カルマルカ*サークル 選評

ブランド SAGA PLANETS
ジャンル ハッピー&スマイルADV
メディア DVD-ROM
原画 ほんたにかなえ , とらのすけ , 茉宮祈芹(サブ)
風見春樹(男性キャラ立ち絵) , 有末つかさ(サブ)
ちまろ(サブ) , 都桜和(SD原画)
シナリオ 瀬尾順 , 砥石大樹 , 御厨みくり
モーリー , 律 , 藤井リルケ , 高嶋栄二
音楽 Elements Garden、I’ve Sound
発売日 2013/09/27
定価 9,504円(税込)
CG数

選評  

【2013】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 52本目 http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1381830883/

103
:カルマルカ*サークル 選評:2013/10/18(金) 01:39:47.25 ID:n1zHrOf00
カルマルカ*サークル
メーカー:SAGA PLANETS
発売日:2013年9月27日
価格:9240円(税込)

要点
・無理な設定と説明不足による最初から最後まで意味不明なストーリー
・複数のシナリオライターによる手抜きとコミュニケーション不足による設定や人物描写の矛盾
・TRUEルートにエロシーンが存在しない

 具体的な内容を説明する前にタイトルにもあるカルマルカやその周辺の設定について簡単な解説をしよう。
「カルマルカ*サークル」とは七つの大罪をモチーフとした恋愛アドベンチャーゲームであり、各メインキャラクターには、憤怒、色欲、強欲、暴食、傲慢、
怠惰、嫉妬といった七つの大罪のうちひとつの罪がそれぞれ割り振られる。割り振られた大罪は魔可といい、魔可を持つ人間は能力者とも呼ばれる。能力者
と呼ばれるのは固有の魔可によりその魔可に関連した力が得られるからである。(ただし、魔可の能力の発動は個人の意思とはほとんど関係ないという設定)。
 次にカルマルカというのは、それぞれ異なった大罪を持つ七人の人間が新暦の七夕の夜(別に新暦の七夕ではなくてもいいと思われる)に所定の場所へ集まり
六芒星が描かれた魔法陣の上に立ち手をつないで(別につながなくても良い)輪を作ると魔可の力と引き換えに旧暦の七夕の日にカルマルカと呼ばれるものに
接続(アクセス)できるようになりそしてそのカルマルカに接続した人間は特別な血筋を持つ巫女を生贄にささげることによってカルマルカの扉を開き過去、
現在、未来、すべての時間を自分に都合のいいように改変できるようになる、といった大昔(平安時代くらい?)の日本で発祥し、当時は「刻(とき)の調べ」
と呼ばれていた儀式である。このカルマルカそのものについてはゲーム本編では詳しい内容は前述のもの以外最初から最後までほとんど語られないため簡単な
説明と書いたがこれ以上詳しい説明はできない。(例えで言うと大罪人たちがドラゴンボール、カルマルカは神龍といった感じで、旧暦の七夕の日だけ願い事
が叶えられるという設定と思っていただきたい)

「星渡り同好会」とメインキャラクター

・星渡り同好会(ほしわたりどうこうかい)
 主人公たちが所属することになる組織。「魔可」を持つ生徒しか入会を許されない。扱いは同好会だが学園からは一目置かれており、この同好会に所属する
人間は理事から色々と便宜を図ってもらえる。主な活動は学園の開かずの間で行われるカルマルカに協力することとと七夕祭(学園祭)の出し物を準備する
ことであるが暇なときは大体が他愛もないおしゃべりに興じている。活動場所は会員に生徒会の役員が多いという理由で生徒会室である。
・主人公:御影海人(みかげかいと)
 憤怒の摩可を持つ。能力は魔可の発動時に力が強くなることであり、鉄でできた鎖も引きちぎることができる。(魔可が発動していなくても素手で石を握り
つぶせるほどの握力を持つ)憤怒の魔可を持つことだけあって些細なことで切れて暴力を振るいがちであり、そのせいで周囲に不快な気分にをさせまた自身も
辛い思いをするため魔可との決別を強く望み、カルマルカの儀式に興味を持つようになる。
・メインヒロイン:天ヶ瀬奈月(あまがせなつき)
 嫉妬の魔可を持つ。能力は魔可の発動時に主人公に欲情することである。黒髪ロングヘアーで若干古風な性格であり、星とクラックラと呼ばれる変なキャラ
クターが大好き。主人公とは昔少しだけ遊んだことがある幼馴染である。
・サブヒロイン:朝比奈晴(あさひなしん)
 暴食の魔可を持つ。能力は魔可の発動時に空腹に襲われ食べ過ぎてしまうことである。性格は男嫌いで無断欠席を繰り返し、ピアスを着用するなどと若干不良
よりである。ただし見た目はよく男子には人気でありそのため女子には受けが悪い。母親とは死別しており、父親のいいなりになりたくないと寮を飛び出して
現在バイトを掛け持ちしながらテントで野宿を続けるお洒落なホームレスである。
・サブヒロイン:夏目暦(なつめこよみ)
 怠惰の魔可を持つ。能力は魔可の発動時に突然睡魔に襲われ眠ってしまうことである。先輩だがツインテ貧乳の少し冷たい印象を与える生徒会長。両親とは
物心着く前に死別しており、児童養護施設出身で現在は寮暮らし。成績は全国模試に名前が載るほど優秀。ラーメンと数学が大好きで、ちょと無愛想だが
コスプレ喫茶でのバイトもこなす。

