第一部隊 戦闘前ss


午後11時55分
希望崎学園、生徒会室。校舎の外が星一つ無い完全な闇に包まれている時。生徒会長の須能・ジョン・雪成の前には緊急で作り出された緑化防止委員会の3人が横一列に並び、自己紹介及び、作戦会議が行われていた。緑化防止委員、彼らは雪成が道明寺羅門の陰謀を知り、対策を取ろうとした時、学園内に無事に残っていた魔人達である。
「えーと……名前が覚えられない。じゃあユキなんとかさんはユキさん、レプなんとか君はレッ君って呼んでいい?私のことはモリでいいよ。」
「甘葛(あまずら)君、君が名前を覚えるだけで既に10分が経過してるぞ。」
「すみません会長。眠さと空腹で頭がボーッとして。」
「しょうがないですよ会長。僕も眠くて頭が上手く働かないですし。ね?モレさん?」
「弁護ありがとう。そうだね、リッ君」
「(二人とも既に間違えてる…あたしがしっかりしなきゃ。)」←逝谷しおり
「集合してから10分ちょっと経っているのに、まだ名前しか発表出来ていない。簡単にそれぞれの人物紹介をすると、そこの小男は極道、男装女は彫り師、病人は生徒会の最後の切り札であり、使う度に全米が泣く程の制約のある能力を持った余命一ヶ月だ。」
「極道!?ラッ君様、先程は舐めた口をきいてすみやせんでした!ケジメだけは、ケジメだけは勘弁してつかぁさい!上の人にも言わないで下さい!」
「言いませんよ。メロさん、無理しなくていいですから。 極道って言っても僕なんて下っ端ですし。ここでは後輩なんですから。」
「会長、急ぎ過ぎていて訳が分かりません。会長から事前に聞いた彼らの情報とあたし自身の情報を簡単に説明します。」
「ム…助かった。流石だ逝谷君。」
「ロッ君、それじゃあお詫びに立派なもんもん入れたげる。ほら背中見せてー。」
「気持ちだけで十分ですよ。あんまり派手にやると兄貴達にドヤされますから。」
「二人とも静かに!あたしが分かりやすく三人の情報を説明するから黙って聞きなさい。さもないと生徒会室で死体がでるよ、あたしのがね。あんまりストレス貯めさせないよーに。」
( (洒落になってねえよ…))

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「会長が言ってたしおりさんの能力説明はそれほど間違えて無かったね、ミロさん。」
「レプラコーン君、あたしの名前は間違えないんだ。」
「ギリギリひらがなは読めたんで。」
「(私の名前のカタカナは読めなかったのか…)」
こうして戦いの幕は開かれたのだった。