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希望崎大学生のバイト


ジャーン!

「聞いて下さい。『ウオッチウイッチ』」
「ワン、ツー、ワンツーさんし」

ジャカジャカジャカジャカ

「運命を捻じ曲げる時計の欠片 それが全ての始まりだった
私は時計の魔女と化し 世界を巡るの」

ジャカジャン!

「避けられぬ戦いの運命 望み抱く戦士達
時計の欠片かき集め 願い叶えるのは誰」

ジャーン!

「うん、取りあえずここまでやね。澤君カメラ止めてーや」
「ハイ」

こんにちは、希望崎大学生の澤です。
俺は今、ツマランナー先輩が未完成の新曲を歌ってるとこを撮影するというバイトをしていた。
カメラ構えてるだけで10万貰えるとか、ツマランナー先輩なのにコミックソングじゃないとかもあるが、
俺が一番驚いたのは先輩の見た目だった。

ゴス服も黒パンも履かず、スッポンポンでベース持って歌う先輩の全身は時計盤だらけになっていた。
どうしたんですかと聞くと知り合いにしてもろた特殊メイクやねんという返事。
だが、俺はそれが嘘であるだろうと思っている。歌詞の内容や最近の先輩の言動も合わせて考えると、
おそらく先輩は迷宮時計の所有者だ。

俺が迷宮時計の実物を見るのはこれで二度目になる。
それにしても、梶原さんの腕に書かれたヘタな腕時計と全然違うじゃないか。
あれを見せられた時は大笑いしたなあ。それでその後に金剛くらったんだっけ。

「澤君、どしたん?上手く撮影できへんだん?」
「うわっ!」

迷宮時計の事について考え込んでいる俺の目の前にツマランナー先輩の股間が飛び込んでくる。
ハンドクリームの蓋ぐらいの時計盤が数個埋まっているそこには男性器は見当たらない。

「先輩、近いです!」
「え、ナニ?ワイのここ気になるんや。やーん、澤君のエッチー。見られると身体熱くなってくるわー」

股間周囲の時計盤がドクドクと脈打つと、時計盤の隙間が徐々に広がっていき、
そこから勃起したチンチンが出てきた。

「澤君のせいでこんなになってもうたわー、これは一発ヌカんと収まらへん!」
「せ、先輩、冗談ですよね?まさかバイド代10万ってこれも含めて・・・」
「ゴメンゴメン、冗談に決まっとるやん。ワイはホモやけど澤君はタイプじゃないから」

チンチンを萎ませて時計盤の隙間に押し込むと先輩は万札の入った封筒を俺に手渡す。

「そんじゃこれ約束の10万」
「でも本当にいいんですか?こんなに貰って」
「ええの!ワイな、急に今のワイを記録として残しておきたくなったんや。
前にも言ったけど、ワイが信じられるのは澤君ぐらいしかおらんかったから。
そんじゃあこれから色々ドタバタするから暫く会えへん思うけど、一段落したら
焼肉でも食べに行こ?」
「梶原さんも誘っていいですか?」
「そやな!梶ちゃんと三人で行こか!」
「梶ちゃんって、その呼び方だと別の漫画キャラになりますよ」
「え?でも梶ちゃんこないだギャラクティカ孫六使えるって言ってたで!
梶ちゃんのペンネームって嘘喰いからやろ?」

梶原さんの名前を出した時の先輩の反応で俺は確信した。
ツマランナー先輩は梶原さんが迷宮時計の所有者だと知らない。
いずれ戦うであろう相手の名前を出されてあんな笑顔でいられるわけがない。

ツマランナー先輩は嘘とか隠し事とかすげー苦手なんだ。
迷宮時計を特殊メイクと言った時も目が泳いでいたし、俺に迷宮時計の知識が無くても
何かおかしいと気づけただろう。
でも、梶原さんの事についてはおかしな反応は無かった。そういう事だ。

自宅に戻った俺は梶原さんのスマホに電話する。

「おう澤、お前の用意してくれたモノ中々役に立ったぞ。で、今日はなんだ?作戦会議はまだ先のはずだが」
「迷宮時計所有者が一人見つかりました。梶原さんも良く知ってる人です」

To be continued.