・サブヒロイン:乙音二コル(おとねにこる)
 色欲の魔可を持つ。能力は魔可の発動時にモブの女子を自分に対して発情させることである。日本語が流暢な留学生でちびっ子巨乳の明るく可愛らしい
後輩だが意外と腹黒い一面も持っている。ノコという名前の陸ガメを可愛がっており、学校にまでつれてくる。国籍は不明だが父は日系三世母は日本人の
れっきとしたクォーター。
・サブヒロイン:高坂夕姫羽(こうさかゆきは)
 強欲の魔可を持つ。能力は魔可の発動時に無性に買い物がしたくなり不要なものを大量に買ってしまうことである。メリハリのある体型の美人だが、いい加減
なところもあり、他人に仕事を押し付けることが多いちゃっかりした先輩である。総資産10兆円とも言われる富豪の一族出身であり、父は大手電機会社社長、
二人の兄はそれぞれ刑事と消防士の職を持つ公務員である。
・サブヒロイン:笹倉未来(ささくらみらい)
 傲慢の魔可を持つ。能力は魔可の発動時に他者の記憶を自由に改竄できることである。この魔可は他の魔可とは違い常時発動しているものでこのヒロインは
常時他者の記憶を操ることができる。性格は傲慢というよりかはクールといった方で、率直な物言いで他人を傷つけてしまうことが多い。このヒロインは
前述の特別な血筋の巫女であり、カルマルカについて調査をする主人公たちに否定的な言動を取る。生徒会書紀。彼女のルートは無い。
・サブヒロイン?:曽根原蓮(そねはられん)
 笹倉未来の記憶改竄能力により自分が傲慢の魔可を持つと思い込んでいる男の娘である。そのため魔可による能力は持たない。この事実と笹倉未来の能力、
そして彼女の素性はTRUEルートになるまで明らかにされず、それまで主人公たちは彼を傲慢の魔可所有者だと思い込む。(ちなみに彼は人懐っこく、仲間との和を
何よりも大切にする性格である)設定が設定であるため、共通ルートや個別ルートではちょっとしたホモネタ以外での出番はほとんど無いがTRUEルートではそれ
なりに活躍する。彼のルートはもちろん存在しない。

・主人公の従兄:御影亮一(みかげりょういち)
 主人公の保護者であり担任教師でもある魔可の元保有者。かつての星渡り同好会のメンバー。主人公は彼と二人暮らしをしている。彼の保有していた能力は
不明であるが、彼の受け持つクラスの学園祭の出し物が「休憩所」で生徒が総サボり状態であることと、不登校気味の生徒の対応を主人公にまかせっきりで
あることから彼の魔可は怠惰であると推測できる。主人公との会話は専ら恋バナのさわやかなイケメン。
・従兄の元恋人:川嶋南々美(かわしまななみ)
 主人公行きつけのリサイクルショップの店員。彼女も元魔可保有者であり同好会のメンバーであったがが能力系統は不明。七年前に従兄とともにカルマルカ
の儀式を経験するも失敗し、それに付随した事故により記憶を失う。(従兄はかすり傷で済んだが彼女の記憶喪失により分かれることになる)。見た目は常時
ヘッドホンらしきものを着用している巨乳で、絵柄を変えたスーパーそ○子といった感じである。ただこのヘッドホンのようなものは接客時のCGでも通常会話
時の立ち絵でも外れる気配がなく、音量を下げる描写も無いあたりただのデカい補聴器とも思える。

