カビ対策



1・心構え&知識

これをまず心に留めておく。時には諦めも肝心。

カビはアレルギーや病気の原因にもなる

 即ガンに、とはいわないけどタチの悪い肺炎にはなりやすいらしい。
 あとアレルギー体質でもないのに起こってる鼻炎なんかは、
 片付いた部屋で生活すればほぼ改善されるそう。駆除しておくに越した事はない。

壁紙の裏側にも生えている

 壁紙にカビが生えているのを目で確認できるぐらいカビが繁殖している場合、
 壁紙の裏側にも生えていると思った方がいい。
 しかも、完全にカビの染みをとる事は殆ど出来ない。

壁紙の下や、木の内部に発生しているケースが多い

 この場合、家庭用カビ取り剤では対処は困難。専門家に駆除を依頼することになる。
 広い範囲でカビが出てしまった場合、壁紙の場合は張替えが必要になる。
 しかし、壁紙の下地にカビは確実に残っているので、高い確率で再発の可能性有り。
 予防には張り替える前の下地の殺菌が必須となる。
 いずれにしてもキチンとしたリフォームが必要になる。

根本的な問題は断熱というパターン

 壁の断熱処理が不十分だと結露が発生する。
 結露が発生すると窓の周辺がカビたり、室内の湿度が上がったりしてカビの繁殖する足がかりになってしまう。
 最悪の場合、壁そのものが結露してカビはじめるという事もある。
 これまたリフォームするしか対策はない。

防カビ剤入り壁紙を過信しない

 防カビ壁紙は壁紙に防カビ剤が添加されているからカビが絶対に出ないということではなく、
 出現を遅らせる効果があると考えた方が良い。
 生える時はワサワサと容赦なく生える。しかも防カビ剤の効果は2~3年で切れてしまう。
 恐ろしい事に特定の防カビ剤に対する抵抗力を持ったカビも出現しはじめたらしい。

壁紙の継ぎ目に出てくる黒い点は殆どカビ

 「ウチにはカビなんか生えてないわ」と思っても見回してみるとあちこちに兆候が現れていたりする。
 気をつけよう(´・ω・`)


2・用意するもの

最低でも(1)~(4)は用意する。

(1)カビ取り剤(以下のいずれか)
   ・塩素系カビ取り剤(カビキラーなど、もっとも入手しやすいカビ取り剤)
   ・乳酸系カビ取り剤(推奨)
   ・消毒用エタノール、消毒用アルコール
   ・キッチン用のアルコール、ハイターを水で薄めたもの
   ・洗濯用漂白剤(塩素系カビ取り剤と同様の使い方)
   ・酢

   注意:洗剤には塩素系と酸素系があり、混ぜると有毒ガスが発生して危険。
   頻繁に洗剤を変えるのは止める事。

(2)雑巾
   使い捨てるつもりで。キッチンペーパーやウェスでも良い。
   スポンジだと雑巾と比べてデコボコの壁紙でも効果有り。

(3)ゴム手袋(できれば丈夫なもの)

(4)マスク(立体のものなど)
   カビの胞子が入らないほど、目の詰まった奴があると良い。
   塩素系カビ取り剤を使う場合は必須。

(5)歯ブラシ
   デコボコした壁紙の場合、雑巾だけではなかなか細かいところのカビが落ちない。
   そういう時はカビ取り剤をつけて、歯ブラシで擦ると結構きれいに落ちる。
   →その後、雑巾でふき取る。使い終わったら捨てる。

(6)防カビ剤
   ・防カビ剤(アピザスというのがお薦めらしい)

   注意:防カビ剤とカビ取り剤は異なる。
   防カビ剤は、カビを取る薬ではなく、カビを発生させない、カビの発育を阻害する予防薬。
   必ず壁を洗浄・殺菌してから使用する。

3・掃除方法

掃除方法 基本


(1)家具を全部リビングなどにだして、窓を開けて換気しつつカビ取り剤と雑巾で壁、床全部を拭く。
   (この際、家具などが残っていると、その裏のカビが取れないので出来る限り全部出す。)
   掃除機をかけるのは厳禁。部屋中にカビの胞子を撒き散らしてしまう。
(2)カビが見えなくなるぐらい取れたら、カビ防止剤を塗る。

