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ステータス(評価点数:Lv.1000)
特殊能力『私たちが星座を盗んだ理由』(発動率:100%)
永続パッシブ:
登場時および被解除時に自動発動する。
能力概要:
星座の通常攻撃が命中した場合、ダメージ計算の後、通常の処置を行わず以下の状態変化を与える。 命中のみ:一時戦線離脱(一ターン) 死亡相当:永続戦線離脱 瀕死相当:永続行動不能 通常攻撃と同時に通常攻撃先のマスに死体を一体召喚する。 死体のないマスに移動した場合、味方フェイズ終了後に星座は一時戦線離脱し、次ターン以降の味方フェイズに死体のあるマスを任意に選んで転移する。
備考:
能力原理
少女にとって等しく訪れる思春期の訪れ。
愛憎離苦――、日々生まれ変わっていくわたしたちにとってそれは苦痛なのか快楽なのか、きっとわからないんでしょうか?
だから、星座はかつての自分を棺に封印する。
凡俗はそばかすが出来たり、ほくろが生まれたり、にきびを作ったりする、そんな下らない一喜一憂をするのだけれど。この体は時間に抵抗する、何億年でも待っていればいい。
未来はいつだって恐ろしいから今を切り刻んで
過去はいつだって美しいから今が惨めになるんだ。
ガラス越しの自分はいつだって微笑んでくれる。
"見る"ことで網膜の鏡像に映った人の姿そっくりそのままな死体を作成する能力。
モデルとなった人物からは黒子の数から遺伝子構造まで寸分違わず複製された死体であるが、あくまで形を模しただけであり魂も命を持たない。 また、この死体はいわゆる不朽体であり、経年劣化や腐敗が見られることはない。
……本来なら、そこで留まるだけの力だった。
だが、人の姿をした惑星と巡り合った日に「欲しい」と思った星座は"死んだ"星を夜空から奪い取ってしまう。生きている星まで嬉々として掴み取っていたその日の夜、今まで自分が何をしているか気付いた。
星座は魂のない死体を作っているのではなく、作った生体から魂を消していたのである。
転じて魂の輝きに心魅かれるようになり星座は、自分が容易く命の火を吹き消せることを知る。 弱いものは一目されただけで、彼女が愛でるための死体を残して掻き消され。 強いものも一瞥されただけで、己を魂の檻ごと見失うことになるだろう。 それは星座自身とて同じこと、今動いている自分と今止まっているあなた、そこにどんな違いがあるのだろうか?
その結果、夜空からは太陽と月こそ見逃されたものの多くの一等星が失われ、彼女の宝石箱に閉じ込められるか髪飾りになるか、どちらかの運命を辿ることになっている。
必殺技『少女たちの羅針盤』 (消費MP:3)
効 果 :
必殺技原理
星座を見るのは誰なのだろうか?