このストーリーの根幹である「魔可」に関わる「星渡り同好会」とメインキャラクターの紹介は以上である。

お分かりいただけただろうか?
設定が全くをもって意味不明なのだ。
憤怒はまだいいとしても、嫉妬がどうして主人公を好きになる能力なのか、傲慢がどうして他人の記憶を操る能力になるのか、そのあたりの説明は一切なく、
公式ホームページのストーリー紹介でも
奈月「どうして、私は君のことを好きになっているっ?!」
主人公「しっ知らねーよ……!」(原文ママ)
というライターの心象を代弁しているかのようなプライドのかけらも感じられない投げっぷりが目に入る。
他の魔可をよく見てみても、暴食、強欲の能力はただのキャラ設定でしかなく、怠惰は突発性過眠症(しかも本人はいたって勤勉でバイトもそつなくこなして
いる)、色欲にいたっては他者(同姓のモブ限定)の色欲を惹きつけるだけといった訳の分からないことになっている。また、キリスト教の七つの大罪と仏教
用語「カルマ」の回文であるカルマルカが一体の何の関係があるのかも終始説明がなく、ライターが適当に使えそうな設定を適当に引っ張ってきていい加減に
くっつけただけとしか思えないお粗末さも伺える。
このほとんど破綻した電波な設定は大体共通シナリオの序盤(公式のキャラ設定でも一部確認できる)で明らかになり、主人公達が疑問に思う様子殆どなく説明
も最後までないため、スキップ機能を用いずにまともにプレイしようとしたプレイヤーは物語の最初から最後まで常時電子レンジであぶられているかのような
苦痛に襲われることになる。

 公式ホームページや体験版を見る限りこのゲームは精神衛生上細かいことを気にしてはいけない類のゲームと察することができるのだが、それにしても限度と
いうものがあると思われるので選評を書かせていただいた次第である。

【共通シナリオ】
 文体は主人公の一人称(俺)であり、不良っぽい性格や魔可による影響を表現しているのか「ムカつく」や「かったるい」などといった意味の短文が多く見ら
れ、やや稚拙な印象を与える。またこの主人公による独白は殆ど「オレすぐ切れて他人を傷つけるからツラいわー人と関わりたくないわー」といった思春期版
地獄のミサワのようなものである。さらにこの共通ルートで他人に切れる場面といえば、子供(幼稚園児~小学校低学年くらい)を海に突き落としたり、モブの
女子にすごんだり、男の娘に逆上して机を破壊するところぐらいであり、主人公がクズのクの字も勿体ないほどの小物だということがわかる。(個別ルートでは
格上の相手にも切れることもある。全くの無抵抗の人間もいるが・・・)ただ切れやすい性格が「魔可」を引き寄せるのか、「魔可」のせいで切れやすい性格に
なるのかはゲーム内においては明らかになることはないので、主人公のクズっぷりは一概に責められるものではなく、本人も地獄のミサワ程度には気にしている
ので気にならないプレイヤーには気にならないのかもしれない。
 さて、この共通シナリオは前述の意味不明な設定の導入部分であり、その底が知れない意味不明さにプレイヤーは苦しむことになるのだが、それに「丸三日か
けても学園祭での同好会の出し物が決まらない」等の露骨な尺稼ぎ、「亀にゆとりと言われたような気がした」などの笑い所が分からないつまらないギャグ(報
告者的に一番面白かったのは魔可と馬鹿をかけた駄洒落である)、主人公の変なモノローグ(前述の通り)も加わってプレイヤーはヒロインたちに萌えている場
合ではなくなる。ただこれらはスキップ機能を用いれば回避でき、グラフィックも萌え絵としては質が良い方なのでスキップの途中でちょくちょく挟まれるCG
と立ち絵だけ見ていれば被害は軽減される。

 このシナリオの中盤、七夕に行われる七夕祭(学園祭)の夜に主人公たちは理事の監視下のもと学園の「開かずの間」でカルマルカ接続の儀を執り行うこと
なっている。しかし、(TRUEルートに入るまでは)開かずの間の扉は開かず、一方的に理事に儀式の中止を言い渡されて解散になる(儀式に必要な宝具が見つか
らなかったため)。カルマルカに接続し、魔可を消すために努力してきた主人公達は釈然とせず、儀式が行えるもうひとつの場所である海辺の祠に向かい儀式を
行おうとするが失敗する(神道式の祠の前でユダヤの六芒星のラテン語魔方陣を書き仏教用語由来のカルマルカを行うというカオスな光景である)。この後に
キャラクター選択マップが追加され、お目当てのヒロインを選んでゆくとそのヒロインのルートに分岐する。

【個別ルート】
このゲームの最もクソたる部分はこの個別ルートである。要点だけ説明すると、TRUEルートと個別ルートと共通ルートでキャラの発言や設定が食い違って物語
の整合性が取れなくなっていることと「魔可」の設定が極端にシナリオに関わらなくなってシナリオが更に意味不明になってゆくことである。

