BALDR SKY DiveX Dream World 選評

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>【2014】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 79本目 http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1402240906/~ ~ 140 名前: ◆RV9aeOJeq5YG [sage] 投稿日:2014/06/10(火) 21:17:39.39 ID:iJ2r2D5u0 [2/11]~ 我々KOTYeの住民達は、数多のクソゲーを踏抜き、激憤し、分析し、それをネタへと昇華させてきた~ 百戦錬磨の強者であろうと思う。私は今、そんな諸氏に一つ問を発したい。~ ~ 「はたして、良ゲーとクソゲーは共存しうるのだろうか?」~ ……答えはYESである。これより、その一例をここに記したい。~ ~ ◆BALDR SKY DiveX "Dream World"~  戯画 2010/09/24 \10,290~ ~ 言わずと知れたベストエロゲー、バルドスカイのファンディスクである。~ これらを未プレイの方々のために、まずはその概要に紙面を割くことをお許し願う。~ ~ ●BALDR SKY Dive1, Dive2 について~ ~ 本作は「サイバーパンクアクションADV」。~ 主人公は記憶喪失の軍人であり、電子世界で巨大なロボットを駆る凄腕の将校である。~ 彼は、学生時代に経験しそれにより恋人を失った、とある大量殺戮事件の真相を探るために、~ その主犯と思しき機関(研究者集団)を追っている。~ ~ 記憶を失った後、即ちゲーム本編では、部下のヒロインに導かつつ記憶を取り戻していき、~ 数々の事件に身を投じて真相を解き明かしていくことになる。~ ~ ここまで読んで頂きわかるように、本作はかなり硬派なパンク作品である。~ その世界観や絶妙なシナリオ運びは完成度が高く、ADVゲームだけでも良作であるが、~ さらにこの作品を人気たらしめているのは、物語の要所要所で挟まれる、爽快なアクションパートである。~ ~ 上方俯瞰のフィールドで、群がる敵と戦うこのパートであるが、~ その戦闘スタイルは基本的に「コンボゲー」で、敵に連撃を叩き込み一気に大ダメージを与え、撃破する。~ 特に上級者がしっかり武装を組むと、コンボが始まるや否や敵を遙か上空に運び、~ 他の雑魚から横槍を入れられることなく、敵の体力を全て消し飛ばすことも可能になってくるのである。~ ~ また、マニア向けかと言えばさに非ず、初心者がとっつきやすいような仕様も多い。~ 例えば敵をロックオンするためにボタン操作は不要で、一番近い敵にオートロックされる、~ 適当にボタンを連打すれば、そこそこのコンボが繋がる、なども良く出来ている点である。~ ~ ~ さて、では問題の DiveX について論ずるとしよう。~ ~ このファンディスクは、主に以下のコンテンツを収録している。~ ・短編のサイドストーリーを数本~ ・アクションゲーム関連がいくつか~ ~ このどちらが問題かというと、果たして双方ともに問題がある。~ まずは比較的軽微なサイドストーリーについて。~ ~ ~ 本コンテンツ最大のものとして、新ヒロインを携えた、学生時代のアナザーストーリーがある。~ これは、文庫書籍版として以前発売されたものを、ゲームに直したものであるが、~ 残念ながら、書籍版での内容が大幅にカット/短縮されているのである。~ ~ ストーリーに破綻はなく、それを知らなければかなり楽しめるものの、やはり物足りなさは否めない。~ 「ファンディスクに長いノベルを期待するな」との声が上がりそうだが、~ オーバープライスの金額を取っている以上、それは通らないものだろう。~ ~ また、ファンディスクのお約束として、当然Hシーンの詰め合わせも存在するが、~ 回想モードで見ると、シーン数8である。もう一度言おう、合計で8である。~ ~ サブキャラのシーンを入れるのは構わないが、なぜメインヒロインのシーンが1つもないのだろうか。~ 本編で、結ばれるために激しい戦闘をくぐりぬけたプレイヤーからすれば、~ この絶望感もひとしおと言えるだろう。~ ~ ~ さて、次にアクションゲームである。これは率直に言って「神ゲー」である。文句のつけようがない。~ このスレの趣旨には合わないが、このゲームが如何に優れているか、少々述べさせていただこう。~ ~ ~ まず、主人公機以外の機体を操縦できるようになった。その数、35である。~ 全ての機体がある程度以上に戦えるようチューニングされており、スタッフの綿密な調整っぷりが伺える。~ ~ また、自機を強化して俺TUEEEEEEするモードや、超絶ハードな戦闘を体験できるモードを備え、~ さらに新規機体を追加、武装も数多く新規に作るなど、どれも嬉しい仕様である。~ ~ さらには敵が全体的に強化され、非常に白熱した戦いが繰り広げられる。