何が問題なのか?

ここでは『魔王兵長と花売りエレン』騒動が問題視されている理由を説明したい。

二次創作同人誌の作成・販売は「個人」が「個人のお金」で行うからこそ、版元から「個人のファン活動」として黙認されている。
(※あくまで「黙認」。正式に認められているわけではない。版元は好意で目をつぶっているにすぎない)

一方、あまね氏の作成・販売した同人誌は図書印刷という大手一般印刷会社で刷られている。
この企業は本来法人向けの印刷会社であり、個人からの依頼は受けていない。
ここで「図書印刷を使っているということは、本の出版に企業が絡んでいるのでは?」という疑問が持ち上がる。

もし企業が絡んでいるのであれば、「個人のファン活動」から大きく逸脱し、あまつさえ、あまね氏とその企業が『進撃の巨人』を利用して金儲けをしていることになる。
これは版元が黙っていることのできない深刻な著作権侵害問題である。

あまね氏はTwitterで頻繁に「まんだらけ様のおかげで~」とツイートしている。
その上、『魔王兵長と花売りエレン』はまんだらけ専売(他の書店には卸さない)である。

以上の二点から必然的に、関わっている企業はまんだらけであると考えられる。
あまね氏は理想の装丁を実現させるには資金が足りないというツイートをしておきながら、
実際にハードカバー・箔押し・本文フルカラーという豪華仕様の本を販売した。
(印刷費はおよそ数百万円単位)。

この頃から、あまね氏にTwitterやaskを通じて疑問を投げかける人物が現われるようになる。
どの質問にも、あまね氏は「自費出版」であると主張。
あまね氏は「フルカラー印刷箔押しで、なおかつ多いページ数でも印刷していただける会社はなかなかありませんでした」と答えている。

だが、ハードカバー・箔押し・本文フルカラーの本を作成できる同人誌専門の印刷所はいくらでも存在する。
利益を度外視するなら、より凝った装丁の同人誌を販売することも可能である。

2014年3月30日、東京で行われた同人誌即売会「自由の狩人」において、あまね氏が『魔王兵長と花売りエレン』を販売。
主催企業のスタジオYOUは「個人出版以外の同人誌の頒布」を禁止しているが、バーコードの有無で個人出版か否かを判断しているため(件の本にバーコードはない)、
『魔王兵長と花売りエレン』は予定通り販売された。


Q.なぜ、まんだらけが絡んだらダメなの?
企業が関与した時点でそれは「個人のファン活動」ではなくただの「金儲け」です。
現在、同人活動はあくまで個人が行っているからこそ、版元が好意で黙認している状態です。
個人の範疇から逸脱した場合、二次創作そのものが禁止になる可能性もあります。
著作権侵害は親告罪ですが、この騒動によって非親告罪になるかもしれません。

Q.イベントで売らなければよかったの?
企業主導で同人誌を作成した時点で見境のない「金儲け」に加担していることになります。
イベントで売らなければ許される問題ではありません。

Q.図書印刷が刷ったからダメなの?
奥付に図書印刷の社名が入っていた事実は疑惑が深まるきっかけにすぎず、図書印刷で同人誌を刷ることが企業関与の問題に必ずしも関係するわけではありません。
例えば、Aさんが図書印刷の社員と個人的に親交があり、企業の紹介などを介さず、無理を承知で同人誌の作成を依頼したとします。
この場合、図書印刷が刷った同人誌ではありますが、Aさんが自分で発注し、印刷費を出したので、 イベントや書店で販売しようとあまね氏のように問題になることはありません。
◆ただし、原作関連本の印刷も行っており、版権元と取引のある一般の大手印刷所に、腐向け二次創作同人誌の発注をかけたことに対する倫理的な問題は残ります。

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最終更新:2014年04月21日 23:06