんばんわ)」「はらませてあげる(訳:あなたを愛しています)」という具合だ。 このような阿呆らしい内容で盛り上がれるはずも無く、プレイヤーは死んだ目をしながら「もう許してくれ…」と思いながら左クリックを続けることになる。 ただ、これだけならKotyeの歴史を遡れば該当するクソゲーはあっただろう。 だが本作の酷評にトドメを刺したのは、メーカー側の事後対応にあった。 発売後、数々のすったもんだの果てに、エフォルダムソフトは解散を宣言。一抹の望みをかけていた完成品の夢が泡と消えた瞬間である…。 こうしてHP1で踏み止まっていた人々は、哀れ最後の一振りによって容赦なく叩きのめされたのだった。 もう1つの異形はKissの『カスタムメイドオンライン』(通称:カスオ)。Kotyeでは初となるオンラインエロゲーである。 一部ではユーザーデバッグとアペンドディスク購入が前提ながらも熱狂的なファン層を抱えるカスタムシリーズの最新作であったが、 その内容は旧作ファン全てを飲み込む底なしのユーザートラップだった。 まず、本作は昨年延期を経てクローズドβテストを行っているが、開始して即アクセス過多によるサーバーダウンで瞬殺。 迎えた発売日当日のオープンβも、一瞬にしてログインすら出来ない状況に陥り、 開発側が「ログインできた人はどうやってやったかサポートに連絡を」と泣きつくという前代未聞の珍事を引き起こした。 ただ本作はオンラインゲームであるがゆえ、アップデート次第で最終的にどのような評価に落ち着くか未知数であり、 その評価は年末まで持ち越しになったのは不幸中の幸いといえよう。 そんな2作を尻目に、同日ひっそりと舞い降りる闇夜の鴉を住民は見逃さなかった。 その正体は、スワン系列の黒鳥から発売された『心壊少女 ~僕は彼女が ××× されるのを目撃した~』(通称:心壊)である。 スワン作品と言えば、昨今の水増しシナリオに警鐘を鳴らすかの如く、全編をダイジェスト構成にする事でプレイ時間の削減を図っているが あくなき試行錯誤とコストカットの成果が実ったのか、本作は遂に1Gの大台を切ることに成功している。 CGは相変わらず画力不足としょっぱい塗りが浮き出たチープなもので、見た筈なのに見れないシーン回想バグ等がプレイヤーの心を壊そうと迫ってくる。 シナリオは前作雨音より更に病みと狂気を前面に押し出した鬱展開になっているが、そもそも話が飛び飛びなのでまったく付いていけない。 要点不足と超展開はスワン系ではお約束だが、本作はそれ以上に話の前後が全く繋がっておらず、しかも伏線と思われる描写すらなく、 シナリオというより、シチュエーションのツギハギ状態になっている。 具体的に言うと「主人公に襲い掛かってきたヒロインが数クリック後「あっ……」と窓から落ちてあっさり死ぬ」 「ヒロインが主人公を刺した後、即どこから出てきたか分からない妹に刺される」 「ヒロインを守ると誓った主人公がいきなり父親に強姦される(同じシーンで助けるを選ぶと彼女の妹をレイプして孕ませる)」」 「挿入してから6クリックで射精」といった迷場面が目白押し。 相変わらずオンリーワンの個性を持ちながらその作風をまるで使いこなせてない様は、まさに羽を毟られた鳥の如しであった。 同日には本家スワンアイから『私たち・花のオシオキ部! ~やられたらヤり返す…エロ返しだ!~』(通称:オシオキ部)も発売される。 今更わざわざ説明する必要がないほど清清しいエロ馬鹿なノリを踏襲しつつ、安定の底辺クオリティですっかり貫禄がついたスワンアイだが、 本作でもその実力を遺憾なく発揮している。設立されたオシオキ部VS学生会という分かりやすい対立構造を最初に持ってきて、即息切れ。 学園内に下着泥棒が現れるエピソードは、難なく捕まえて即終了。廃部を目論む教頭のエピソードは、浮気相手を利用して即終了。等など、 オシオキ部の活動描写はやっつけ仕事の一言につきる。そしてHシーンだが、流石に前作『ずっぷ』のコピペ連打はなくなったが、 海外製媚薬を使うレイプ犯を捕まえたら媚薬入り瓶が割れて女教師と委員長に逆レイプされたり、ハーレムルートをわずか35クリックで終わらせたりと 馬鹿なだけで薄い芸風は相変わらずである。