自他を隔て、見て見られて、舵を取るのはあの方であった。 だから彼女は暦を臨む。 技ダイス
キャラクター説明
【プロフィール】
年齢:十七歳(七月七日生まれ) 瞳の色:星の色 髪の色:闇の色 好きな物:死んでいる人間、星、自由 嫌いな物:生きている人間、闇、束縛
希望崎学園の秘密結社『暦』の妹組織として妃芽薗学園にて暗躍する謎の部活『カランドリエ』に属する一人。
戦闘力においては「熱月雉鵠(テルミドール・じかん)」と並ぶ二枚看板の一人であり、留年を続けている基幹メンバー「芽月リュドミラ」らに次ぐ重要メンバーである。
闇夜のように真暗い黒髪には無数の星が飾られ強い熱を発しているが、反面、肌の色は血の気に乏しく光すべてを溶け込ませる程に色白い。四季を問わず真っ青なセーラー服を着、その上から闇色の外套を肩にかけている。
ぞっとするほど美しいが、全身から不自然さと退廃的な雰囲気を漂わせる。 昼も夜も常に光っていることから仲間内からは「一つきりの星座」とあだ名されている。
感情的な性格に見えるが、実際は冷淡な性質を持ち凡人への興味も薄く己の美意識に耽溺する傾向が強い。
彼女個人に魅かれて集まってくる信奉者も多いが、星座も「カランドリエ」部長の信奉者の一人に過ぎない。 天文部を滅ぼしたその足で学園側に天文委員会の創設を認めさせて部をサポートしているが、独断専行が目立つのも確かであり他の部員からは何をするかわからない危険人物と見られている。
元は"大正時代"から留学してきた令嬢であり、名花十二客のひとつ「茉莉」に連なる探偵家「砲茉莉(つつまつり)」の一員である。
万国の血を注がれた人間として極めて平均的、けれど危うい均整に満ち満ちた風貌に育ち、それを惜しんだ父に女に”させられた”と言う過去を持っている。 その後、醜聞を恐れた一族の物によって異世界の妃芽薗学園へと幽閉され、現代に至る? エピソード
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1920年、帝都東京――。
ここはあなた達日本人が辿った歴史とは少し違う方向に捻じ曲げられた異世界"大正時代"。 退廃と円熟の時代。どこか先行きに不安を混じらせながらも自由と解放の雰囲気に満ちた大正浪漫、そして何より探偵を主役に据えるための、一個の舞台。 けれど、探偵に生まれることと探偵に生きることはイコールではないのだと、彼女は教えてくれた。 ……彼女について話す前に少し前置きが必要なようだった。
剣薔薇(つるぎばら)、砲茉莉(つつまつり)、矢車菊(やぐるまぎく)、扇牡丹(おうぎぼたん)。
内、扇牡丹は一世紀をまたいだ牡丹命子の一件により本家の煽りを喰らって滅んだが、残る三家は財界との繋がりもあり最も華やかなりし探偵家として繁栄を謳歌している。 先の第一次世界大戦の予見、最も的確な投資対象の選定によって莫大な財を築いた彼らの源流は名花十二客と言う名のある世界の財閥集団である。
彼女の生家、婚姻政策によって権勢を拡大してきた名家「茉莉」は遠客を意味する通り「近くの地縁より遠くの血縁」をモットーとしており、その拡大は世界各国はもちろん平行世界にまで及んでいた。
その分家である「砲茉莉」もまた発起人として他家を巻き込み、短期間の内に「剣薔薇(つるぎばら)」と並ぶ繁栄をここ百年前の帝都にて謳っていたのである。
何せ、未来人である彼らはちょっとしたズルが使えるのだ。
人工探偵と言う華やかな花たちが運んできた蝶の群れはバタフライ・エフェクトを生み出した。 未来が過去を作っている、ちょっとした逆流現象によって、いつしかこの世界は巨大ロボットと言う漢の浪漫まで実現させていた。 が、この物語(キャンペーン)は流血少女。少女たちの残酷歌劇(グラン・ギニョール)。 本筋と関係のないところまで紙面を裂くことまではいたしません。どうかご容赦くださいませ。
もっとも、この世界の仕掛け人が転校生にも匹敵する実力者である人工探偵「桜火(おうか)」と言う個人であることは脳の片隅にでも入れておくとよいかもしれません。
余技が過ぎました。不肖、この三毛猫が語りを引き継ぐといたしましょう。 鉄砲百合三毛猫、この世界で発生した探偵家の一員ですが、僕は"まだ"恋をしていません。
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真黒の絵の具に色とりどりを重ね重ねて、より深い黒色を描き出すような、雑多な部屋でありました。
一歩踏み入って、そこに床があるのか。それとも淵なしの暗黒が口を開いているのではないかと、どうしても、しばらくの間は後ろに置いてきた片足を持ってくることが出来ませんでした。
進むに進めぬ体たらく。見かねた人工探偵の方に退路を塞がれました。この闇の中、瞬く星の光を目指すしか道はないと知っているのに踏み切れぬは男の成りをしていない惰弱さゆえなのかもしれません。
