戦が日常にあった時代。ある都市を守るために多くの傭兵が雇われたものの、周辺一帯で収穫できるライ麦には限りがあり、一人当たりに与えられるパンは日をおって小さくなる一方だった。傭兵たちに不穏な空気が漂い始めた頃、パン職人のサリサが妙案を編み出した。パン種と焼き加減を工夫して、噛みごたえのあるパンを焼き上げたのだ。大きさこそ同じだったが、その堅いパンを食べると唾液がよく出て不思議と空腹感が減るのだ。いつしか兵の間から食への不満は消えていった。サリサは、その創意を称えられ、後にメネフィナの聖人に列せられた。
~『コネクト!オン』2011年5月号「ギルドリーヴプレート研究」より