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アルティメットゴッドモード その3


「ヒューッ!」

ええっと、左手の……なんでしょうソレは……。
あとそのピチピチの服はどういうことですか……。

「やったぁあああああああああああっ!! 神よ、感謝します!!
むさっくるしいオッサンと二人っきりで、気が狂うかと思ったぜ!
歓迎するぜお嬢さん! やったーーカワイイーーーっ!!」

年上っぽい男の人が大声をあげました。
あ、よかった、こちらは普通の人っぽいです。
机に積んであるちょっと口に出すのも憚られるような姦淫な雑誌が気になりますが、それは見なかったことにしましょう。

「ここ、使っていいから!」

そう言って、男の人は物の仮置き場となっていたであろう机の上のものを、乱暴に床へと落としました。

ドォォーッ!!

次の瞬間、ピチピチの服の方の左手の……形容し難い兵器(あとから「サイコガン」だと教えてもらいました!)が光り、机の上をエネルギー砲が通過していきました。
エネルギー砲がかすめた机の表面は、まるでワックスがけをしたかのようにピカピカになっていました。

「っぶねーな!! 地獄に落とすぞ!」

「よろしく」

普通っぽい男の人の苦情は無視されました。
片目をつむったピチピチの人にそう言われました。
あ、はい、よろしくお願いします。

こほん、と普通っぽい男の人が咳払いをして言いました。

「見ての通りこのおっさんは荒事担当。俺は心霊担当だ!」

……心霊というと、お化けさんや妖怪さんをどうこうするのでしょうか。

「おう、そうそう。実家が寺だったんでね。
そういうのが得意なのさ。」

色欲にまみれているような気がしますが……あまつさえ、さっき「神よ!」とか言ってた気がしますが、破戒僧というやつなのでしょうか。

ビーッ! ビーッ!

アラートが鳴り、部屋の中央に三次元的映像が流れました。
映し出された映像は……どこかの山の集落でしょうか。
山が燃えています。バチバチと音を立てて木が倒れていきます。
全長80mほどの怪獣が、怪光線を吐き、村を、逃げ惑う人々を焼いています。

「うげぇえ! これはちょっとしんどそうだな……」

「おっさんいけるか?」という言葉を受けて、ピチピチの人が諸手をあげて、大仰に首を振りました。

「とはいえ、やらないわけにはいかないし……」

そう言って、普通っぽい男の人は足元に落ちていた袈裟を着はじめました。
ピチピチの人も、トランクを開け、サイコガンの調整をはじめました。

――――あの。

「ああ、大丈夫。配属早々あんな化物とやらせたりしないよ。
お嬢さんは俺たちの最高にカッコいい姿をここで見てな!」

いえ、そうじゃなくて。
もしお困りなら、

――――私が行ってきましょうか?

「ヒューッ!」

「……ぷっ、あっはは!
仕事はじめで張り切るのはわかるけど、無理すんなよ」

ちょっとだけ、ムッとしました。
顔に出ていなかったなら良いのですが。

無理なんてしていません。
「前に」、もっと大きな怪獣と戦ったことがあります。
宇宙から飛来してくるそれらは天文学的数でした。
確か、その時一緒に戦った科学者さんの話では、30億匹くらいだったと思います。
その時は地球から見える宙(そら)の8割が、怪獣によって黒く染められていました。
巨大質量を持ち光速の99.99%で飛来するそれらが、一匹でも地球に到達すると負け(滅亡)という厳しい戦いでした。

そんな戦闘経験が私にはあります。
だから、たぶんこれくらいなら……。

……あれ、私、何か変なこと言いましたか?

「ははっ、いや。頼もしい新人が来たもんだ!
お嬢さん、……いや、アンタ。 『前』は何してたんだ?」

私ですか?
私は、…… 元(もと)・ ――――