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ああ日本再生党


「97、98、99、100と。これで全部ダスな。はー、暑い暑い」

自室で飯田カオルは無数の札束を数えていた。
一万円の束を一枚ずつ確認し百万円ごとに束にし、それを百束まとめたものを
アタッシュケースに詰めていく。一枚一枚はペラペラの紙でも数億円分を
自分一人で数えて収納していく作業は地味にきつい。カオルはヅラをずらし
ゴムスーツ頭部の空気穴にウチワで風を送りながら作業を続けていた。

一億円入りのアタッシュケースが四つ並んだちょうどその時、ドアがノックされる。

「うわっ、やばいオカマッ」

慌ててヅラを被り直した直後カオルのよく知る男がノックの返事を待たず飛び込んできた。

「カーオールちゃ~ん、僕だよ」
「だ、代表!勝手にワス、じゃなくって私の部屋に入ってこないでください」
「いやーごめんごめん。だって僕スマホもガラケーも使えないからさあ」

この軽い感じの中年男はカオルの所属する日本再生党の代表、葦出纏(あしでまとい)。
日本の技術の発展速度に弱者が振り回される現状を危惧し、国民の足並みを揃える為
国のあり方を見つめ直す為に党を結成したと言えば聞こえがよいが、その実態は
近年のハイテクに全くついていけず新技術とそれを有効に使える奴らを逆恨みしているオッサンである。

「最近は公衆電話もどんどん減るし、ポケベルなんて誰も持ってないしさあ、
でも特に用はないけどカオルちゃんの顔が見たくて連絡なしにきちゃった訳だよ」
「せめてノックして返事を待ってから入って下さい」
「ごめんごめーんメンゴー。なんか忙しい時に来ちゃったみたいだねえ。
大丈夫?いつもにもまして顔に生気ないよ。まあ、作り物めいた美貌がカオルちゃんの持ち味だけど」

葦出の言葉を受けカオルはハッとして顔に手を当てて確認すると、ゴムスーツがわずかにずれていて
顔のパーツが全体的に垂れさがっていた。

「あ、あんまり見ないでくださっ、いやーん!」

ズテーン!カオルはM時字開脚で倒れる。葦出は思わず股間を凝視!
もちろんこれはわざと転倒してパンツを見せたのであり、視線を顔から外した隙に
ヅラの中に手を入れてゴムスーツを正しい位置まで引っ張る。危機一髪!

「はぁ~眼福眼福、大丈夫かーいカオルちゃ~ん、うわー僕も足がすべったー」

棒読みで股間にダイブする葦出。無論わざとだ。そもそも彼がカオルを党に入れたのは
互いの思想が似通っていた事よりも、その美貌とスキの多さとセクハラを受け入れてくれる点に重きがある。
そしてカオルもまた、葦出のそんな性格を利用して彼に取り入っていた。

「これはラッキースケベだから無罪なんだ!これはラッキースケベだから無罪なんだ!」
「んん・・・代表、やめてください」
「ラッキー無罪!ラッキー無罪!」

下着の中央で顔面をローリングさせながら葦出は突起物を舐め回す。
それはゴムスーツの穴から飛び出した亀頭の先端なのだが、そんな事には気づかず
大き目の女子のアレと思い込み舐め回す。

「あっ・・・だ、だめぇー!!!!」

カオルの股間から粘性の高い液体がビュルビュルと吹き出すとようやく葦出は顔を上げセクハラを終了した。

「んー、デリシャス!カオルちゃんの潮吹きはいつ見ても凄いねえ。男の射精並だ」
「代表~!用事がないならもう帰ってください!」
「いや、この部屋を見て用事が出来た。カオルちゃん、このマネーどしたのさ?」

一億円入りのアタッシュケース四つのことにようやく気付いた葦出はカオルにその用途を問いただす。
額が額なので普段はバラエティ番組の高田純次並みにアホ面をしている葦出も流石に真顔だ。
二時間ドラマで役者している時のじゅんじいフェイスだ。