~ 例えば、一度相手に捕まればタダではすまない。~ ヒットバック(攻撃を受けると、一定時間動けなくなる)が非常に強い攻撃を何度も叩き込まれ、~ こちらの為す術もなく、体力ゲージがゴリゴリ減っていくのがわかるだろう。~ 一度捕まって、体力が3分の1も残れば運が良い方である。~ ~ なお敵が複数いれば、一瞬でもこちらがのけぞると、寄ってたかって半永久コンボが成立する。~ 以下、「のけぞり」という言葉に注意して読んでいただくと面白いだろう。~ ~ ~ 新規追加や大幅調整された機体が異様に難敵であるのも大きな特徴といえる。~ その攻撃例をいくつが下に挙げよう。~ ~ ・広範囲の球形に判定が出る吸い込み攻撃。敵味方関係なくヒットするが、~  敵(向こうから見て敵なので、つまりプレイヤー機)のみがのけぞる仕様である。~  なんと自機は攻撃の機会を失い、敵集団は自機に接近できるのである。~ ・球形広範囲判定の足止め攻撃。自機のコンボ中断の他、敵のコンボの繋ぎに一役買うぞ!~ ・超追尾。空中で180度機動を変えるスグレモノで、当然のけぞり付きである。~ ・超速かつかなり曲がるホーミングミサイル。予測不能回避不能、のけぞり&吹き飛ばし付き。~  ちなみに名前は「ストレイトミサイル」~ ・牽制攻撃が超速かつ瞬時発生、おまけにのけぞり付き。~ ・「真剣にて勝負を所望」と言いつつ、人形、思念波、石投げに草笛と遠距離攻撃を繰り返す。~ ・敵の投げた石コロが、なぜか空中でバウンドする~ ~ その他、語りたいものの1割も語れていないが、このあたりでやめておこう。~ ~ また、敵が須らく仕様の裏を突いてくるのも恐ろしい。~ ~ ・自機は1コンボ中で同一の武装を1度しか使えないが、敵は連続して何度でも使える~  (敵雑魚の武装が少なすぎるための救済措置だが、上記のチート技を持つボス級も容赦なく使う)~ ・装甲(のけぞり攻撃にもある程度耐える防御ゲージ)展開中に攻撃が当たるとヒットストップする~  演出があるが、敵が多段ヒット攻撃を繰り返すため、自機がストップし続けて行動できない~ ・当然小さい敵には攻撃がヒットしづらいが、新機体が狙ったように不自然に小さい~ ・前述の吸い込み攻撃を持つキャラは常時浮遊しており、非常に攻撃を当てづらい~  のみならず、高度を自由に変えられるらしく、自機の空中コンボ中に近づいてきて吸い込みを行う~ ・敵の攻撃によって自機がダウンすると、起き上がり際に回避不能攻撃を打ち込んでくる~ ・ゲーム仕様として、自機に一番近い敵を自動的にターゲットロックオンするが、~  妙な慣性(通称:ご都合慣性)により自機上空をブンブン飛ぶ敵のせいで、狙った敵に攻撃できない~ ・こちらが攻撃ボタンを押した瞬間に敵がカウンターを構える/自機に不可能な回避行動をとる~ ・ステージによっては、何もない壁に引っかかって進めなくなる~ ・etc...~ ~ ~ ……と、このあたりで読者諸氏も何が書いてあるのか解らなくなっているのではないだろうか。~ 実は筆者もである。~ ~ さて、「こんなにも書きたいことがたくさんあった」ということだけを感じ取って頂いて、~ 以下に簡単にまとめることにしよう。~ ~ ●まとめ~ ・一瞬でも敵に捕まれば、敵のコンボで自機の体力の大半が消し飛ぶ。よって、~  自機の勝利条件:コンボを叩き込んで敵を各個撃破する~  敵機の勝利条件:自機をのけぞらせる~ ・しかも予知不能/回避不能攻撃が多く、「敵が発動したら負け」~ ・コンボゲーで、コンボ完走が大前提のバランスにもかかわらず、コンボ妨害が間断なく飛んでくる~ ・初心者や雑魚敵を救済する仕様を、ボスクラスが逆手に取る~ ~ なるほど、スタッフの綿密な調整っぷりが伺える。~ ~ ~ このゲーム、戦略のバリエーションも非常に多彩で、しかも爽快感抜群。~ システムとしては初心者が入りやすい仕組みが綿密に組み込まれ、かつ非常に奥が深い。~ 筆者はシリーズ所見プレイでも本編のラスボスに辛勝でき、~ さらにプレイが1000時間を超えた現在でも、まだ中級者レベルなことからもそれが伺える。~ ~ また戦闘以外も非常に出来がよく、拡張性高いコンフィグ画面や、~ 多彩で華麗なボタンエフェクト、よく動くノベルパート等、制作にかける手間と情熱が伺える。~ ~ このように、大半のコンシューマーゲームに引けを取らぬ良ゲーであるが、~ どう見てもはっちゃけすぎたバランス調整によって、同時に文句なしのクソゲーにもなっている。~ ~ ~ 難易度が理不尽に高い分には、それを超えるのに燃えようものだが、~ 理不尽を仕様にくっつけて、それを難易度に変えられてはたまらない。~ ~ 以上、不作のこの時期を借りて、バグ、起動不可、詐欺商法、単純につまらない、等だけではなく~ こういったベクトルのクソが存在するのだということを諸氏に知っていただくべく、~ いまさらながら筆を取った次第である。~

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