家庭で作るアイスクリーム
甘味料
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甘味料の必要性
甘味度を上げる
冷凍することで甘みを感じにくくなるため、甘味度を上げる必要がある。固形分を増やす
水分を減らす大抵の場合はそのままでは固形分が少なすぎるため、甘味料を加えて固形分を増やす。
冷凍耐性を上げる
ほとんどの甘味料には保水性があるため、冷凍耐性が上がる。甘味料を加える事で、シャリシャリ・ガチガチな状態を軽減できる。
甘味料は2種類以上を組み合わせる
1種類の甘味料だけでは水分と甘味度を同時に調整できないため、甘味度が高いものと低いものを組み合わせて調整する。主な甘味料
甘味料 | 砂糖 | 転化糖 | 蜂蜜 | 水あめ | トレハロース | 脱脂粉乳 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
甘味度(水分含まず) | 1.00 | 1.40 | 1.10 | 0.47 | 0.50 | 0.08 | 高い方が甘い |
甘味度(水分含む) | 1.00 | 1.16 | 0.92 | 0.41 | 0.46 | 0.08 | 高い方が甘い |
分子量(平均) | 342 | 180 | 不明 | 450前後? | 378 | 不明 | 小さい方が凝固温度が下がりやすい |
水分量 | 0% | 20.7%(物による) | 20% | 15% | 9.7% | 3.8% | |
保水性 | 普通 | 普通 | 普通 | 不明 | 高い | 低い? | 高い方が良い |
砂糖
基本となる甘味料。
常温では水の約2倍の量が溶けるので、常温で溶け残ることはまずない。
ある程度撹拌して半日もエーシングすれば、溶け残ることはないだろう。
常温では水の約2倍の量が溶けるので、常温で溶け残ることはまずない。
ある程度撹拌して半日もエーシングすれば、溶け残ることはないだろう。
- グラニュー糖
- 甘味度は1.00。
- サラサラしているので扱いやすい。
- 基本的にはこれを使うが、上白糖があるならそれで良い。
- 上白糖
- 甘味度は0.99。
- 舐めてみるとグラニュー糖より甘く感じるが、それは表面の転化糖が砂糖より甘いため。
- 全体としてみればグラニュー糖より甘くない。
- 砂糖の中では最も単価が安い。
- 三温糖
- 甘味度は0.99。
- ただし、カラメル化しているので甘味を感じやすい。
- 黒糖
- 甘味度は0.90。
- 独特の味があるので、これだけでも味付け可能。
転化糖
砂糖を果糖とブドウ糖に分けたもの。
蜂蜜も転化糖の一種。
分子量が小さいため、柔らかくなる。
オーバーランも温度も上げずに柔らかくするためには、転化糖を使うしかない。
市販のアイスクリームでは異性化糖が同じ役目を果たす。
少量だけ使えば効果を発揮するというものではないため、砂糖を全て転化糖に置き換えるくらいでなければならない。
甘味度を維持したまま全量を置き換えると、水分が増えてシャリシャリになりやすくなる。
ホワイトベースのアイスクリームだと、水分が64.1%から68.6%に増える。
市販の転化糖は高価なので、手作りするのが良い。
砂糖の全量を手作りの転化糖に置き換えれば、はっきり体感できるレベルで柔らかくなる。
ただし、手作りの転化糖は混ぜて加熱しないと溶けにくい。
一例として、500gの水に甘味料を加えて甘味度を0.2にすることを考える。
凝固点が0.3℃下がる。
蜂蜜も転化糖の一種。
分子量が小さいため、柔らかくなる。
オーバーランも温度も上げずに柔らかくするためには、転化糖を使うしかない。
市販のアイスクリームでは異性化糖が同じ役目を果たす。
少量だけ使えば効果を発揮するというものではないため、砂糖を全て転化糖に置き換えるくらいでなければならない。
甘味度を維持したまま全量を置き換えると、水分が増えてシャリシャリになりやすくなる。
ホワイトベースのアイスクリームだと、水分が64.1%から68.6%に増える。
市販の転化糖は高価なので、手作りするのが良い。
砂糖の全量を手作りの転化糖に置き換えれば、はっきり体感できるレベルで柔らかくなる。
ただし、手作りの転化糖は混ぜて加熱しないと溶けにくい。
一例として、500gの水に甘味料を加えて甘味度を0.2にすることを考える。
甘味料 | 必要な重量 | 凝固点 |
---|---|---|
砂糖 | 125g | -1.4℃ |
転化糖(水分0%) | 84g | -1.7℃ |
転化糖(水分28.8%) | 113g | -1.7℃ |
蜂蜜
転化糖の一種なので、性質は転化糖と同じ。
独特の味があるので、これだけで味付けが可能。
市販の蜂蜜には蜂蜜100%ではない「蜂蜜風シロップ」もあるので注意が必要。