手探りで進むようなことがなかったのは救いであったかは、わかりかねましたが。
この閨屋が闇色となったのは、光が星の独占物であった故なのかもしれません。
光を放つなどと言うもったいの無い行いをこの強欲な星は許してくれるのでしょうか? 答えは「いいえ」でしょう。
昏い寝所にて、中央に座したその人はその腕で全身を抱きしめるようにしていました。
光の化身とも言える白い風姿の上にのびのびとして闊達な黒い髪を輪郭のように乗せています。 喩えるなら墨の河に落とした砂金の粒でしょうか。その柔らかい墨は青い、青い、軍で見た服に流れていたのです。
きらきらしていました。
星です。あの方が盗んだ天空の星なのです。それで自分の身を飾りたてる不善を為したのです。 返す術を知らない盗人だからこそ、彼女はここに幽閉されているのです。 ――ようやく、こちらに気付いていただけたのでしょうか? 三毛猫は、僕は言葉を心待ちにしている自分に気付きました。
「星座は名を雨月星座と言います。
砲茉莉の姓はとうに捨てましたが、呼びたければお好きにどうぞ」
ひやり、とした声でした。
……知らない声でした。 知らない名、知らない顔、知らない人ではないはずなのに、まるで百年も昔のおとぎ話の住人が話しかけてくるような違和感があったかのように思えます。
光を通さない黒い帯で両目を塞がれてなお射抜かれるかのような視線に身震いをしました。
星の光を届けないよう厳重に封印された暗室は、まるで意味を為さないようでした。 僕の名前である鉄砲百合三毛猫、それを知っておられたのでしょうか? 答えは「いいえ」でしょう。それが、他の誰かであるならば、と言う但し書きは付きますが。
「おや、三毛猫ちゃんですか? 星座は小さくなってしまいました。
見苦しいところを見せましたね。うふふ……」
どれどれ、と宙に手刀にて空を切る仕草をする星座様はまるで見当違いの方向を向いています。
ぴょいぴょいと飛び跳ねる真似をしていますが、それで僕は2メートルの巨人になってしまいます。 空振りを繰り返していて、顧みることをされないのでしょうか、失礼ながら童女、もしくは何かに憑かれたかに見えました。
「星座様、知らぬ間柄ではございませんが、どうかお戯れはおよしになってくださいませ」
失礼ながら侮っていたのでしょうか、それとも怯えの色が混じっていたのでしょうか。
「惰弱!」
思わず、びくりとして頭を押さえても何かが飛んでくるわけもなく。
「……と、きみのことを今この時代では呼ぶのでしょう?」
ころころと、女のような声色で笑いかけながら。 けれど、変わらない少年のようないたずら心を孕ませて言ったのです。
「時の条理とは不条理です。"僕"の元に届けられる星の光は数千、数万を経ています。年老い、もう死んでいると思ったからこそこのようにして掌に収まるのですから。一つあげましょう」
こうして、いらぬ世話をしてくれる困った御仁でありました。
毛虫を押し付けてられて、投げ返すでもなくきゃーきゃー言っていた僕も僕でしたが。 長い長い黒髪に付けていたのは星飾り、自ずから瞬くそれを僕にくっつけようとして、声を上げずに、音を立てまいとかわす僕でした。ひょい、ひょいっと、見ているものがいれば滑稽でしょう。 まるで、双方の動きがわかっていたかのような息の合わせに後ろに立つ人工探偵も安心して寝息を立てていました。
そうして、ようやく飽きてくれた星座様はぽいと空中に投げ出しました。
おそらく四等星だろうその星は、蛍の光に見えてか細く。けれど、読書には向いていそうでした。 「つまらない子だね、三毛猫は」 それでも、いつもなら呆れの中に親愛を混ぜてくれるのにどこか寂しいものを感じて。 慌てていると、まるでわかっていたかのような迅さで手首を掴まれました。
「男女の別を設けて愛するを隔てる……か。
僕達、二つの時代と二つの世界を飛び越えた者の子孫たちは恩寵としてか呪いとしてか、二つの性別を孕んで生まれてくる。第二次性徴の先に、男女の別を選ぶ。選ぶ? ……この時代において自由はまだ遠いのだね」
夜の風の匂い、涼やかで好ましい香りの中にどこか悍ましい物が混じっていることに気付きました。
それでも振り切ることは出来ません。その手が三毛猫の頼りなさと比べてもなお繊細でか細いものであると気付いたのです。
「ふうん。面白いではないですか。きみは好きな方がいるから男を選ぼうと思っている」
振り払うまいと力を込める三毛猫に気付いたのか、言葉を続ける星座様に「いいえ」と答えることは出来るのでしょう。ですがそれをすれば手は離され、永久の別れとなるような気がしました。
「それが婦人の情であることに気付いていないのだから。
欲し欲される、浅ましい人の業を知らないからこそ、太平楽にここにやって来れる!」 打たれる身の辛さを知りながら、それでも身を投げ出すことをやめられない。三毛猫はどこか異常なのでしょうか?
