主な勉強の流れ2(音読重視)

☆音読重視英語学習プラン
英語学習の基本的な考え方は基本プランと同じだが、それをより音読重視にカスタマイズしたものがこちらのプランになる。
多くの英語の達人が音読を推奨しているが、大学受験レベルなら不要と考える人もいるため、併記することにする。

[基本的な学習の流れ]
基礎英文法(≠ネクステ系問題集)を終えた後は、「解釈→音読→長文演習」を1サイクルにして、志望校に応じてレベルを上げていく。
志望校によっては個別対策(文法問題(=ネクステ系問題集)、英作文、発音・アクセントなど)を加える。
単語、熟語は並行してやり続ける。また、長文演習をしているときも音読は続ける。

[座右に置くべき本]
X. 総合英語参考書
  • 通読するのではなく、文法辞書として使う。
総合英語Forest
『デュアルスコープ総合英語』(英語版黄チャート。Forestより易しめ。青チャートは微妙だが黄チャートはかなりの良書)
『表現のための実践ロイヤル英文法』(上記の本にプラスアルファするための本。これだけで大学受験を乗り切ろうとするのはお勧めしない)

Y. 英和辞典
  • 発音記号の解説とそのCDがついたもの。センター発音対策になるだけでなく、音読がスムーズになりリーディング力・リスニング力の向上にもつながる。
  • 英和辞典本体も非常に優れているので、電子辞書に入ってるジーニアスを引くよりこちらを引くことをお勧めする。
『グランドセンチュリー英和辞典』
『ライトハウス英和辞典』

[センター長文満点まで]
0. 高校初級英文法、単語・熟語
  • 高校で普通に勉強したなら飛ばしていい。
大岩のいちばんはじめの英文法超基礎文法編
『くもんの高校英文法』
『英文法123+』(中学英語のコーナーにあるが、中身は中学ハイレベル~高校初級レベル)
『ターゲット1200』

1. 大学受験基礎英文法(≠ネクステ系問題集)
  • 普通の受験生はここからスタート。特に力を注ぐべき分野は「品詞、五文型、準動詞、関係詞、接続詞、疑問詞」。
問題形式の本であっても、問題を解くことに主眼を置くのではなく、「なぜその解答になるのかを理解する」ように学習する。
仲本の英文法倶楽部
『山口 英文法講義の実況中継 上・下』
『英文法・語法のトレーニング 基礎講義編』

2.解釈【短文もの】
  • 1.で身につけた文法事項を、実際の英文を読むときにどのように運用するのかを学ぶ。単に訳せればいいというものではないので注意。

英文読解入門基本はここだ!
大矢図解英語構文講義の実況中継
※たとえば『基本はここだ』の"At that house began my happy life."という英文なら、
Atは前置詞だから主語にならない

前置詞の範囲を確定しよう

houseの直後にbeganという動詞があるが、『前置詞+SV』はおかしいからhouseまでが前置詞句だ

<前置詞句>+Vだと主語になる名詞がまだ出てきてない

Vの後ろにSがあるのかな?

やはりmy happy lifeという名詞句があった、これが主語だ

全体でMVSの倒置の文だ
と、(考えようと思えば)ここまで考えられる必要がある。
最終的には音読を繰り返し、これらのプロセスを無意識に置くことになる。

3. 解釈【1パラグラフもの】
  • CD付きの本だが音読は不要。最後まで読み通し解釈の仕方をマスターするのが優先。音読は解釈の実践も兼ねて次の段階で行う。

4. 解釈実践・音読
  • 2.、3.で身につけた解釈の方法を総動員し実践する。
速読英単語必修編
※速単の使い方
〇英文を拡大コピーし構文分析→Web上の読解アシストでチェック→音読
〇速単は単語帳としては役立たずなので、単語ページは無視して長文ページのみ使えばよい。
〇音読は、1回CDを聞いて1回音読を10回ずつ繰り返し次の課に進む。ひとまず3周を目標とし、できれば5周するとよい。慣れてきたら少しずつCDを聞く回数を減らして構わない。
〇CDを聞くときは、「音のつながり(Thank you.がサンキューになるやつ)」と「ナレーターの息継ぎ(ネイティブの考える意味の切れ目)」に注意する。

5. センター演習
  • 必ず時間を計って解くこと。追試験は本試験6年分をすべて解き終わってから解くこと。
『駿台 センター試験過去問題集』
『河合塾 マーク式総合問題集』

a. 単語
発音記号の学習を終えてから(完璧でなくてもよい)、1.の段階から並行して進める。
『英単語センター1800』(高橋潔著。ゴロの方ではない。無料音声ダウンロードができるので活用する。スマホアプリもちょっとした時間に使うには便利)

b. 熟語
『英熟語センター750』

[難関大一歩手前まで]
6. 解釈【センター超】
  • センターレベルより複雑な構文を読み解くためのトレーニングを行う。
  • センター試験の英文がスラスラ読めるようになってから取り組むことで、スムーズに学習を進めることができる。
『基礎英文解釈の技術100』
『吉ゆうそうの英文読解スーパー解テク101』

7. 解釈実践・音読【センター以上】
  • 構文を多く含む英文を解釈→音読することで、6.で身につけた内容を定着させる。
『速読英熟語』
※使い方は速単必修編と同じ。
※後半の例文だけの章もしっかり音読し、覚えよう。

8. 長文演習
  • この段階ではパラグラフリーディングなどの方法論にこだわりすぎず、素直に読んで解くのがベター。
  • 難易度別に二冊ほど選んでやるとよい。よく分からなければ、「やておき」の300と500を選べばハズレはない(ただし、やや国立向けになる)。

