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#divid(ss_area){{{  「私は……あなたを助けたい これが最後です。どうか、改心して下さい あなたはまだやりなおせます」 町はずれの廃ビルで、年少の魔法使いはそう告げた。 夜は深く、静寂が「二人」を包む。 「“竜影”を制した腕前は認めよう」 そう言った男、学生服に蝙蝠の翼を思わせる黒きマントを纏った男は「だが驕(おご)るな」と続けた。 「姿無きところに影は無し」 メキメキと音を立て男の姿が変容する。 体積が増え、傷が癒え、背からは黒き翼が生える。 “ヴァルキリー・キュア・バースト・スプレッド” 男の変化による硬直を見逃さず、不可視の散弾が撃ち込まれる。 その体生物特攻を持つ弾を“竜鱗”がかき消す。 男はその姿を竜とした。 幻想生物である竜は魔法に対する抗力を持つ。 “ヴァルキリー・キュア・バースト・サジタリウス” 魔力で強化した脚を用い全速で距離を取りつつ、残った魔力で貫通力重視の射撃行動。 高威力極小魔弾の5連射。 竜は翼を斜めにし、これを受け流す。 高速・不可視の弾を感知できたのは幻想第六感によるものか、あるいは位相のずれた世界を見ることのできる幻想の眼(まなこ)によるものか。 咆哮、そして竜息(ブレス)。 年少の魔法使いはこれを魔力応用で回避。 そうして竜息(ブレス)は、魔法使いの背後に位置していた町の端を焦がした。 地上に落ちた星のようにチラチラと控えめに町を照らしていた文明の明かりは、原初の赤き明かりに塗り染められる。 直径数キロの火柱。 大勢の人が死んだのだろう。 明日への英気を養うべく眠りについていた善良な人々が――――― 労働に、勉学に、あるいは趣味に打ち込むべく、力を蓄えていた善良な人々が――――― 輝かしい未来(あした)が約束されていた、善良な人々が――――― ――――死んだ。 【ガチリ】 魔法使いのモードが切り替わる。 浄化の魔法少女から、滅殺の魔女へと。 “■■■・エフォート・■■■■■■■■■■■■■■モード” 「エフォート・モア」 魔女は残忍刑を言い渡す地獄の審判者のように重苦しく低い声で、必滅の呪文を唱えた。 ◇ ――――これは、年少の魔法少女が相対してきた数多の“世界の敵”の一人に関する記憶。 ――――最強格の“世界の敵”であった、“ブラックドラゴンつよし”に関する記憶。 [[このページのトップに戻る>#atwiki-jp-bg2]]|&spanclass(backlink){[[トップページに戻る>http://www49.atwiki.jp/dangerousss4/]]}}}} #javascript(){{ <!-- $(document).ready(function(){ $("#contents").css("width","900px"); $("#menubar").css("display","none"); $(".backlink a").text("前のページに戻る"); $(".backlink").click(function(e){ e.preventDefault(); history.back(); }); }); // --> }}
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