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スプリング・ハズ・カム・フォー・マイ・フェア・レディ


切り裂きジャックが死んだらしい。
とんだ間抜け野郎だ。
だが、ロンドンの闇がすべて排除されたと思ったら大間違いだ。
まだ俺がいる。
切り裂きジャックの義兄弟、バネ脚ジャック様がな!

(題名のスプリングって、そっちのスプリングなのーっ!?)

なんだ? 時空を超えた突っ込みが飛んできたぞ?
まあいい。
俺は、切り裂くだけしか能がないリッパーの奴とは違う。
両足をバネに変える最強の能力『ドクター・ナカマツ』で、世界を恐怖で染め上げてやる。

(能力名が時空を超えてるんだけどーっ!? ていうか、シェルロッタの能力の完全下位互換で最強とか言ってるーっ!?)

誰だよお前、うるさい幼女だな!
能力ってのは本体性能が伴ってこそ最強なんだよ!
見よ、ロンドン橋を軽々と飛び越えるこの身体能力!

(私は、友達を止めてくれた子の様子を見に来たんだ。ところで、そっち行かない方がいいよ。――もう遅いけど)

「ぐあっ!?」
ロンドン橋の上空で、俺は目に見えない網に絡まれて宙吊りになった。
なんだこれは!?
何が起こっている!?

眼下のロンドン橋には、二人の少女。
銀のマントを身に纏い、赤い花の髪飾りを付けた黒髪の少女が言った。
「――霞絡(ミスティックキャッチャー)。霧の町ロンドンでは全然見えなかったでしょ?」

もう一人のオリエンタルな作業着の少女が、キラキラとした物を放り投げた。
あれは――硝子玉?
硝子玉はシュー、と音を立てながら霧の尾を引いて高速で飛んでくる。
そして、俺の目の前で爆発した!!

「ぎゃあーっ!」
硝子玉の砕けた破片が目に入り、俺の視界は奪われた。
さっきから、何が起きてるのかまったく解らねえ!

(上から来るよ。気をつけて!)

「えっ?」
いや、気を付けろって、何にだよ?
どう気を付ければいいんだよ!?

「スーパー爆ν百貫落としッ! ボンバーッ!!」
上空から降ってきたのは、とてつもない大きさの……おっぱい!!

「グギャボェーッ!!」
とてつもない重さのおっぱいに押し潰され、俺はロンドン橋に叩き付けられた。
俺は……世紀の殺人鬼バネ脚ジャックは……おっぱいに潰されて死ぬのか……。
それは、けして悪い気分ではなかった。

††††


「ふー、一丁あがり! ……この人、死んでないよね?」
と、おっぱいの大きな赤い髪の少女、本葉柔。

「さあ? 天国に行ったような顔してるけど?」
と、椿の髪飾りを付けた銀マントの少女、刻訪結。

「大丈夫。まだ息はあるみたい。あとは警察に引き渡せば事件解決だね」
と、作務衣を着た琥珀色の瞳の少女、飴びいどろ。

三人は、なんかこうスラップスティックな理由で、ロンドンを騒がす殺人鬼を捕まえなければならない立場に追い込まれてたっぽいのだ。

(いや、もうちょっと理由ちゃんと煮詰めてからSS書こうよ!?)
と、ツインテールで半透明な幼女、撫津美弥子。

「ところで、私たちがバネ脚ジャックを捕まえたりして、歴史が変わっちゃわないかな? ちょっと心配」
本葉柔は、超必殺技で乱れた着衣を整え、こぼれかけた大きなおっぱいを包み隠した。

「別にいいんじゃない? 少なくとも、切り裂きジャックの時よりは影響小さそうだし」
バネ脚ジャックを糸で縛って拘束しながら、刻訪結が答えた。

「うん。それに、この人は本物のバネ脚ジャックじゃないんだ。切り裂きジャックに感化されて、自分がバネ脚だと思い込んじゃった別人なの」
この時代に来てから少し時間の経っている飴びいどろは、他の二人よりも事情に詳しい。

「ふーん、それで殺人鬼になっちゃったのか。怖いね」

(いやいや、結さんも比較的怖い殺人鬼寄りのキャラだからね!?)

「思い込みの激しい人もいるもんだねえ」

(自分がボンバー星人だと思い込んでる人にだけは言われたくないと思うよ!?)

その時!
ミシミシ、ドガジャガース!!
おっぱい柔術の破壊力に、ロンドン橋が崩壊した!!

「きゃあああーっ!!」
「うわーっ!?」
「柔ちゃんのおっぱい馬鹿ぁーっ!!」
春とはいえまだ冷たいテムズ川に落下する3人の少女とバネ脚ジャック!

(題名の『マイ・フェア・レディ』って、ロンドン橋の歌詞ーっ!?)

「ボンバーッ!!」
本葉柔が遮光ゴーグルを外して巨大蟹ボンバーνに変身!
オール状の第四歩脚でテムズ川を華麗に泳ぎ、結とびいどろとジャックを救出する!

「ボンバー……(ふふ、ケンちゃんと三度目に戦ったときのことを思い出すな……)」
テムズ川に浸かりながら本葉柔は、大好きな彼との思い出を振り返った。
三度目の対戦は、船ごとケンちゃんを沈めて水中戦に持ち込んで、負けた。
強かったなあ、ケンちゃん。

ケンちゃん。大好きなケンちゃん。
私は、19世紀のロンドンでも元気にやっています。
結ちゃんと、びいどろさんとも、仲良くできてます。
ケンちゃんの声が聴けるから、寂しくなんかありません。
でも、できるだけ早く迎えに来てね。
――愛してるよ、ケンちゃん。

(ちょっと待って!! しんみりとした感じで締めてるけど、大惨事起こしたの柔さんだからね!?)


(本葉柔エピローグ、おしまい)