以下、報告者がプレイした順に各ルートの概要と気になった箇所の一部を解説してゆく。

●晴ルート
 このルートに入ると彼女の設定に「父親がもと市議会議員であり斡旋収賄で学園の建築を悪徳業者に委託した結果手抜き工事が行われ七年前に事故が起こっ
て生徒が死亡したと言ううわさが立ち(ニュースでは怪我と公表されている)それ以来彼女は人殺しの娘と呼ばれ辛い思いをしてきた」と言う項目が唐突に追
加される。彼女はこの事実を消し去るためにカルマルカを用いて過去を改竄する目的で同好会に入ったと言う。暴食の魔可の設定がでてくるのはこのルートに
おいては数箇所に数クリックほどしかなく、しかも「おなかが減った。たくさん食べたい」程度のものなので彼女の魔可は能力なのかただのキャラ設定なのか
良く分からなくなる。

 気になった点
・主人公が晴に大量の賞味期限切れのパンを何も知らせずに「処分しろ」といって押し付ける。
 期限切れは一日程度だが真夏のことである。一応彼の不器用なりな優しさと解釈できるのだが、ヒロインとの言い合いの最中で主人公の性格上逆切れしている
ナルシストのようにも見えるため、「これはお前が処分しろ」と残飯処理を押し付ける彼の姿には同情すら感じさせる残念さがある。
・従兄の担任が晴の対応を主人公に押し付ける。
 晴は無断欠席を繰り返し寮を飛び出てテントで無断外泊を続ける成績不振の問題児である。ストーリーを進めると「俺が彼女を気にかける」と言った旨の
発言が見られるが、このときも他の生徒に押し付ける気満々で以後彼が彼女を個人的に気にかけている様子は見られない。さらに彼女の父親を最後に見かけた
のは7年前のことで保護者面談はおろか電話等で相談すらしていないことも分かる。なお、「彼女の元に行かない」という選択肢を選ぶと露骨に失望した顔を
される。独占教の信者たちに配慮してのことだと思われるが、なぜ担任である従兄が自分で自分の生徒の面倒を見る描写が無いのだろうか。(彼女には男嫌い
の設定もあるが、この設定も魔可の設定と同じ位適当なもので実際そこまでひどいわけではない。この作品では設定の説明や伏線の張り方などにいい加減なとこ
ろが数多く見られるためにこの従兄がクズキャラとしか思えない箇所が数箇所存在する)
・晴の学力の矛盾
 共通ルートでは「こう見えても成績はいいんだぞ」と晴が発言するシーンがある。しかし他のルートでは大体晴は成績不振の問題児である。彼女の成績は至ってど
うでもいいことではあるが、読み手としては最低限頭がいいのか悪いのかだけははっきりして欲しい所である。
・晴の学費の出所の矛盾
 晴はこのルートで「生活費や学費は自分で払っている」と発言する。主人公も感心した様子を見せる。しかしこのルートの最後に彼女の学費が免除になってい
ることが発覚する。彼女の金の出所は極めてどうでもいいことではあるが、読み手としては最低限彼女に虚言癖があるのかどうかだけははっきりさせて欲しい
所である。ちなみにこれらの台詞は「彼女の嘘」という解釈が一般的な見方である。

・「人殺しの娘」と罵られるシーンでの設定の矛盾
 そんなに何度もでてこられても困るのだが、彼女が父親の事件が原因で周りから疎まれている描写は、学食で事件とは一切関係のないモブの男子生徒に「人殺
しの娘が調子こいてんじゃねーぞ」といった事を言われるシーンと週刊誌のゴシップ記事が黒板に張り出されるシーンがあるだけ(本当に張り出されているだ
けでクラスメイトの反応は一切なくヒロイン達が「ひどい」と言った意味の言葉を繰り返すだけ)で晴の子供時代の回想も出て来ずこのヒロインの味わう苦痛
がいまいち理解できない。ニュースや新聞では怪我人が出ただけ、と公表されており、彼女には男子生徒に人気があるため女子生徒に疎まれているという設定
もある。子供の頃は噂のみで虐められるのも理解できるが、彼らは倫理上18歳以上の学園生である。ルートに入る前には他の女子生徒と楽しくラクロスに興じ
る場面も一箇所のみ確認できる。
・暴力に対する反省の描写がお粗末すぎる。
 主人公は上記の男子生徒を血祭りに上げる。(このとき男子生徒は「助けてくれー」と叫ぶだけで全くの無抵抗である)我に返った主人公は罪の意識に襲われ
るのだがその後の流れを要約すると、
 主人公は自宅謹慎→晴が自宅に来る→主人公「暴力振るっちゃう俺なんて最低だよな」→晴「暴力はいけないけど私をかばってくれたのはあんたが始めて」
→二人は幸せなキスをして終了 
といった感じで、主人公のナルシストじみた口調もあいまって反省している描写は自分に酔っているようにしか思えない。(このとき半殺しにされた男子生徒
はその後一切登場しない。主人公が直接謝罪に行く描写も男子生徒が晴に謝罪する描写も見当たらないため、シナリオライターはただキスをさせるためだけに
彼を半殺しにさせたとも思える)