「私の給料と貯金と代表から借りたお金と銀行からの融資の合計四億です」
「いやー、その答えはちょっと聞きたいのと違うね。使い道だよ」
「何って、これから先の時計所有者との戦いに持っていくんですよ。
タダで平衡世界に残ってって頼んでもまず上手く行かないですからね。
一試合一億として四試合分あれば多分足りますよ」
「だったら、こないだの生放送と時にそれ言いなよー。帰れる保証のない場所に置き去りの代わりに
私の政治力で集めたお金あげちゃうって言えばもっと賛同者もいたと思うよ」

カオルは駄目だこのオッサンという表情をゴムスーツの上から作ってやれやれと立ち上がる。
股間からはパンティに染み込んでいた精液と唾液が垂れ落ちていた。

「あの場でお金あげると言ってしまったら時計の持ち主がこの世界で危険に晒されるじゃないですか」
「ああ、そっかー!ごめん、マジ気づかなかった」
「それに、こういうのは閉鎖された戦闘空間でいきなり現ナマを
ポンと出すから効果的なんです」
「そういうもんなの?」
「代表、あなたよくそれで少規模政党とはいえ代表やっていけてますよね」
「それは僕以外の親族がみんな優秀だからさ。僕は一番出来が悪いから政治家になれたんだよ、エッヘン」
「あーそーですか。それともう一つ。これが一番重要な問題なんですが、国民を苦しめる労働を減らそうなんて
綺麗ごとを言っている私が公共の場で『金あげるから危険な場所に残れ』なんて言えますか?」

葦出はようやく納得した顔つきになる。いつものコメディ映画の時のエディー・マフィー級のアホ面だ。

「確かに!政治家としては『迷宮時計の不思議な力を信じて待ってて』と言う他ないねえ」
「わかってもらえましたか。それじゃあ他にも準備がありますので、そろそろ」
「うん、カオルちゃんが無事に最初の戦いから戻ってきたらまた会おう。そいじゃ~バハハーい」

スキップしながら帰宅する葦出は脳内でカオルの股間を舐め回してした時の事を反芻していた。

「カオルちゃんの股間から飛び出した潮、あれってどう考えても精液なんだよなあ。
昔、興味本位で自分が射精した時のを舐めたけど味が同じだ。ウチのかみさんのアソコから出るのは
全然違う味だし。それに股間の感触もウチのかみさんと違って柔らかいし全体的にふっくらしている上に
顔を押し付け続けているとそのうち股間全体が元以上にモリマンっぽくなって心臓みたいに
ドクドクしてるんだよなあ。うーん、謎だ」

何度もカオルの股間をパンティ越しに舐め回して感じていた違和感を整理して推理する。
数秒後、葦出の頭の上に電球がペカーと光った。

「そうか、カオルちゃんは地位を得る為に僕以外の男とも色々やってるんだ。
それこそ、常時いじられすぎてアソコが腫れ上がったり中出しされた精液が後から垂れてくるぐらいに!
謎は全てとけた!つまり僕が飲んだのは他の男の精液なわけでぐえええええええー!!!」

これが、こんなのが飯田カオルが属する日本再生党の代表葦出纏だ!
でも国民を代表して意見を言うのが政治家の仕事なのだから彼の様な
声のデカイ無能も議会には必要なのかもしれない。決して権力を与えてはいけないタイプではあるが。

「・・・にしても、カオルちゃんが優勝して迷宮時計が手に入れば上手くすれば
僕が総理って展開もあるかぁ~?たはー参ったなあ。今年一年を漢字一文字で言うと何とか聞かれちゃうのかなあ。
今年を漢字一文字ですか・・・『働きたくない』ですねキリッ。なんちって、なんちゃってー!」

誰も彼が総理だなんて期待してないのに、妄想逞しい男だった。