塩素系カビ取り剤を使う場合の注意

  • 塩素系カビ取り剤はカビの胞子を殺菌し、さらに漂白作用によってカビを除去する効果がある。
 白いビニール壁紙などに向いている。
  • 尚、布壁紙や京壁、繊維壁などは漂白作用によって色が抜けてしまうので注意が必要。
 塗ってからしばらく放置するのがポイント。
 ※これは塩素がカビを殺菌漂白するために必要な時間。
 カビは根を持っているため、しっかりと壁の奥まで殺菌しないと意味がない。
 カビの根(菌糸)を殺菌するには、ある程度の時間が必要。すぐ擦ってしまうと却ってカビは落ちない。
 ※アルカリ性が強い強力な薬剤なので、必ず換気を良くして作業する事。
 広い面積でカビが出ている場合、いっぺんに塩素系カビ取り剤を塗布すると大量の塩素ガスが発生して危険。
  • 塩素系カビ取り剤はある程度に分けて行った方が良い。
  • 最後には必ず水拭きか水洗いが必要。

乳酸系カビ取り剤を使う場合の注意

  • 乳酸系カビ取り剤は除菌、抗菌作用がありながらニオイもなく、弱酸性で手についても安全。
 塗ってからしばらく放置して、カビを擦り落とす。
 殺菌されたカビは、こするとかなり落とすことができる。
  • 漂白作用は無いので安心して使える。ただし、こすれない場所には不向き。
  • 尚、乳酸や界面活性剤の働きで、お風呂用洗剤としても使用可。

消毒用エタノール、消毒用アルコールを使う場合の注意

  • 殺菌作用があるのでカビを殺菌できる。
 だが、漂白作用も界面活性効果も無いのでカビ自体は消えない。
  • カビがなかなか落ちない場合や、カビ取り剤が流れやすい縦の面では、
 カビ取り剤を塗った後、ティッシュペーパーやキッチンペーパーでパックしてやるのが効果的。
 だいたい一晩ほど貼り付けておくと効果的。
 (注)この際、素材によっては痛む場合もあるので注意。
  • 塩素系カビ取り剤はスプレータイプなど便利な物が多いが、
 天井などに顔より高い所に塗る場合は、顔にかからないように柄の付いたスポンジなどにカビ取り剤を付けたような物で塗る。
  • 隅や目地などはミニコテハケなど小形の筆、刷毛などで塗ると良い。
  • カビを除去した後、綺麗な布でから拭き。その後、ドライヤーや扇風機で乾燥させるとより効果がある。

4・維持

換気が肝心


(1)家具は風通しの良い所に移動するか、壁から十分な隙間を作って設置する。
   換気扇はなるべく回しっぱなしが理想的。
(2)窓からの風や扇風機などで空気の澱みを無くす。
   押入れやタンスの裏側等、湿気の溜まりやすい所には特に効果的。
   ※換気の際、窓は換気扇から遠い所を15cmほど開けるのがベスト。勢いよく空気が入ってくる。
(3)換気扇がない場合は、15cm開ける窓とは別に、空気の出口として全開にした窓を用意する。
   窓がひとつしかない場合は、左右に隙間ができるように開けておくと良い。
   (換気に窓を使う場合、窓を開けたままロックできる金具も売っているので取り付けておくと防犯対策に)

結露の防止・湿気対策

(1)結露を少しでも少なくするには第一に湿度を上げないこと。
   冬は乾燥していると思いがちだが、結露しているのは湿度が高いから。
   (温度が高いと空気中の水蒸気の量が増えるため)

   洗濯物の室内干しや水槽などに水を貼っておくのは避ける。
   ガスストーブ、灯油ストーブは燃焼時に大量の水蒸気を出すので避ける。
   室内の温度を上げすぎないようにする。

(2)押し入れなどはリフォーム業者に頼んで断熱ボードを壁面に貼って貰うのも手。
   窓の結露には雨戸を閉める、天井から床までの厚手カーテンを吊る(2重に吊るとさらによい)、
   窓ガラスに断熱シートを貼る、水滴吸い取りテープをサッシや窓ガラスに貼り付けるなどの対策がある。

カビを知ろう

カビの生える条件

(1)湿度60%以上あること。80%以上だとカビ天国。
   部屋の中心では湿度25%の家でも部屋の端は85%以上であることはザラ。
(2)5℃~45℃の気温。ほとんどのカビは27℃近辺でどんどん繁殖する。
(3)栄養があること。
   人間の手あかや建築材、壁紙の糊、空気中からも栄養補給する。
   これを遮断するのは困難なため、まめに掃除を。
(4)カビは、色が濃いほど人体に悪影響を及ぼす可能性が高い傾向にある。黒いカビは要チェック。
最終更新:2016年05月29日 10:21