・晴のカルマルカに対する意識の矛盾
 このルートでは晴と主人公が二人でカルマルカの調査を行いに神社に行く場面がある。その際、カルマルカのことを快く思っていない未来と出くわし、彼女
はカルマルカを「くだらないこと」と言い捨てる。その言葉に対して彼女は「魔可の苦しみを持つものは魔可を持つものしか分からない。くだらないかどうか
は自分で決める」といった趣旨のことを攻撃的な口調で言い返す。しかし、共通ルートでは神社に参拝する際の願い事で他のヒロイン達が魔可の消滅や儀式の成
功を祈る中自分だけ「腹いっぱい食べたい」などと祈っていたり、あまつさえは他のヒロインのルートにおいて満面の笑顔で「ぶっちゃけもうカルマルカなん
てどうでもよくね?」などと発言しており(このゲームのタイトルは「カルマルカ*サークル」です)、彼女は本心では「カルマルカはくだらないもの」と思っ
ている可能性が浮上してくる。

大まかな点は以上であるが細かい部分も見ていけば、文章中に「大量のサンドイッチ」と書かれているのにCGではどう見ても一枚しか確認できない場面や、
伏線が投げっぱなしになっているので従兄が主人公に保険金を掛けたようにも見える場面、晴が暮らすテントのまわりにトイレのようなものが見当たらない
ために作品スレ住民の間で「彼女のウンコの行方」が話題になったりしたことなどと枚挙に暇がないためそこは割愛する。

●ニコルルート
 ルート中盤あたりに「自国で海洋資源が見つかったために、資源開発人材育成プロジェクトのメンバーとして彼女は主人公達の通う学園に送り込まれた、し
かしニコルの国は小国であり、海洋資源を狙う周りの国から小規模な侵略や経済制裁を受けており戦争寸前である。彼女はこの学園に通ううちにカルマルカの
存在を知り、自身も魔可の能力者であるためカルマルカの歴史改竄能力を利用して自国の未来を変えるために星渡り同好会にはいった」という新設定が明らか
になる。このルートでも色欲の魔可の設定はシナリオにもエロシーンにも関わらない。共通ルートでも個別ルートでも彼女に海洋学を学んでいるそぶりはなく
ペットの陸ガメと意味不明な漫才を繰り広げているだけであり、シナリオライターの「萌えられれば後はどうでもいいんだろ?」とでもいうような挑発もわずか
ながらに感じられる。

 気になった点 ・カルマルカに対する主人公達の認識
 このルートの序盤でカルマルカはこの世の理から大きく外れたもので、年に何度も動かしてしまうと世界が崩壊するといった設定が明らかになるのだが、主
人公達はそんな物騒なものがどうしてただの学園にあるのかさえ疑問に持たない。
・主人公達の魔可能力に対する意識
 このシナリオではカルマルカの調査に行き詰まり、主人公達は珍しく「カルマルカと魔可は関係あるのか」という極めて地球人らしい疑問をもつが、それも
数クリックで終了しどうでもいいような話題に移ってしまう。プレイヤーとしてはもう少し煮詰めて欲しい議題であり、そこにもっと焦点が当てられてさえいれ
ば、少なくともシナリオ的な観点から見た場合には普通のゲームくらいになったのではないかと報告者は思う。
・主人公の心象描写
 これは個人的な感性の問題であまり気にならないかもしれないが、このルートではニコルに対する恋心が詩的に語られる部分が多く、若干変なポエムが散見
され、主人公の人格が気になる人間はそこそこ不愉快になる。
・二コルのキャラ設定の違和感
 前述の設定に加えてルート終盤(エンディング間際)では「ニコルは彼女の国の皇女であり、本名は「ニコル・ルル・アードレー」といった設定が出現する。
彼女の父は日系三世で母親は日本人であり、見た目も殆ど日本人、彼女の国は日本人は殆ど名前も知らないような国であるといった設定が共通ルートで解説されて
いるためここでプレイヤーはしばしの間混乱することになる(海洋資源をめぐる紛争はニコルルートのみニュースで放送され、彼女の国を知っているヒロインも
いる。しかし、主人公は国名さえ知らない)。なお、このことに対する詳しい解説は存在しない。

