ノイマ舞プロローグ


「はあ・・・はあ・・・」

疲れている訳じゃない。たかがゾンビ二体にこのノイマ先生が息を切らすわけがないのよ。
私は興奮していた。ゾンビに向かってジャンプしながら飛び込むスリルに。
私はパッドを入れた胸を揺らし、ガムテープでチンチンを押さえこんだスカートの中を見せつけながら戦うのが好きな変態なんだ。
家を出て怪異ハンターになったお姉ちゃんもこういうスリルはたまらないものだと言っていたし、
血は争えないものという事だろうか。

「投網用意ー!」

塩水に漬けたBB弾数十発を受け、ゾンビ達がほとんど動けなくなったのを確認した私は生徒達に合図を送る。

バサァ

目の細かい防刃ネットがゾンビに覆いかぶさり決着。
こいつら二体を地下ダンジョンに送り返して本日の部活は終了だ。

キャンプ活動の一連を学ぶ場であるワンゲル部。故に当然の事ながらキャンプ中のモンスター対策も私が教えなければならない。
他校の事は知らないがここ希望崎ではダンジョン地下一階や地下二階のモンスターが外に湧き出してくる。
最初は「何でキャンプのたびに怪物がでるんですかー!」と泣き叫ぶばかりだった一年生を叱りつけるのが私の仕事だった。

キャンプをすればモンスターが集まる。マイムマイムの音楽に合わせて殺人鬼は忍び寄り、飯盒カレーの臭いにゾンビがつられる。
そういうものなのだと理解させ、私自身が最前線に立ち対策を教える。
最近では彼らも捕獲役限定だが役に立つ様になってきた。

学園からすぐ近くのアパートに帰宅後、私は今日の部活動を思い出しながら服を脱ぎ下着姿で鏡の前に立つ。

「ハアハア、汗だくのスタイリッシュな女が鏡の前に・・・、
でもブラの中はパッドでパンツを脱いでガムテープを剥がすとチンチンのあるオカマがその正体」

鏡を見ながら私は偽乳を揉みパンティの上から股間をいじる。
胸や股間を覗こうとする生徒の視線を思い出しながら、するオナニー。
この為だけに部活の顧問やってると言ってもいい!

リリーン!

だがガムテープを剥がして直接チンチンをいじろうとしたその時電話が鳴り泣く泣くオナニーは寸止め。
電話相手は生徒会だった。緊急事態で戦力が欲しい、詳しくは後で話すとの事。
これはアレですか、モンスターが湧いた系のアレですね。
それもダンジョン地下二階あたりとは比較にならないアレが!

「よっしゃあ!!」

教員用通勤路をチャリでかっとばし、三分で希望崎の敷地内に舞い戻る。
私が入ると同時に職員公舎の裏門はガッチリとロックされる。
待っていた生徒会役員表情を見るに状況はよくない様だ。

「どうしたの?」

スリルを楽しみチンチンを固くしながら、私は怪物に詳しい真面目な女教師を演じる。

「実は・・・」

この時私はまだこの事件の本当の恐ろしさを知らなかった。
最終更新:2014年08月02日 15:44