商人アダマランダマは押しも押されぬ大金持ち。貧しい人々に銅貨一枚恵まないケチとして知られていた。しかし、彼をよく知る市場の人々は違った感想を抱いていた。アダマランダマは恵みこそしないものの、女の子が集めた貝殻だろうが、食い潰した前衛画家の作品だろうが、よい品には対価を惜しまなかったからだった。大籠を持って現れ、どんどん買ってくれる彼のおかげで、商人が集まり、特産品が育ち、市場はやがて近隣随一の規模にまで発展した。アダマランダマは、その生前のよさを称えられ、後にナルザルの聖人に列せられた。
~『コネクト!オン』2011年5月号「ギルドリーヴプレート研究」より