・終盤の展開と主人公の怪我
 先の説明のようにニコルは国の要人であるため敵国の黒服たちに追われ、海辺にまで追い詰められた主人公は魔可の力で善戦するものの殴られて骨を折られ
たり拳銃で撃たれたりして瀕死の大怪我を負う。そして絶体絶命の瞬間に突然本国からやってきたニコルの侍従が現われ黒服を拳銃で倒し、ニコルは侍従たち
が乗ってきた大型船でそのまま帰国してしてゆく(上記の設定はここで明らかになる)。ニコルは大粒の涙を浮かべ主人公への愛を誓いながら海の向こ
うへと消えて行くのだが、凶弾に倒れた黒服たちとともに砂浜に残された主人公はべジータ戦後の悟空並みの重症を負っており、(海辺の森の中には血眼を光
らせながら主人公を追う黒服の仲間たちが大勢徘徊している)手当てをしようとする素振りも救急車を呼ぼうとする素振りも見られず、プレイヤーは彼女の誓
う愛は一体全体何であるのかという問いに頭を悩ませることになる。ちなみにエピローグを見れば主人公の生存が確認されるがどうやって生き残ったのかは例
に漏れず不明。

 以上である。このルートのシナリオは他のルートと比べても訳が分からない点が多く、特にエンディング付近の超電波シナリオは多くのプレイヤーにシュー
ルな苦笑いを提供したようである。。もちろん突っ込むべき箇所はこの外にも大量に存在する。細かい点も見ていくと、母親がいない設定である未来が「私の
両親なら知ってるかもしれない」と発言したり、主人公の告白時のCGにおいてニコルの脚が変な方向に曲がっていたり、三年後のエピローグで主人公がニコル
の国に就労ビザで渡航した海洋学の研究生になっていたり、普段は料理すら作らない設定の従兄が主人公の手料理にネチネチと文句をつけてきたりなどとやは
り枚挙に暇がない。それにしてもこの世界の国際連合と海上保安庁は一体どこに行ってしまったのだろうか? ・終盤の展開と主人公の怪我
 先の説明のようにニコルは国の要人であるため敵国の黒服たちに追われ、海辺にまで追い詰められた主人公は魔可の力で善戦するものの殴られて骨を折られ
たり拳銃で撃たれたりして瀕死の大怪我を負う。そして絶体絶命の瞬間に突然本国からやってきたニコルの侍従が現われ黒服を拳銃で倒し、ニコルは侍従たち
が乗ってきた大型船でそのまま帰国してしてゆく(上記の設定はここで明らかになる)。ニコルは大粒の涙を浮かべ主人公への愛を誓いながら海の向こ
うへと消えて行くのだが、凶弾に倒れた黒服たちとともに砂浜に残された主人公はべジータ戦後の悟空並みの重症を負っており、(海辺の森の中には血眼を光
らせながら主人公を追う黒服の仲間たちが大勢徘徊している)手当てをしようとする素振りも救急車を呼ぼうとする素振りも見られず、プレイヤーは彼女の誓
う愛は一体全体何であるのかという問いに頭を悩ませることになる。ちなみにエピローグを見れば主人公の生存が確認されるがどうやって生き残ったのかは例
に漏れず不明。

 以上である。このルートのシナリオは他のルートと比べても訳が分からない点が多く、特にエンディング付近の超電波シナリオは多くのプレイヤーにシュー
ルな苦笑いを提供したようである。。もちろん突っ込むべき箇所はこの外にも大量に存在する。細かい点も見ていくと、母親がいない設定である未来が「私の
両親なら知ってるかもしれない」と発言したり、主人公の告白時のCGにおいてニコルの脚が変な方向に曲がっていたり、三年後のエピローグで主人公がニコル
の国に就労ビザで渡航した海洋学の研究生になっていたり、普段は料理すら作らない設定の従兄が主人公の手料理にネチネチと文句をつけてきたりなどとやは
り枚挙に暇がない。それにしてもこの世界の国際連合と海上保安庁は一体どこに行ってしまったのだろうか?