とはいえ、スワンアイにとってこれらは笑いを取るための「いつもの」規定路線であり、 低いクオリティを芸風へ昇華し選評者曰く「一周回って面白くなる」と錯覚させたのは流石と言う他ない。 牛乳戦車の『くのいちが如く -脱がせ!爆乳ニンジャーズ!-』(通称:乳ニン)も見逃せない。 「くのいち」「3D」「アクション」とKOTYeにおいて「混ぜるな危険」を全て混ぜてしまっただけあってそのお粗末さは中々ハイレベル。 マインクラフトで造った様とまで評された背景と、切り取った絵がが浮いているみたいと評された敵の中を、 ヒロインは「ノットレジャーハンター」や「大奥記」をリスペクトしたような珍妙なモーションで駆け回るのである。 操作性も劣悪で、切り替え対象を嫌がるロックオンや無駄に動き回るカメラアングルを完備しており、 道中も下手するとボスまで1時間弱という長さがプレイヤーの体力をじわじわ削り続ける。 また本作には「金」の概念があり、新アクションの習得からHシーンの回収までに関わる為、ゲームは金稼ぎという別の苦行を強いられる。 このようにプレイステーション黎明期のチープさだが、エロの数はそこそこ多い点だけは評価できるだろう。 これに前作の後日談的な薄っぺらい内容をフルプライスで販売したRosebleuの『Endless Dungeon』(通称:Endless)も加わり、 3月28日は2011年の「五惨家」を上回る6作品がエントリーするという異常事態となった。 3月の珍事がようやく一段楽した5月、一風変わったゲームが登場した。縁 -yukari-の『Knight&Princess』(通称:ナイプリ)である。 ゲームブックテイストノベルと題された本作は、確かに昔良くあったゲームブックの流れに酷似している。 まず話の冒頭…の前に環境依存の起動不可バグが立ちはだかる。場合によってはPC再起動や再インストールしても問題は解決しない。 それを乗り越えた先には、女騎士と姫のダブル主人公視点を切り替えながら進む…と思いきや、姫ルートはオートモードで僅か2分程度で終わる。 かくして宿屋で一服盛られて連れ去られた姫セロットを救うべく女騎士リンクスが奮闘する事になるのだが、 プレイヤーを待ち受けているのはロシアンルーレットの如く一寸先は闇な数々のゲームオーバーだ。 左右の道のうち、片方は即死亡。アイテムを手に入れるため交渉しようとしたらテントに連れ込まれ四股を切断され死亡。 街に侵入するため下水道を通ったらその後どうあがいても死亡。戦闘に勝ったのに負け扱いにされて死亡。果てには用済みと判断され仲間に裏切られ死亡。 このように、シャドウゲイトのしんのゆうしゃの思い出が回想されるかのような「殺られドラ」が待ち受けている。 かと思いきや持っていない手形を門番に見せて楽々通過したり、敵方に捕まり陵辱の限りを尽くされたのに「どうにか脅威を退ける事ができた」 の一言で生き延びたりとフラグ管理の杜撰さも目立つ。 本作は欠点は多々あるが「死に様に 華を咲かせる 騎士の道」が笑いを呼び、住民の癒しとなって心に残るゲームとなった。 同月には「いつもの」softhouse-sealから『繁殖きょうしつ~女子校ハーレムなら何をヤっても許される!?~』(通称:繁殖)も登場。 公式HPからして、何を元ネタにしたか丸分かりであるが、話そのものはヤラせんせーによる触手和姦モノなので決して悪くはない。 Hシーンも20程度あり、キャラも名無しが混じっているが特別少なくはない。問題なのは…、 「なんでもしますから!」→「今、なんでもするって言ったよね?」 、「にゃんぱすー」、「このあと滅茶苦茶セックスした」、「左手は添えるだけ」 …といったどこかで聞いたようなネットスラングをあらゆるシチュエーションに入れて雰囲気を台無しにしているのである。 先に挙げておくが、本年度のsealのコンセプトは『パロネタ』であるが、この時まだ住民は知る由もなかった。 同月には「いつもの」softhouse-sealから『繁殖きょうしつ~女子校ハーレムなら何をヤっても許される!?~』(通称:繁殖)も登場。 公式HPからして、何を元ネタにしたか丸分かりであるが、話そのものはヤラせんせーによる触手和姦モノなので決して悪くはない。 Hシーンも20程度あり、キャラも名無しが混じっているが特別少なくはない。問題なのは…、 「なんでもしますから!」→「今、なんでもするって言ったよね?」 