エるだぁ・マじかる・後藤さん

ステータス(評価点数:Lv.300)

  • キャラクター名:エるだぁ・マじかる・後藤さん
  • よみ:えるだーまじかるごとうさん
  • 性別:女性
  • 体型:貧相
  • 学年:部外者それ以外
  • 部活:マンガ同好会(学生当時)
  • 委員:なし
  • 武器:粘液
  • 初期ステータス
    • 攻撃力:0 防御力:4 体力:5 精神:4 FS(べとフェチ):17
    • 移動力:2
  • アビリティ
    • 『偽装』

特殊能力『ハぃぱぼりぃ・ヴぃすかす』(発動率:83%)

効果:精神に1ダメージ
範囲+対象:MAP内全員
時間:一瞬
制約:なし

能力原理
特大の粘液弾を生成して大量射出する遠距離魔砲撃。
被弾した人は全身がべとべとになり、気持ち悪くて嫌な気分になる。

キャラクター説明

魔法少女名『後藤うさ』。
節足のウサミミ甲冑に身を包んだ古き魔法少女。身長130センチ。体重32キロ。焦げ茶色の髪はセミロングの2つくくり。
知る人ぞ知る隠れた名作マンガ『魔法つかいウサちゃん』のモデルである(というか、自分で描いた)。
魔法少女歴80年のベテランであり、ハルマゲドンから生還した経験もある。
今でもマンガは時々描いてる(だけどやっぱり下手)。
変身時間を持続させるために省エネ変身してるため、得意の粘液格闘術『海ソーサリー』は今回ちょっと使えない。
言葉遣いは老人口調で、声はかわいらしい。ヤッター! 合法のじゃロリだ!

「儂ももう少し若ければのう…」
「いまこそ散り時! ここは儂に任せて皆は先に行くのじゃ!」

※変身前は男性なので一応偽装もしゅとくしましたが、変身後は完全に女性なので女性として処理してください。

マスコット名

ぷてりん

マスコット説明

体長120センチを超え、巨大なハサミを持つロブスターめいた淡い茶褐色の節足動物。戦闘時には後藤さんの甲冑となる。
古生代の海で生態系の頂点に立っていたウミサソリの一属性プテリゴートゥスのエンシェント(祖霊集合体)である。
オールのような脚で空を自由に泳げる。
水を自在に操り、特に粘性を変化させる術を得意とする。
ギシギシとしか発声できないが、後藤さんとは魔法的リンクによって遠隔無音対話が可能。

エピソード

後藤うさ・プろろーぐ『来年には警察官になるそうじゃ』


はじめて出会ったのは、彼女が高校一年生の時だった。
彼女はまだ幼く、小さく、なにも知らず、眩しいほどに真っ直ぐだった。
遥か昔の忘れ物を彼女の中に見つけたような気がして、心がざわついた。

あれから2年と半年ほど。
彼女は時折、この老人ホームを訪れてくれる。
三毛猫色の長い髪と、エメラルド色の瞳。
そして、はじける笑顔。
50年も前に失ったはずのものが再び帰ってきたような不思議な感覚。
後悔にまみれた人生だったが、救われたように感じていた。

「やりました! うかったんです!」

ひときわ激しく笑顔をはじけさせながら、彼女は言った。
あまりの眩しさに目がくらむような気分だった。
希望崎学園を卒業した彼女は、魔人警察官の採用試験に受かったのだそうだ。
この春からは恋人と同棲をはじめ、結婚も考えているとのこと。
なんということだろう。
つい先日まで小さな子猫だった彼女が、今はとても大きく見える。

「ニャーン!(どうだ、ミウの凄いところはおっぱいだけじゃないんだぜ! まいったか!)」

彼女が連れている老いた三毛猫が、自慢気に言った。
ああ。まいったとも。本当に凄い。おどろいたよ。
それにエロ猫、あんたも凄いな。しっかりやり遂げおって。
で、いったいいつまで生きるつもりなんじゃ?

老人ホームの空調がよく効いた談話室は、春夏秋冬快適で、悪く言えば変わり映えがしない。
変化のない老人の時間と比べて、世界の移り変わりのなんと速いことか。
熱いお茶をすすり、彼女の輝かしい笑顔を見て、エロ猫の得意気な顔を見て、もう一度熱いお茶をすすって。
そうして溢れる感傷をようやく落ち着かせて、祝福の言葉を言えた。

「夢が叶って良かったのう。おめでとう」

そして儂は、儂のやるべきことを、久方ぶりに思い出した。


○○○○○○


普段ならすんなりと受理されるはずの外出届なのだが、どういうわけか今回はなかなか手強かった。
察しのいい福篠チーフがいるときに提出したのが失敗だった。

「後藤さんっ。外出目的を正直に言わないと、許可しませんからねっ!」

思えば彼女の成長も著しい。
彼女が臨戦介護師見習いとしてアルバイトに来だした頃は、一体どこの小学生が迷い込んだのかと思ったものだ。
今では大学の福祉学科を卒業して、立派な正職員としてチーフを務めている。

「いやその、久しぶりに海で泳ごうと思ったんじゃよ…」

若い頃はスキューバダイビングで毎週のように潜っていたが、ここ十年ぐらいは海にすら行ってない。
マスコットのウミサソリ「ぷてりん」は、時々ふらっと海に出掛けてるらしいが。

「ふーん。海に行く荷物には見えないけどねっ。ちょっと失礼っ!」

福篠チーフは、重たいトランクをがちゃりと開く。
中には……鈍い蛍光グリーンの光を放つドロリとした液体が詰まった、大量のペットボトル。
この日のために何年もかけて魔力を貯えてきたものだ。

「この魔法薬を飲めば、全部でおよそひと月…儂は変身状態を継続できるのじゃ」

儂の決意を値踏みするような、福篠チーフの鋭い視線。

「海……妃芽薗の臨海学校ですね。後藤さん、死ぬ気ですか?」

福篠チーフも儂も、人の死にはもう馴れている。
だが、自ら死地に向かうのを喜んで見送るような人間というわけでもない。

「死ぬつもりはない。じゃが、生きて帰ってくる自信もないのう」

福篠チーフは、んんーっと首をかしげて暫く悩んでから、ぱしんと手を打った。
クおりてぃ・オぶ・ラいふ。
ただ生きてるだけでは意味がないのだ。

「わかりましたっ! 頑張ってきてくださいねっ!」

そう言って彼女は、やや渋い顔をしながら外出届に判子をズシン、と押した。


(後藤うさ・プろろーぐ、おわり)


最終更新:2015年08月13日 07:08