●暦ルート
 このルートでは序盤に星渡り同好会がカルマルカの調査レポートを理事に提出し受理されたので終了となる。そのため、序盤では「暦にはかつて数学の師匠
がいて、暦は彼女が出した最後の宿題の答えを探している」という設定が追加されるくらいで、その他はよくわからないラーメン探訪記だったり、巨乳マニア
の男子小学生が尺稼ぎ程度に登場してきたりなどと退屈しかできない構成になっている。中盤では暦に海外の研究機関からオファーが届き、「暦は研究員にな
るのか」という問題に焦点が当てられる。
気になった点
・暦の魔可設定が不明瞭である
 暦の魔可の能力は突然睡魔に襲われ眠ってしまうというものである。しかし彼女は平然とコスプレ喫茶で接客業をこなしており、店長からもそれなりに信頼
され、バイト中に眠りそうな様子は微塵もなく眠ったことがあると言う描写も見られない。彼女の魔可の設定は忘れ去られたのかと言うとそうでもなく、海岸
の森で着替えていたら魔可が発動し気がついたら木に登っていたと言う場面や心労で魔可の力が暴走し一日以上寝込んでしまう場面があり、バイト先でのみ彼
女の魔可設定が不自然に消え去るのが感じられる。シナリオを進めていくと「過去のバイト先で暦が加わったことにより店舗の売り上げが下がってしまい、
彼女はバイトをやめざるを得なくなった」という事実が判明するが、このとき売り上げが下がった理由は彼女が「無愛想」であるからであり、ここで魔可の設
定が生かされそうなのに何故か現われる気配もなく、プレイヤーは「魔可とは一体・・・うごごごご」といったネオエクスデス的な問いに苦しめられることに
なる。

・主人公の魔可設定の大きな食い違い
 共通ルートやその他のルートでは主人公は魔可の力が発動していないときの身体能力は一般人並みで、魔可の発動も激しい怒りによってのみ引き起こされる
現象であるという設定ということが辛うじて読み取れる。しかしこのルートの序盤(正確にはルートに入る一歩手前)では主人公が子供を脅すシーンがあるの
だがその際主人公は魔可を発動させずに軽々と素手で石を握りつぶしている(参考までに石やコンクリートを砕くための小型圧砕機の破砕力はだいたい50トン
から200トンくらいである)。その少年は上記の巨乳マニアの少年で若干生意気なところがあり、主人公が激しい怒りに目覚めている可能性も否めないのだが、
少年がビビッているのを確認したすぐ後に余裕の笑みを浮かべるあたりその可能性は極めて低い。
・知性の描写がおざなり
 暦と彼女の師匠(女性。性格は「博士の○した数式」の元教授がオマージュ元だと思われる)はとても知能が高い設定なのだがその描写も大体は数学に関す
る小難しい言葉を並べるだけである。(解説している部分もあるのだがほとんどはウィキペディアの冒頭に書いているような内容)そして簡単な内容のことも
いちいちわかり辛く言い換えてくるのでプレイヤーは徐々にストレスがたまってゆく。あとは読書数や読書スピードの扱いががまるでドラゴンボールにおける
戦闘力のような感じになっておりあまり知性が感じられないところも挙げておこう。

・終盤の展開における説得力の欠如
 結局暦は周囲の友人や恋人と一緒に居たいため「研究者にはならない」選択を選ぶ。それに対し学園の評判アップを狙っていた理事は激怒し「研究者にならな
いのならば主人公達に厳正な処分を下す」と脅しを掛ける。(このときの脅迫の内容はすべて主人公達に非があるものであり、それらはすべて星渡り同好会に
在籍していたという理由のみで見逃されてきたことである)それでも暦は引き下がらず全校集会のスピーチの場を借り、マスコミや全校生徒に向けバイト先の
制服を着て「自分は理事から脅迫を受けており、自分は今の時点では研究者になりたくない。それを認めてくれるか」といった旨の問いを投げかける。そして
主人公達が適当に賛成を煽る中生徒達は暦の主張を満場一致の拍手と歓声で受け入れる(マスコミの反応は一切描写されない)。ここで、理事は激昂するのだが
ヒロインの一人である夕姫羽の耳打ちひとつで黙ってしまう。その耳打ちの内容は一切明らかにならず、それに対する補足も彼女が金持ちであるということ以外
に無い。(夕姫羽が理事の秘密を握っていることは読み取れるが、共通ルートでもほかの個別ルートでも夕姫羽がその秘密を知っているという描写は見当たら
ない)