「くだらない……。人間など所詮は欲と情に塗れた生き物だと言うのに。
本当に情欲を持っているなら女の身に成り下がってから僕の前にでも飛び込んで来たらどうだ!」 怒りに身を任せるようでいて、その前に身を投げ出す覚悟は出来ていました。後悔があるとすれば、女に犯されるこの身がどちらに変じるのか、推理の及ぶところではなかったことですが。
「これはねごとなのですね~」
え~い。
眠そうな声が割り込みます。浴衣姿の幼女が目元をこすりながら僕達の間に割り込むのです。
嫌な表情が浮かぶようでいて、いえこんな子どもに押されてやって来たのかと思うとバツが悪いのです。妄想で遊ぶから淫乱な夢を見ていたのだと、年中夢を見ている探偵に教えられるようでした。
「誰?」
「もうしおくれました~。わたくしじんこうたんていななじゅうにこうのひとり『はすはじめてひらく』をあずかります、すどう・ひつじぐさともうしまする~」 即座に熱の籠りを振り捨てて、冷ややかな声に戻しながら
「みけねこちゃんさま~。おはなししましょうよ~」
「冗談はやめてくれ、雑草風情が……ぁ?」 袖をはっしと掴みながらそれを言うのは何かの冗談でしょうか。 須藤未草、見た目の齢がとうに足らない子どもが既婚者であることに、未だ世間の暗闇を知らない僕……自覚していますは戦慄したことを今も覚えています。
目に見える異形は右の涙袋から生やすヒツジグサの花のみ。
水面を模すようにして涙で潤んだ目は水滴を落とすことなく、枯れずの花を真正面に立てていました。 そして、眠りながら会話をしています。これが未草の魔人能力「ひつじとはなのかぞえうた」、眠りながらでも活動が出来、彼女の寝言と会話をした者を強制的に眠りに落とす、そんな単純な能力です。 ここまでの会話も一方向的なものでした。互いが一方的に話すだけで傍から聞いていれば違和感に気付いただろう、そんな会話もこの部屋に入る前から途切れていました。
余談ですが人工探偵も探偵家に膾炙するにつれて、一種の階位付けが求められました。
頂点たる四季士に続くものとして九十六。つまり二十四節騎・七十二候、合わせて人工探偵百撰。 花よ花よと持て囃される人工探偵たちのエリート集団でした。すべてが一個世界に集うことは無いとは言え、一人一人が並の探偵ではないと聞き及んでいます。 人工探偵についてご存じない方は単語を聞き飛ばして結構だと、思いますよ。
……、ひとつ誤算があったとすれば規格外の犯人、いや怪盗を前に規格に収まった探偵如きでは相手にならなかったことでしょうね。
「おふたかたともねごとをおっしゃられていたので」
呑気なようでいて、つんと澄ませたその響きは年相応にも聞こえました。 この闇の中に投げ出された星はかつて夜空に輝いた星の座、そのものでした。 随分寂しくなった星空の中に戻してあげるのは可能でしょうか? 「いいえ」と、僕はごめんなさいの言葉を飲み込んで足をずらしました。今はそれより掴まれた感覚なのに、手を離してしまったように思ってしまいたいのです。どうか傲慢でいいと思わせてください。 今はそれだけでいいんです。お願いします――。
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絵と絵を通じて、異世界や平行世界を渡る能力『隠れ画(エルミタージュ)』。
カランドリエがいくつか抱える移動能力のひとつである。
「しかし、星を蛍光塗料代わりに使うなんて贅沢な真似をするな……」
