無題(幕間スレ156)


それは宇宙を彷徨っていた。
それは怒りに燃えていた。
どこに宇宙ババアステーションがあるというのだ。
怒りだった。
ただそれだけだった。

最初は小さな怒りだった。
その怒りはババアの怒りだった。
ババアの怒りは怒りを呼ぶ。
宇宙空間で生き残ったババァ達は時間をかけて集まっていった。

其れはロケットの欠片である。
其れは宇宙を漂うゴミである。
其れは宇宙に生きる生命体である。
其れは死んだババアの肉体である。

ババアの怒りは其れを寄せ集めババアの大地を創った。
大地には植物が芽吹き、生命が育まれた。
地を走る獣、空を翔ぶ鳥、川を泳ぐ魚、海深くに棲む海獣。
そして人。
其れには漏れなくババアの怒りが染み込んでいる。

その大地の名を北海道という。
彼らはいつの日か地球への帰還を望んでいるのだ。

エゾババアはいつか地球に戻る。

最終更新:2014年11月24日 23:17