三国屋碧沙

ステータス(評価点数:Lv.700)

  • キャラクター名:三国屋碧沙
  • よみ:みくにや・へきさ
  • 性別:女性
  • 体型:華奢
  • 学年:中等部1年
  • 部活:黒魔術同好会
  • 委員:図書委員
  • 武器:魔術書(大学ノート)がみっしり詰まったカバン
  • 初期ステータス
    • 攻撃力:10 防御力:7 体力:7 精神:6 FS(黒魔術知識):0
    • 移動力:2
  • アビリティ
    • 『慧眼』

特殊能力『絶対★魔法書ビブリオヘキサ』(発動率:65%)

効果:敵(転校生除く)特殊能力コピー 25
効果付属:-
範囲+対象:戦場全体から1人 3
対象付属:-
時間:一瞬(単発効果)
時間付属:-
消費制約:なし 10

詳細な説明
戦場全体(壁を無視できないことに注意)から転校生でない敵1体を選び、特殊能力が二つ以上ある場合そのうち1つを選ぶ。
発動に成功した場合、その能力を永続的に習得し、使用可能となる。
発動率はコピー元の値に準ずる。

能力原理
碧沙が小学生のころから綿々と執筆した黒歴史ノート……もとい、魔法書「ビブリオヘキサ」全21巻の中から敵の使用する特殊能力に合致する記述を見つけ出し、以降それを自らの魔術(魔人能力)として使用可能になる。
なお、彼女の自分ルールとして「自らに敵意を持つものの魔術しか用いない」というものがあるため、対象は敵のみとなっている。
また、転校生の能力はロジックが違うためか習得できない。

キャラクター説明

中等部1年。黒歴史ノート、もとい魔法書「ビブリオヘキサ」(全21巻。22巻目鋭意執筆中)をしまったカバンを常時携帯し、某夢の国で売っていそうな黒いとんがり帽子と黒マントを着用する奇人。恰好さえまともなら黒髪に抜けるような白い肌の美人なのだが、言動がつっけんどんかつ恰好があれなため友人は皆無。
少々早咲きの中二病まっしぐらの彼女はスクールカースト最下層どころか埒外に配置されており、いじめをうけるとかそういうレベルを通り越してもはや完全にいないものとして扱われている。
が、彼女としてはむしろ望むところのようで、休み時間にはノート、もとい魔法書の執筆にふけり、昼休みには自作の弁当(おもに海苔弁)を堂々と孤食している。
なお、頭は年齢にしてはかなり良いが、学業はそこそこレベル。

エピソード


『ビブリオヘキサ第21巻127ページ』
3月31日 曇り

このエピソードをもって、私こと三国屋碧沙の人生の序章(プロローグ)は終わりを迎える。
『小学校』……一般名詞ではなく私が通っていたものを指す。固有名詞を記す意味はないが、便宜上『小学校』と呼称する……の卒業式から数日が過ぎ、私は引っ越しの準備に追われていた。

そう。私はついにこの両親の統べる城、実家という名の鳥かごから巣立ち、自由に羽ばたきだすのだ。なんて素敵!
羽ばたいた先の最初の止まり木として私が選んだのは、私立妃芽薗学園。
全寮制の普通のお嬢様学院、とは仮の姿。全国から集まった魔人女子たちが素敵なお嬢様を目指して日々切磋琢磨を繰り広げる、まさに魔女たちの大釜だ。私の目はごまかせない。ふふん。
そういう場所でこそ、私の『能力』、そして才能は十二分に生かすことができる。
『小学校』の連中みたいな凡人の群れなんか比べ物にもならない。鍛え抜かれた魔人の軍団! 私の『絶対★魔法書ビブリオヘキサ』の1ページに刻むにふさわしい!
そんな期待と希望に胸を一杯に膨らませながら、私は手際よく荷造りを整えていく。
荷造りと言っても、所詮は小学生。それほど詰める荷物があるわけでもない。
ビブリオヘキサだけは別だけど、彼らには専用の手持ち鞄というスペースがちゃんと用意されている。実質、荷造りはそれほど時間がかからずに終わった。


私の(これまで暮らしていた、そして今日去る)部屋は2階にある。部屋の窓から、家の前の道路をぼんやりと眺める。
かつては、あの道路を白馬の王子様がやってくることを夢見たこともあった。
その願いはやがて、カボチャの馬車を引き連れた魔女がやってくる夢に姿を変えた。
さらに時が過ぎるとカボチャの馬車は姿を消し、ただ魔女がやってくる夢になった。
魔女は手を伸ばして、私にこういうのだ。

「いっひっひ、私の弟子にならないかい?」

何度その手を取ろうとした事か。その度に夢は覚め、私は現実に引き戻されてしまった。
だけど今日だけは違う。今日こそ私は、彼女の手を取ってここから飛び出すんだ。
そんな思いを抱えて、家の前の道路を一心不乱にみる。
魔女ではなく、カボチャの馬車でもなく、白馬の王子でもなく、白猫の引っ越し業者のトラックがやってきたのは、それから30分ほど後の事だった。


魔女というには少々体格がよくて、そもそも性別が違うお兄さんたちが、数少ない荷物を運んでいく。
私も彼らのトラックに乗って現地に行くことになり、両親との最後のお別れをする事になった。
両親の寝室の方に視線を向けて、ぺこりと一礼。
お世話になりましたという口先だけの礼は、口の中でもごもごしたまま消えた。
そう、うちの両親は共働きで、休日は大体深夜まで泥のように眠るのが相場。
眠りを妨げると、烈火のように怒りが降り注ぐ。
それは今日も例外ではない。だから、私は彼らが最後にどんな顔をしているのか、見ることができなかった。
別にかまわなかったけどね。


さあ、トラックに乗ろう。
お兄さんたちの(多分)猥雑な冗談をBGMにしながら、私立妃芽薗学園まで一直線。
普通な日々よ、さようなら。新しき日々よ、こんにちわ。
私はこれから、素晴らしき魔人人生を送るのだ。きゃっほーい!



















『ビブリオヘキサ第21巻128ページ』
4月1日 雨

失敗した。
何これ。



最終更新:2015年08月03日 21:07