百年前に消えた星座の絵を通して、異なる世界に移動する。果たして、百年後の現在(いま)に置かれた絵も同一の物であるのだから仕方がない。 自身も絵画であるからこそ、女は目利きに優れそれを看破する。これには本物の星が埋め込んであると。二束三文で買い叩いたそれが今までどのような来歴を辿って来たかについては割愛する。 問題は、シーツ一枚だけ身に着けた女が似合わぬ労働を強いられていたこと。 そして、今は切り札となる転校生をあの方の手札に加えられた、それで十分だろう。
元より肌に撫でついた水滴と、滲み出た汗の区別が付かないままに彼女をベッドに横たえる。
青空のような色をしたセーラー服を身に纏い、その上から闇の如き外套を引き掛けた。
夜空に似た黒髪、長い長い。永い永い、まるで宇宙のようだ。 「あなたに預けられる月の名は雨月(プリュヴィオーズ)……」 色付きの薄い肌も、呼吸で上下に振れる胸も、どこか生命になりきれない不器用さを感じた。 だから親近感を感じる。
死体を生み出す能力――じゃない。それだけなら最悪の法医学者になりきれたかもしれない。
星々を盗み取る能力――じゃない。それだけなら最悪の天文学者になりきれたかもしれない。 はじまりは美しい物を手元に永遠に置いておきたい、それだけの無邪気な子どもの妄想。 それは――探偵の発想ではなかった。
だから、変わることのない死体が手元に来たし、みんなが手を伸ばす星を掴み取れる。
死んだ星の光なら永遠になると言う理屈で、幾億光年先の星の魂を消し去れる。 真正面から向き合いもしない恒星の限界だ。彼女の目は潰せやしない。 そして、彼女は永遠になるのだろう。魂を見た以上は、美しいと信じているから。
「望めばいい。それを望めば五十億年先はキミのものだ」
閉じた瞼をめくると星の色が見えた。百年前の彼女では絶対に見ることの叶わない星――地球。
「その姓も、星も、性も、あなたを縛る物にはなり得ないさ……」
唯一人、あのお方を除いては……。祝福に続く言葉は心の中に消えた。絵にも魂があるのだろうか? 百年を生きる絵画はそれを知りたいとも思わない。
裸身を晒す女は芽月リュドミラ。
部長不在の秘密結社(カランドリエ)の羅針盤を睨む存在である。 さぁこれからどうしようか? そう思った時、キャニスター付きの電話ボックスが転がってくる。 リンリンと鳴り響くから今はお預けかと、妖精のような肢体に似合わぬ欲望の火をさっと消した。
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……星座が天文部を滅ぼし、天文委員会の設立を学園側に承認させるまで次の夜明けを待たなければならない。百年前から変わらず六十八を保つ星座だが、ここ地上における星座は一人きりなのだから。
彼女を百年後に招き入れたリュドミラは部長の了解を取り付け、その威を借りた交渉によって"大正時代"に高官を送り込んでいる人工探偵たちを動かすことになる。 元々彼女たちカランドリエと人工探偵の縁は深かったのだ、当然と言えるだろう。
これにより星座の一件は砲茉莉家では内々の内に処分された。事を起こした当主は当然ながら、事態を知る者、知っていて見て見ぬふりをしていた者達は尽く押し込められることになる。
……、このカウンターパワーをもってして近代思想と封建的家制度の優劣を比べることは出来ない。
ただ言えることは凡人が八十九番目の星座を家の物にすることに失敗した、それだけのことだ。
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