LTE

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真空ではない何らかの媒質中を光が進むとき,一部の光は媒質に吸収され,放射輝度Lは距離に応じて減衰する.

\mathrm{d}L(x, \vec{\omega}) = -\sigma_\mathrm{a}(x) L(x, \vec{\omega}) \mathrm{d}s

ここに,x: 媒質中の一点,\vec{\omega}: 光の進行方向.

この\sigma_\mathrm{a}は媒質の吸収断面積と呼ばれ,光が単位長さ進む間にどれだけ吸収されるかを表している.吸収断面積は面積の次元を持ち,概念的には媒質中の粒子が光を遮ったときにできる影の面積であると考えられる.

吸収と反対に媒質が光を放射する場合もある.

\mathrm{d}L(x, \vec{\omega}) = \sigma_\mathrm{a}(x) L_\mathrm{e}(x, \vec{\omega}) \mathrm{d}s

光は媒質に吸収されるだけでなく,散乱されて向きを変えることもある.もとの進行方向から散乱によって光が脱落していく現象をアウトスキャッタリングと呼び,吸収の場合とよく似た方程式で記述される.

\mathrm{d}L(x, \vec{\omega}) = -\sigma_\mathrm{s}(x) L(x, \vec{\omega}) \mathrm{d}s

ここに,\sigma_\mathrm{s}: 媒質の散乱断面積.

光の減衰が吸収によるものかアウトスキャッタリングによるものかを区別しない場合には,消散断面積\sigma_\mathrm{t} = \sigma_\mathrm{a} + \sigma_\mathrm{s}を用いる場合もある.

アウトスキャッタリングと反対に,周囲から伝達してきた光が,散乱されて\vec{\omega}方向の合流する現象をインスキャッタリングと呼ぶ.インスキャッタリングは,あらゆる方向から来る光のうち\vec{\omega}方向に散乱されるものを全て足し合わせたものである.

\mathrm{d}L(x, \vec{\omega}) = \sigma_\mathrm{s}(x) \int_{\Omega_{4 \pi}} p(x, \vec{\omega^\prime}, \vec{\omega}) L(x, \vec{\omega^\prime}) \mathrm{d}\vec{\omega^\prime} \mathrm{d}s

ここで,pは位相関数(Phase function)とよばれ,\vec{\omega}方向から入射した光が,\vec{\omega^\prime}方向に散乱される確率を表す確率密度関数で,レンダリング方程式のBRDFに相当するものである.

LTE

放射,インスキャッタリング,吸収,アウトスキャッタリングの4つの効果を足し合わせれば,光が媒質中を単位長さ進むときの光の増減を表す方程式,光輸送方程式(LTE, Light Transport Equation)となる.

\mathrm{d}L(x, \vec{\omega}) = \sigma_\mathrm{a}(x) L_\mathrm{e}(x, \vec{\omega}) \mathrm{d}s + \sigma_\mathrm{s}(x) \int_{\Omega_{4 \pi}} p(x, \vec{\omega^\prime}, \vec{\omega}) L(x, \vec{\omega^\prime}) \mathrm{d}\vec{\omega^\prime} \mathrm{d}s - \sigma_\mathrm{t}(x) L_\mathrm{e}(x, \vec{\omega}) \mathrm{d}s


参考文献

  1. 倉地紀子.CG Magic:レンダリング.オーム社,2007,pp46-66.