、「にゃんぱすー」、「このあと滅茶苦茶セックスした」、「左手は添えるだけ」 …といったどこかで聞いたようなネットスラングをあらゆるシチュエーションに入れて雰囲気を台無しにしているのである。 先に挙げておくが、本年度のsealのコンセプトは『パロネタ』であるが、この時まだ住民は知る由もなかった。 SORAHANEの『はるかかなた』(通称:はるかな)は、誰が言ったか、本作を「雛遺書とカルマルカの悪いとこ取り」と評した困りモノである。 外注先で拵えたシステム面はガタガタの欠陥住宅で、楽しむ以前にバグでまともに遊ぶ事すら許さない。 ゲームは唐突に落ちたり止まったり、こまめなセーブで凌ごうとしても特定環境下でのセーブ不可バグの2段構えでこちらの手を塞いでくる。 そして音ズレや音楽の未再生といった絨毯爆撃を仕掛けてくるのである。 発売2ヵ月後に出た2.00パッチを当てても強制落ちは多少まともになった程度。そしてパッチを当てる度セーブデータの互換性は失われる有様だ。 シナリオは「カルマルカ・サークル」のライターが混じっているだけに個別ルートの出来の落差が凄まじく、かつ総じて低レベル。 母が急死したり飼い猫が轢かれるもあっさり立ち直る雫、腹違いの実妹と思いきや義妹なのは置いといて終盤電車に轢かれてもピンピンしている結衣、 過去の記憶を思い出す→鬱になる→主人公が口八丁で励ますのわんこそばが続く心音、そして一番問題なのがメイン格のはるかルートだ。 主人公の双子の妹にあたるはるかと結ばれる主人公、それをあっけなく受け入れる周囲、ここまではいい。しかし物語はここから急転直下する。 はるかは主人公にいきなり「駆け落ちしよう」と持ちかける。そして当たり前のように支度を始める主人公。だが道中にはるかが倒れてしまう。 そして何の伏線もなく、「はるかの余命は一ヶ月」である事を宣告されるのである。ポルナレフさんも大慌てだ。 なお、2週目は分岐が発生し、近親婚で子供も産まれ病気も治ってハッピーエンドになるが、もはや蛇足と評する他ないだろう。 本作のテーマは「私のために泣いてくれて有難う」らしいが、成る程、こんなゲームを掴まされたプレイヤーはあまりの酷さに涙を抑えられない筈だ。 そういう意味では提示したテーマは正しかったのだろう。我々は掴んだプレイヤーに涙を捧げることで溜飲を下げるほかない…。 そんな中、一際住民の笑いを独占したのが、ルネの『恥辱の女騎士「オークの出来そこないである貴様なんかに、この私が……!!」』(通称:恥辱騎士)であった。 陵辱・調教モノに定評のあるルネと、オーク×女騎士の異種姦モノという、本来ならこける方がおかしい鉄板の組み合わせだった筈だが、 発売後は色取り取りのバグで大いに注目された。そのバグの大半は誤字脱字やタイプミスなのだが、とにかく数が多く 金髪の陰毛が別シーンで黒髪になるのはほんの始まり。公式HPでベルドナ=モーデルハイドと表記されているキャラが作中ではモルドレッドと表記されたり、 回想シーンに立ち絵が現れたり、テキストに『C04a0545001』とスクリプトと思われるものが混じっていたり、 「ヒヤヒウアした」「フォロモンでヘロヘロ」「メテォオ~!(呪文)」など、オークが訳したような奇怪な日本語が目白押しである。 幸いにもこれらの問題点はパッチで完全に治ったものの、女騎士さながら体を張ってユーザーからの恥辱に耐える様に住民は拍手を惜しまなかった。 SEVEN WONDERの『ひめごとユニオン もーっとH!』(通称:ひめご四)は、発表時点で「巻ノ一」~「巻ノ四」の分割が決まった異色の分割販売で話題になった。 だが分割である事を引いても、内容は30分程度、4部作合わせると税別で11,000円ではユーザーを満足させるには到底至らないだろう。 キャラの掘り下げも甘く、巻次第では登場しないヒロインも多い。主人公達はないしょ同盟なる部活動のようなものに属しているのだが、 この設定も全く生かされておらず、基本適当にいちゃラブして終わり。気に入ったキャラの巻だけ買おうとすると冒頭で全巻のネタバレを受ける仕様だ。 なお、巻ノ四ラストはスタッフロールすらない打ち切りエンドであり、リアル後日談ではメーカーも解散した模様。 