※概ね易→難の順に並んでいる。
『入門英語長文問題精講』
『やっておきたい英語長文300』
『合格へ導く 英語長文 Rise 読解演習 2.基礎~標準編』
『やっておきたい英語長文500』
『大学入試よく出るテーマ読み解き英語長文500』

c. 単語
  • 多義語の章が設けられてる単語帳がお勧め。
『システム英単語』
『英単語2001』

[旧帝早慶など難関大学対策]
8. 解釈【ハイレベル】
  • 著者の個性が強い本が多いので、自分に合うかどうかを確認してから購入しよう。
  • 学習の途中で合わないと感じたら、他の著者に変えてみるのも手。ただし変更ばかりで参考書収集家になってはいけないのは言うまでもない。
  • これと決めた一冊を何度も読み返して、難解な英文に出会ったときの思考プロセスを辿れるようにしよう。
『ポレポレ英文読解プロセス50』(このレベルの本では最も薄いので、何度も読み返して体系を頭に作りやすいのが最大の魅力)
『登木健司の英文読解が戦略的にできる本』(変形、倒置、省略、根本の意味の抽出など、基本的な構造がつかめる人が次のレベルに進むために格好のテーマを集めている)
『実は知らない英文誤読の真相88』(タイトルは軽いが中身は難関大学向け英文読解の本)
『東大英語が教えてくれる英文正読の真相55』(東大志望者だけでなく、他の難関大志望者にもお勧め)
『英文読解の透視図』(京大志望者はやるべき)

9. 解釈実践・音読【ハイレベル】
『リンガメタリカ』
『速読英単語 上級編』
※使い方は速読英単語必修編と同じ。

10. 長文読解方法論
  • 一文一文の構造はつかめることが前提で、英文と英文がどうつながっているか、
パラグラフ全体がどのような構造になっているか、パラグラフ間の関係はどうなっているか、そして問題の解き方などを学ぶ。
  • 8.と同様、一冊を何度も繰り返して考え方をトレースできるようになるまでやり込むこと。
『入試長文を読むためのパラグラフ・リーディング―高校上級用』(安くて薄いが内容は濃い。ガッチリと公式化した読解ではないので援用しやすい。国立向け)
『究める英語長文』(国私どちらでも。絶版?)
『ディスコースマーカー英文読解』(国立向け、特に要約問題が出題される大学)
『佐藤ヒロシの英語長文 マーク式』(国私どちらでも)
『佐藤ヒロシの英語長文 記述式』 (国立向け)
『体系英語長文』(国私どちらでも)

11. 長文読解演習【難関レベル】
  • このレベルまできたら、通常の問題集よりも過去問(またはそれに近いもの)で演習すると効率がよい。
「難関大学過去問シリーズ」(『東大の英語25カ年』など教学社のもの)
「英語難関校受験シリーズ」(『東大の英語』などトフルゼミナールのもの。予想問題も入っている)
※中経出版にも同様のシリーズがあるが、問題数も解説も少ない「スカスカ」な本なのでお勧めしない。
『早稲田大学の英語』(駿台のもの。8学部×3年分の過去問が全て載っているので難関私大用問題集として非常にコスパが高い)

[個別対策]
〈文法問題〉
  • 志望校にセンター大問2Aのような独立した文法問題が出ないのなら、原則としてやる必要はない。
(以前は出題されていたが最近出ていない、という場合はやった方が無難)
  • 出題される場合、その内訳と出題形式をよく調べて問題集を選ぶ。
  • 内訳には、「文法、構文、語法、熟語、単語(語彙)、会話表現」などがある。
  • 出題形式には「四択、穴埋め、整序、正誤問題」などがある。
  • 文法と構文、語法と熟語は重なるところもあるので、厳密に切り分けることにこだわりすぎないこと。
  • 文法問題集を始めるタイミングは、最速でも4.の速単必修の音読が3周以上終わってから。7.の速熟の音読が進んでからでも遅くない。
  • 5.~11.の流れと並行して進めること。
  • 音読プランでは熟語帳を二冊(センター750+速熟)やることになるので、そのあたりも加味して問題集を選ぶとよい。

※同カテゴリ内では概ね易→難、または少→多の順に並んでいる。

d. 軽くすませたいとき
『“毎年出る”頻出センター試験 英文法・語法』(256題と非常にコンパクト)
『英文法・語法標準問題厳選320題』
『英文法・語法問題ベスト400』
e. 総合文法問題集
『英文法・語法問題ターゲット1000』
『全解説入試頻出英語標準問題1100』
『スクランブル英文法・語法』
『UPGRADE英文法・語法問題』
f. 英文法、語法に特化
『英文法・語法のトレーニング 戦略編』
『頻出英文法・語法問題1000』(熟語帳を二冊やるこのプランでは最もお勧めの本)
『英文法・語法のトレーニング 演習編』
g. 熟語に特化
『英熟語+コロケーション問題700』
『頻出英熟語問題1000』
h. 整序問題
『英語整序問題精選600』
『頻出英語整序問題850』
i. 正誤問題(e.またはf.を終えてから)
『スーパー講義英文法・語法正誤問題 』(早慶上智で正誤問題が出される学部を受けるならやるべき)

※『スクランブル』の基礎編と構文熟語編も良書だが近々改訂されるため、改訂版をチェックしたらテンプレに反映させる予定。
最終更新:2014年09月14日 22:08