このドラマって、冬の鎌倉の海や山、そこの古民家、うろついてる猫……などなどの風景に、どことない引退の気配を匂わせたり、年下のイケメンが不治の病格安 DVDを抱えているという設定があったり、そこここに陰の部分をふりまいてはいるものの、人生折り返しに来て落ち込んでいる人たちの思索的な話というより、実は、まだ諦めてない人たちの活力ある物語なんです。だって、ほら、考えてもみてください。35歳くらいまでに、仕事や恋のゴールを決めていなかったということは、もっと先を求めているってことなんですから。その証拠に、最終回で千明は、「人生って、自分の未来に恋することなのかもしれない」と言います。「最後から二番目の恋 DVD」は、未来に恋こがれ走り続けてきて、ちょっと疲れてしまった人たちが、ちょっと休んでまた走り出すドラマです。だからこそ多くの35歳以上の諦めきれない男女が夢中になるのです。脚本家は岡田恵和。朝のテレビ小説「おひさま」などヒットドラマをたくさん手がけている人気作家の脚本は、日々の生活で緩慢になったハートをドックンドックン、活発に動かしてくれる、エナジードリンクみたいです。連ドラ第3話では、こんなセリフがありました。「ひどいことになったとしても、なんにもないよりいいですよ。なんにもないより、苦しんだりとか、失敗したりとか、そういうほうが面白いですよ」失敗してもいい。失恋してもいい。とにかく日本ドラマDVD「ファンキー」に生きていこうと千明は考えます。おもしろいのが「ファンキー」(funky)という言葉。局が違いますが「嵐にしやがれ」での「ファンキーガール、カモーン!」という言葉でおなじみの「ファンキー」。ファンクミュージックから連想する「イカした」「ちょっと変わったかっこよさ」というような意味が主流ですが、ほかに「臆病な」とか「憂鬱な」という意味もあるんです。 ドラマでは当然「イカした」という意味合いで使われていると思いますが、その一方で、年齢を重ねることや自分に何もないことに怖じ気づくことから、思いきって脱した時に得られる「イカした」感じと考えれば、ドラマの登場人物たちの生き方がより愛おしく思えるような気がしませんか。ファンクミュージックも、最初から洗練された素敵なものではなく、土着的なところから発生し、かっこいいものとして育っていったもの。「最後から二番目の恋 DVD」はまさに、ちょっと元気のない人たちに再び元気をくれる魔法の言葉。
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