月日流れて7月になると、「毎度おなじみ」softhouse-sealから『ビッチ生徒会長のいけないお仕事』(通称:ビッチ会長)が登場した。 本作にはドライブ依存のバグがあり、選評者が「仕方なく本作をISO形式で吸出し仮想ドライブからインストールする必要があった」という 商品未満の欠陥で出始めから住民の心を鷲掴みにしていたが、内容はそれこそ心臓を握り潰すような超展開だった。 ビッチ姫のイザベラが日本の学校に留学し乱交しまくる、というのが大本のストーリーなのだが、4つめの使用人サリナのHシーンからおかしくなり始める。 この直前にイザベラは保健室で男子生徒を襲っているのだが、サリナの回想では自分が男子生徒を襲っているときに気絶していたイザベラが目を覚まし驚いた、 となっている。つまり地の文とHシーンに矛盾が生じているのだ。 その後も、唐突にイザベラが「今までは未来を救うために頑張らなきゃって思っていたエッチだけれども」と語りだしたり、 体育館で乱交した後、「人のいなさそうな体育館で着替えよう」と言ったりする。 そして終盤は、2人の正体が「少子化を食い止めるために未来からやって来たアンドロイド」である事が発覚するが、これも冒頭の留学理由と矛盾する。 挙句ラストはエンドロールすら流れず、タイトル画面に戻されるだけ。しかも回想シーンはどうあがいても全て埋まらないのだ。 一体どういう事なのか? その後解析と情報収集の結果、驚くべき事実が発覚した。前述の問題点はパッケージ版のみの仕様であり、ダウンロード版は シナリオの不整合さもなく回想でCGは全て見れる。そしてパッケージ版は同社の旧作『大乱交ザーメンシスターズ』の設定とテキストをツギハギして 強引に体裁を取り繕い納期に間に合わせたのだ。つまりパッケージ版の問題点は未完成の産物だったのである。 この厚顔無恥な力技には流石の住民も呆れ果てたが、「sealじゃあ仕方ないな…」と劇場版デビルマンを視聴したときに似た諦めの面持ちで受け止める他なかった…。 しかし7月の主役はsealではなかった。KOTYeの歴史を紐解いてもその名は何処にもない。だがその『邪神』が裁きのトールハンマーを振りかざした時、 天は割れ地は裂け、まさに『終末』というべきラグナロクが暗黒大陸に勃発したのだ。 そのゲームの名は、ザウス【本醸造】の『新世黙示録 ―Death March―』(通称:デスマ、チーズ)。 シナリオに『メガテン』シリーズの鈴木一也氏を招き、鳴り物入りで登場した本作。しかしその実態はどうしようもなく駄目なシステム面と、 まるで駄目なキャラクター達と、超展開すぎてわけがわからないシナリオが織り成すカタストロフィRPGであった。 まずRPG部分から解説する。本作は基本3Dダンジョンを探索していくものなのだが、移動とカメラワークが一体化しているせいか操作性が極悪で、 ダンジョンというより、ムーンサイドの街を彷徨っているような気分になってくる。多層の場合は全フロアを同一構造で使い回しているというから驚きだ。 エンカウント率は約5秒に1回という某じゅうべえ並みの高頻度であり、前述の移動の不便さも合わさってテンポの悪さに拍手を掛けている。 またクソRPGにお約束の、色違いと名前を少し変えただけで水増しされた敵キャラも当然のように完備されている。 売りである「ソードシステム」はその名の通り剣を強化・合成していくシンプルなものだが、ちょっと先に行けば容易に強力な武器が手に入るため わざわざ強化に時間を費やすだけ無駄という破綻振り。属性の3すくみも素の攻撃力でどうにでもなってしまうため気にするだけ無駄である。 そのため武器は基本現地調達して拾っては捨て(たまに食わせ)、拾っては捨ての繰り返しになる。無論心あるプレイヤーの中には弱い武器に時間と手間を費やし、 誰にも出来ない業物を手にしたいという願望はあるだろう。だがどれだけ強化し愛着が沸いた武器を所持したとしても、 ラスボス戦は直前で手に入るイベント武器でないとダメージを与えられないためただの無用のナマクラと化すという無情仕様だ。 だがこれほど酷い有様を容易に凌駕するのがADVパートのシナリオとキャラクターだ。 冒頭から「ゾンビがたむろするバイオハザードと化した夜の街にチーズを買いに出かける」という頭痛がしそうな流れで始まるが、ストーリーに関わる 登場キャラの大半が「修羅の国生まれのミ○トさん」と評されるほどの欠落人格者ばかり。