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*■本葉柔・真ケン勝負!■ #divid(ss_area){{{  迷宮時計を握り締める手に、力がこもる。 真剣勝負――絶対に負けられない。 勝って、私は、大好きなあの人のことを手に入れる。 本葉柔の大きなおっぱいの中には、おっぱいよりも大きな想いが詰まっていた。 「ピ」「ピ」「ピピ」「ピ」 慎重に、迷宮時計へ数字を入力していく。 何度もやってたことがある操作なのに、今日は緊張感が半端じゃない。 手のひらにじっとりと汗がにじんでいる。 大きなおっぱいの奥で、心臓がバクバク爆音を響かせていて爆発しそう。 これは、時間との戦いだ。 必ず勝つ。 祈りを込めて、迷宮時計のSTARTボタンを押す! 「ピピピピッ! お料理はじまりーっ!」 陽気な電子音声で、迷宮時計が宣言する。 あらかじめ分量をはかっておいたデュラムセモリナを、沸騰した鍋に投入。 パスタは茹で時間が命……! 今日この日、私は最高のアルデンテを決めて見せる! そしてそして、私は大好きなあいつと……! 本葉柔の持つ迷宮時計は、料理好きな彼女の特質を反映したのかキッチンタイマー型である。 2年前、柔は時計の所有者となったが、その後とくに対戦カードは組まれなかった。 迷宮時計の都市伝説なんて、やっぱり嘘だったのかな、と最近は思いはじめた。 万が一の事態に備えて特訓は欠かさないけど、今はそんなことより恋のが大事! 私は、今日、告白するのだ。 「ピピピピピピピピピピ。お料理、できあがりだよー!」 迷宮時計が茹で上がり時間をコールする。 プルルルルル。 同時に来客を知らせるインターホンの音。 あわわわわ、ど、ど、どうする!? どっちが先!? えええーいっ、アルデンテーッ! 素早く鍋をひっくり返して流しのザルにパスタを上げる! 流しがベゴンと音を立てる! ザルを二度振ってお湯を切り、インターホンを取る。 手が滑って受話器が床に落ちる。あわてて拾う。 「も、もしもし、ほ、ほ、本葉です!」 いよいよ勝負! パパとママが出掛けてる今日が、最大のチャンスだから! 万が一の事態に備えて、下着だって完璧だし! †††† 結局、告白はできなかった。 精魂込めて作った必殺のペペロンチーノは、過去最高にアルデンテで、とても美味しいって言ってもらえた。 問題は、迷宮時計だった。 学校のことを話したり、先輩がいかに強くて格好いいか熱弁したり、楽しい食事だった。 体の大きな彼は、四皿も食べてくれた。 大食いだけど、それでいて太らないのが不思議。 食べれば食べるほど、おっぱいに無駄な肉がつく私とは大違い。 そして、私と彼が初めて出会ったあの日の思い出ばなし。 そんな話、しなきゃ良かった。 あの日、私は迷宮時計の所有者となった。 その事を話した途端に、彼の表情が変わった。 それからは、迷宮時計の話ばっかり。 どうして先輩がそんなに迷宮時計に興味があるのか、私にはわからなかった。 そして……、最後まで……私は……、先輩に……想いを……伝えることは……できな……かっ……た…… ■END■ [[このページのトップに戻る>#atwiki-jp-bg2]]|&spanclass(backlink){[[トップページに戻る>http://www49.atwiki.jp/dangerousss4/]]}}}} #javascript(){{ <!-- $(document).ready(function(){ $("#contents").css("width","900px"); $("#menubar").css("display","none"); $(".backlink a").text("前のページに戻る"); $(".backlink").click(function(e){ e.preventDefault(); history.back(); }); }); // --> }}
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