蜂蜜の単価は非常に高く、安くても1kg500円程度と、上白糖の3倍以上も高い。
独特の味があるので、これだけで味付けが可能。
市販の蜂蜜には蜂蜜100%ではない「蜂蜜風シロップ」もあるので注意が必要。
蜂蜜の単価は非常に高く、安くても1kg500円程度と、上白糖の3倍以上も高い。
水あめ
砂糖より低甘味度の甘味料の中では最も単価が安く入手しやすい。
甘味度の調整に使う。
他の甘味料と違い、少量加えるとアイスクリームが硬くなってしまう。(逆に大量に加えた場合は凝固点降下が起きるので柔らかくなる)
おそらく分子量ではなくデキストリンに由来するものだと思われる。
甘味度の調整に使う。
他の甘味料と違い、少量加えるとアイスクリームが硬くなってしまう。(逆に大量に加えた場合は凝固点降下が起きるので柔らかくなる)
おそらく分子量ではなくデキストリンに由来するものだと思われる。
トレハロース
水あめの上位互換と言えるが、単価は水あめの1.5倍で専門店か通販でしか手に入らない。
Amazonでも買える。(単価は1000円/kg程度)
他の甘味料より保水性が高く、以下のような効果を持つ。
シャリシャリ感の軽減に大きな効果を持つ。
撹拌中に氷結晶を細かくし、凍結中に氷結晶の成長を抑える。
安定剤と同じ効果でありながら、味や食感には影響を与えないため、シャリシャリ感の軽減という面では安定剤よりも優れている。
市販のアイスクリームには含まれてないことが多い。
理由は、下記の通りであると思われる。
Amazonでも買える。(単価は1000円/kg程度)
他の甘味料より保水性が高く、以下のような効果を持つ。
- 氷結晶の成長を抑える
- アングレーズに使うと卵黄が凝固しにくくなる
- 生クリームや卵白に使えうとホイップが持続しやすくなる
- 冷凍したものを解凍しても元の状態を維持しやすくなる
- 氷結晶が容易に砕けるようになる
シャリシャリ感の軽減に大きな効果を持つ。
撹拌中に氷結晶を細かくし、凍結中に氷結晶の成長を抑える。
安定剤と同じ効果でありながら、味や食感には影響を与えないため、シャリシャリ感の軽減という面では安定剤よりも優れている。
市販のアイスクリームには含まれてないことが多い。
理由は、下記の通りであると思われる。
- 溶けにくくするために安定剤を入れており、安定剤もトレハロースと同じ効果を発揮する。
- 業務用の設備なので、そもそも氷結晶が成長しない。
砂糖の一部をトレハロースに置き換える計算式
- 加えるトレハロースの量=水分量×0.05
- 減らす砂糖の量=(甘味度-0.45)×加えるトレハロースの量=(甘味度-0.45)×水分量×0.05
脱脂粉乳
無脂乳固形分を粉末にしたもの。
牛乳と置き換えることで、水分を減らし、無脂乳固形分を増やす効果がある。
水分が減ることにより、シャリシャリ感が弱くなる。
無脂乳固形分が増えることにより、ボディ感が強くなる。
甘味度がアイスクリーム全体よりも低いので、入れると甘味度がわずかに下がる。
強い牛乳風味があるので、多用しないこと。
1回500gあたり20g程度使うので、400g入りなら20回分に相当する。
賞味期限は1年程度なので、アイス作りのためだけに買うと賞味期限が切れてしまう可能性もあるだろう。
牛乳と置き換えることで、水分を減らし、無脂乳固形分を増やす効果がある。
水分が減ることにより、シャリシャリ感が弱くなる。
無脂乳固形分が増えることにより、ボディ感が強くなる。
甘味度がアイスクリーム全体よりも低いので、入れると甘味度がわずかに下がる。
強い牛乳風味があるので、多用しないこと。
1回500gあたり20g程度使うので、400g入りなら20回分に相当する。
賞味期限は1年程度なので、アイス作りのためだけに買うと賞味期限が切れてしまう可能性もあるだろう。
塩
対比効果で甘味度が上がる。
味を引き締める効果もある。
「基本的四味の相互関係について 」によると、10~25%の砂糖水では塩を0.15%加えれば良いことになる。
対比効果で甘味度を上げる場合、500gあたり小さじ1/8=0.75gを上限として添加すれば良い。
0.1%でかすかに塩味が感じられ、0.05%で無味とされる。
塩アイスを作る場合、0.5%程度使う(*1)。
味を引き締める効果もある。
「基本的四味の相互関係について 」によると、10~25%の砂糖水では塩を0.15%加えれば良いことになる。
対比効果で甘味度を上げる場合、500gあたり小さじ1/8=0.75gを上限として添加すれば良い。
0.1%でかすかに塩味が感じられ、0.05%で無味とされる。
塩アイスを作る場合、0.5%程度使う(*1)。
スローカロリーシュガー
砂糖とカロリーは同じだが、甘味度が半分程度しかない。そのため、低甘味度甘味料として使える。
甘味料の置き換え計算式
- 加える甘味料の量=減らす砂糖の量/(全体の甘味度-甘味料の甘味度)