特に主人公・鳥海知空に至っては 人格攻撃、居直り、俺様病、トリ頭、自己卑下した後に自己弁護、後先考えずに行動を得意とする完璧(パーフェクト)駄目主人公であり、 行く先々で空気や流れを完全無視した言動や行動を繰り返す。初回はその結果因果応報で強制BADENDを迎えるが、主人公は能力によってタイムリープして 仲間と共に問題解決に尽力しようとする。といっても、当然主人公は前の記憶や事件から何も学習しないし、何も成長しない。 プレイヤー視点から見れば「上手くいかんかったらリセットしてやり直せばええねん」という羨ましくも恨めしい能力による作中劇をただただ視聴するだけであり、 回収されない伏線も、矛盾も、何もかもが「なかったことにする」で解決する様を黙って見届ける他ない…。 ここで総論に入ろう。本作は神と悪魔の代理戦争の如く膨大なスケールの中に等身大の欠点・問題点を内包しており、それを検証・解明する時間も 膨大になる事から「ゲー務」と称され、多くの者がそこに至る前に脱落していった。 『チーズ』はまさに長い歴史の中で様々な議論と解釈が繰り広げられた『黙示録』の名を借りるに相応しい代物だったのである。 9月には「またしても」softhouse-sealから『セックス あ~ん♪ パンツァー』(通称:セクパン)が登場。 sealお得意(?)の単調な横スクロールアクションであり、道中は雑魚の攻撃頻度も低く弾も破壊可能なので歯ごたえは微塵もない。 ボスもほぼノーダメ攻略が可能だが、何故かラスボスはやたらに強い。しかしこれにも攻略手段がある。オナニーすればいいのだ。 もう一度言う。オナニーすればいいのだ。というのも本作は敵に犯されるまたは自慰をする事でゲージが溜まり自機を大幅に強化できるのである。 これまでKOTYの歴史において、「物理」「魔法」「お金」など様々なゴリ押し攻略法が推奨されてきたが、 その項目に「オナニー」が新たに刻まれた事は特筆に値する点であろう。 なおミニアニメは13種×自機2キャラの計26種類と数だけ見れば豊富だが、基本3パターンを手足の位置を変えたり逆さにする事でごまかしているに過ぎない。 例えどれほど世の情勢が変わろうと、ガソリンタンクの如く連投を続けるsealの心意気だけは伝わる一品だった。 9月にはもう1つ、戯画と検索すれば戯画マインと出てくることで有名な戯画から『パサージュ! ~passage of life~』(通称:パサージュ)が発売される。 本作を簡単に説明すると、大爆発を起こす地雷…には到底及ばない湿気った花火といったところか。 ヒロイン達は皆商店街に住んでいるが、別に商店街は寂れておらず、シナリオに殆どからまない。 ヒロイン達は2年学生ということで、卒業アルバムを製作する委員会に全員立候補するのだが、これまたシナリオに殆どからまない。 そう、本作のストーリーは落ちも見せ場もなくただひたすらに虚無的で淡々と流れ、正気に戻ったときにはもう終わっている代物なのだ。 本作に関しては選評謝曰く「どうせ駄目なゲームを作るならマインにして欲しかった」と後ろ向きに嘆かれた事が全てを物語っている。 秋風が身に染みる10月31日、何気なく散歩に出かけていた住民からある報告があった。墓の中から瘴気が溢れ出ている、と。 既に活動を停止している筈のオーバーフローから『ストリップバトルデイズ』(通称:バトデイ)が現れたのだ。 2012年に発売された「SHINY DAYS」のおまけディスクの野球拳を追加要素付きの2,700円の低価格で発売したのである。 とはいえ、かつての凄惨極まるゲームに比べれば、何とも小粒な感は否めない。 追加キャラがあるとはいえ、売りだったアニメーションはなく、事前告知通りボイスがないキャラも存在する。 野球拳は適当にグーを出し続けても勝てるため脱がせ甲斐もなく、回想モードも存在しない。 しかし「なんだ、ただの駄ゲーか…」そう思って後ろを振り返った瞬間、住民は瞬時に首を撥ねられた。メーカーは死んでも、その牙は死んでいなかったのだ。 本作にはアンインストール時に1つ上のフォルダを全削除する伝説のバグが内包されていたのである。 死してなお人々を苦しめる…。改めてオーバーフローの「ゲー謀」の数々を回想し、戦慄する住民であった。 その後は特にこれといったクソゲーは現れず、SkyFish pocoの『Bunny Paradise ばにぱら ~恋人全員バニー化計画~』(通称:ばにぱら)も 兎の糞のように小粒な駄ゲーの域を出ず、注目を集めるには至らなかった。 こうして役者がほぼ揃った感ある本年度のKOTYeだが、ある異常事態に陥っていた。右を向いても左を見ても、年末の魔物の姿がないのである。 しかし昨年度の年明けの大攻勢を肌で体験した住民は、まだ野に埋もれた逸材が息を潜めているのではないかと厳戒態勢を続けていた。 と同時に、2014年度に発売されたゲームの解析作業を同時進行していた。そんな中、1つのゲームに目が留まる。 それが、6月27日にソフトハウスSORAから発売された『俺がヤマタノオロチなら』(通称:オロチ)だ。 某批評サイトの圧倒的な低得点や他所の溢れるほどの酷評もあって、内外から期待されていた逸材にようやくメスが入ったのである。 本作は公式で『俺がヤマタノオロチになっちゃったら困っちゃうラブラブADV』を謳っているが、まずここが大きなクソ要素になっている。 何故なら実際の個別ルートはラブコメとはかけ離れた、圧倒的な描写不足と思わせぶりな発言で何一つ感情移入できない、 神話の時代から続く因縁に終止符を打つサスペンス伝記モノになっているからだ。しかしタイトルで盛大にネタバレを行っているため、読む側は何とも肩透かしである。 例えば「犯人はヤス」というタイトル名のミステリー小説があったとして、誰が読む気になるだろうか?本作はそれと同じミスを犯しているのだ。 倒叙タイプだとしても、書くべき部分を端折り過ぎて要点が絶対的に足りず、超展開に拍手を掛けているのでは本末転倒だろう。 絵に関しても非常にお粗末で、質は低レベルで安定どころか話が進むにつれ更に劣化。これは製作側がこの程度の絵のクオリティすら保てない 事を如実に表している。背景も同様、鎌倉駅そのままの駅に、写真加工を施したのが丸分かりな坂や公園、文化祭中なのに人っ子一人いない体育館、 立ち絵を強引に一枚絵にぶち混むなど無理があるものばかり。当然このような劣悪な絵が各場面に悪影響を及ぼしている。 場を盛り上げようという意識はあるが、逆に盛り下げるのに一役買ってしまっている有様だ。 システム面に関しても触れよう。本作には進行不能になる致命的なバグこそないが、至る所に欠陥が累積している。 マウスホイールはバックログは見れるのに読み勧める事は出来ない。各種メニューから右クリックで戻れない。 コンフィグ画面からから戻ろうとするとフリーズする。セーブデータの2ページ目を開いてもサムネイルに変化がない。 文章が繋がって表示されその際は名前表示欄に文字が被る。等など、昨年の『部室』を髣髴とさせる価値なき骨董UIがプレイヤーを嬲るように苦しめる。 それに輪をかけて不快感を演出するのが、何故か人の声による「ピッ」「ぴこっ」「しゃらら~ん」という効果音だ。 このように本作は、あらゆる面が旧世代的でかつ低水準であり、絵・シナリオ・BGM・システムどれを取っても現代作品群には到底及ばない。 しかしそういった負の要素にノスタルジックを感じてしまうのも事実であり、選評者が「20年前『痕』をプレイした時のような既視感」と評したのも納得である。 押入れの奥に入れたまま時が経ち、掃除をしたときにポンッと出てきたような少年時代の思い出…『オロチ』はそういったゲームだったのである。 そしてここにきて、3月の異形『カスタムメイドオンライン』の最終審判の日がやってきた。 発売から半年以上経過した『カスオ』は月日を経て大きく変わっていた。…いや、変わり果てていたというほうが適切だろうか。 まず前提として、本作はオンラインゲームであるが、オンラインである必要性はどこにもない。 調教したメイドをご披露する場も、プレイヤー同士が交流する場も、メイドの調教度・愛情度といったパラメータや育成モードも、何もかも存在しないのだ。 年末時点で、計9Gに渡るアップデートを重ねたにも関わらず、最低限の要素すら未実装とはもはや怒りを通り越して頭が下がるばかりである。 では、オフラインとして本作を見た場合はどうか? これもゲー無未満の出来でしかない。 メイドに着せる衣装は基本「仕事」コマンドでゲーム内通貨を稼いで購入するのだが、何故か同じ服を着せ続けていると成功率が激減してしまう。 そのためプレイヤーの好みに合わない衣装を着せる事を強いられるという不便さが、メイドをカスタムするというコンセプトを完全否定してしまっている。 それに輪をかけてきついのが「疲労度」という糞リアリズムだ。確かに仕事を行えば疲労が溜まるのも無理はないが、仕事をすると疲労度が溜まる→ 疲労度を減らすためにはゲーム内通貨で購入できるアイテムを使う→仕事をさせる→アイテム使用…という泥沼ループにより、衣装代すらままならない状況がままある。 幸いメイドが倒れて愛情値が下がっても、愛情値自体仮実装なため下がっても特に困る事がないのが救いといえば救いだろうか。 「夜伽」というHコマンドも凡百のエロゲーとは一線を画している。常時フル勃起状態のマネキンご主人様(プレイヤー)は置いておくとして、 「興奮度」「精神度」という糞リアリズムがプレイヤーの行為を幾度となく阻む。愛撫等を行うたびに興奮度は上がるが、同時に精神度も減少していき、 オーバーフローさせるとメイドが気絶して即終了。無論オンラインなのでロードでやり直す事も出来ない。プレイを完遂させるには 電卓を叩きながら「いかに興奮度を上げつつ精神度の減少を抑えるか」を考慮しながら計画的なルーチンワークを構築しなければならない。 勿論新しいプレイを取得するたびにまた計算し直す必要がある上に、ここにも「疲労度」が絡み1日精々5回程度しかHが出来ないのでプレイヤーの疲労度は常にMAX状態である…。 問題点はまだある。それはHコマンドの取得手段にある。というのも、本作の「夜伽」は最初正常位しかなく、 他のプレイを解放する為には「夜伽」で溜まったptを消費するしかない。だがそのptの壁があまりに大きすぎるのだ。例として学生プレイセックスを 解放するために必要な紳士ptは1900pt。一回の夜伽で得られるptは大体15pt程度。これが5回行われたとしても単純計算で20日以上掛かってしまう。 その間プレイヤーは延々同じ手作業という名の愛撫を続けていかなくてはならない。一応課金によって即時解放という手段が残されているが、 ptを何故か税別価格でチャージさせるという一味違ったサービス精神が光る。サポート体制もメンテ後に修正した箇所をまったく告知しないため どこがどう変わったかすら分からない。2014年内最後のメンテ後には、重すぎてまともなプレイすら出来なくなるという徹底振りだ。 最後に総論に移ろう。本作は長所足りえる部分全てが崩壊しており逆に短所となる問題点は完全放置。 メイドを愛でるパートは作業と苦痛にすり代わり、課金しても不便さは変わらず、エロゲなのにHシーンすら楽しめない。 本作を一言で評するとするならば、プレイヤーが冥府魔道に堕ち、精神をカスタム(魔改良)される「冥奴」ゲーといったところか。 以上、主要たるエントリー作品を語り終えたところで、本年度の結果発表に移ろう。 次点は、 『銃騎士 Cutie☆Bullet』、『はるかかなた』、『俺がヤマタノオロチなら』、 『新世黙示録 ―Death March―』 、 そして大賞は、 『カスタムメイドオンライン』 とする。 今年のKOTYeは、苦難の旅路であった。 クソゲーを肴に、笑いのネタとして楽しみたい…。クソゲー談議に花を咲かせたい…。 そんなKOTYの理念に叛逆するかのごとく不愉快で面白みのないゲームが多々生まれた。 遊ぶ事すらままならぬクソゲーの数々の前に、選評執筆を断念する者が続出する事態にまで発展したことが全てを物語っている。 外様から修羅といわれる程の猛者達が次々に正気を失い暗黒面に堕ちていく中、検証と解析が進められた。 中でも次点に名を連ねた作品はその上位に存在するのは間違いないだろう。 『銃騎士』は美麗なCGという分かりやすい釣り針に糞シナリオという毒を塗り、寄ってきた者達を絶望の海へ叩き落した一般例として、 『はるかな』は最後までバグを残してユーザーを翻弄した挙句、ご都合主義という超展開で終わりよければ全て良しの真逆をいった駄目の模範として、 『オロチ』は古きを知り新しきを知るというとってつけたような言葉では許容できない古典ならぬ古ぼけた形骸の贋作として、 それぞれ高い実力と個性、ネタ性、ゲームの「負」を体現した精鋭達だった。 そして最後まで大賞を争った『チーズ』はクソRPG、クソADV、クソシナリオ&キャラクターの3種の神器を自ら所持しており、 バグと大差ない欠陥だらけのシステム面でプレイヤーを大いに苦しませた。 例年であれば人と神と悪魔が織り成す「大聖戦」を勝ち抜き、容易に天の座に付いていたであろう。 そんな『チーズ』を破った『カスオ』には他の作品には見られない唯一無二の特色を持っていた。 それは「面白くなる可能性を塵一つ残さず全て捨て去る潔さ」と「人と人が繋がり触れ合う空間を切断する非情さ」である。 遡る事1999年、本作の始祖ともいえる『カスタム隷奴』と題されたエロゲーが産声をあげた時、業界に大きな衝撃が走った。 髪形や体型、性格と言ったパーツを組み合わせて調教するキャラクターを作成するエディットシステム、さらにそのデータをネットワークを通じて 有志とポケモンのように交換できる仕様は、既存の調教モノとは一線を画すエポックメイキングとして高く評価された。 その後も続編やアペンドディスクが次々に発売されるが、仕様が複雑になるにつれユーザーデバッグが日常化していった。 それでも彼らは楽しんでいた。いや、それすら楽しんでいた。カスタムシリーズは有志が互いに協力し合うことでゲームたりえていたのだから。 そして、海を越えたアメリカにも、ネットワークに人々が共有できる空間を創造しようとした男がいた。 MMORPGの祖「ウルティマ・オンライン」を製作したリチャード・ギャリオットその人である。 ネットワーク上に再現された世界で複数のプレイヤーが同時に動き回り、お互いに影響を与える。親しき知人と触れ合ったり、新たな知人と出会う。 共に自由な活動を行う。1つの幻想世界を皆で共有する。そんな世界が作れるのではないか? そしてその夢は幾多の試行錯誤を経て、遂に形となり、社会現象を巻き起こすまでに発展した。 ジャンルも内容も全く違えど、KISSもまた、オンラインと銘打つ以上同じ構想を夢見ていたのではないだろうか? 現代において、人々が通信を介して繋がる事は珍しいものではなくなった。 SNSは世界中に広がり、今も見知らぬ所から有志が志を一つにして集う光景は当たり前になった。 今なら初代『カスタム隷奴』をネットワークという『空間』に再現する事が出来るかもしれない…。 だが、夢は夢で消えた。KISSが思い描いた理想像は無惨に散り、残ったのはただのゲー夢だった。 だからこそ、本作の成れの果てに匙を投げた一人のユーザーの言葉が胸に突き刺さる。「どうしてこうなった…?」 どこまでも自由な筈の世界で、どこまでも不自由で不便な世界を造りだす。これは誰も成し得なかった奇跡である。 この歪んだ奇跡を理由に、本年度のKOTYe大賞の栄誉を与えたいと思う。 かくして、2014年の最終戦争は終わった。しかし神は死なない。そして我々ユーザーもまた死なない。 神は生命を創造し、その果てに人類が生まれた。そしてゲームもまた、人の創造によって命を吹き込まれる。 だからこそ人に想いを届けるために、楽しさを、そして面白さを追求しなければならない。 しかし人が平等でないように、ゲームもまた万人が楽しめ永劫に満足できる面白さは存在しない。 その過程で生まれた有象無象の中の、とびきりドス黒くて危険な異物を神からの供物と思って受け取り、検証し、真の姿と次の道筋を探し当てる。 KOTYeはそんな正気で狂気な紳士達の宴の場でありたい。 人はクソゲーを求める。人はエロを求める。欲望の前に、人と神の差はないのだから…。 最後にウルティマシリーズの生みの親であるロード・ブリティッシュことリチャード・ギャリオットの言葉を借りる事で、 クソゲーオブザイヤーinエロゲ2014を締めくくりたいと思う。 「クソゲープレイヤーよ、エンターティナーたれ」} #blockquote(){修正したとこ ※カスタムメイドオンラインの略称を「カメオ」→「カスオ」に統一 ※3月28日の6作品エントリーの部分を修正 ※カスオの愛情値の部分を「愛情度自体が未実装」→「愛情値自体が仮実装」に変更 ※艶乳のテキストを変更 ※後読みして発見した誤字を修正 ※その他表現の一部を変更 }

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