以上。突っ込み所はこれ以外にも沢山ある、本当に沢山ある。細かい点を見てゆけば「暦の不安を取り除きたい」という理由で人前でキスをする主人公、暦
が稼いだ懸賞金でパーティーを行おうとする同好会の仲間達、カルマルカの調査を続けようと言っておきながら調査をする素振りも見せない同好会の仲間達、
ボランティアの児童養護施設職員なのに何故か一人で数学の論文を読み耽っている暦の師匠、r=aeb^θの式がバックログでは何故かr=aebθになっている箇所、
従兄が携帯を家に忘れたことに何故か夜中まで気づかずその上主人公に学校まで届けさせることなどが挙げられ、細かいアラが目立つのが印象に残る。(暦の
師匠は子供に勉強を教えるのが仕事であるが、初対面の子供に最後まで名乗りもせずに一方的に回文数の説明をし、「名前よりも素数が重要なんだ」と言い放つ
ところを見るに彼女が子供達の算数学習の役に立っているかどうかは不明である。なお、彼女には子供達に人気という設定があるが、彼女が暦以外の子供と絡む
シーンは一切無い)

●夕姫羽ルート
 彼女の魔可は「強欲」であり能力は「自分の意思とは関係なく物を買いあさってしまう」といったものである。そのため彼女は購入してしまった不要なもの
を取捨選択し、「ダンディらいおん」と名乗って児童養護施設に寄贈(玄関前においていくだけ)する。夕姫羽は大抵の望みは叶ってしまう富豪の娘で「自分
はただ父親に決められたレールの上を歩くだけで、この世の中のものは等しく無価値」と思っており、このストーリーの根幹は彼女の意識の成長にある。
気になった点
・「ダンディらいおん」活動への夕姫羽と暦の意識
 このルートに入る直前に夕姫羽の「ダンディらいおん」活動が明らかになって施設出身の暦と言い合いになり、活動の有意性が確認されてから和解する。し
かし、その和解シーンにおいて有姫羽は「だって魔可で買っちゃったいらないものを、捨てる代わりに贈っただけなんだから」と児童養護施設をゴミ箱としか思
っていないような発言をするがこれに対して暦は怒る様子も無く謝罪するだけである。(その後に「万が一役に立てば良い」といった発言をするがあくまでも
万が一である)また、ルートに入ってから夕姫羽が父親に浪費をなじられる場面があるのだがその際にも彼女は「以前から用意していた言い訳」としてこの「ダン
ディらいおん」活動をスケープゴートに使う。(ED後に反省する描写はあるのだが反省しているポイントは「自分の名前で寄贈しないと無責任」の一点だけである)
・父親に敷かれたレール
 彼女の父親は総資産十兆円の高坂グループの社長で娘の夕姫羽に多大な期待をかけてそだてており、彼女はそのことを「父親にしかれたレール」と表現する。
しかし、彼女は「私は父親の言いなりになってきた」と言った意味の言葉を連呼するだけで具体的な内容といえば申し訳程度の許婚(みたいなもの)設定と、
厳しそうな父親(立ち絵なし)が一度だけ登場するシーンがあるくらいである。なお、二人の兄は刑事と消防士である。(二人の兄は頭が悪かったため父親には
気にかけられなかったという解説が入るが、これもTRUEルートとの矛盾でめでたくご破算となる)

・主人公の暴力に対する認識の甘さ
 物語の終盤に夕姫羽と主人公の交際を認めようとしない消防士の兄からタイマンを持ちかけられ、その際主人公は「喧嘩はできない。暴力では何も解決しない」
と言った発言をし、「ルールがある試合なら何でも受けてたつ」と言う。そのあと試合が始まるのだがその試合の内容と言うのが「噛み付きや絞め技はなし、
殴り合って倒れて起き上がれなくなった方の負け」というものである。ここは本当に意味がわからなかったのだが、これは要するにただの暴力で喧嘩から噛み
付きと絞め技がなくなっただけのただの喧嘩ではないのだろうか。このルールは消防士が提案したものだが、上記の主人公の台詞からいきなりこの喧嘩(試合)
のシーンに場面が飛ぶのでプレイヤーはしばらく混乱することになる。主人公曰く「腕力と体力、根性の勝負」らしい。そこが普通のタイマンとどこがどのよう
に違うのかを主人公君にはじっくりと解説してほしいところである。(暴力を理不尽なものとして考えれば、ルールが存在することによって特定の理不尽が排除
される試合は暴力ではないといえるかもしれないが、タイマンも文字通り一対一で戦うというルールがある。また、消防士はタイマンの条件に加え、勝敗による
主人公と夕姫羽の関係に対する公平な処遇をしっかりとルールとして提示している。それにしてもチキンレース的なものでいいからもっと別の何かに出来なかった
のだろうか)
・ルートそのものの短さ
 このルートはスキップ機能を使えば1分30秒で終了する(ルート分岐からED突入まで)。短いのは短いので構わないが、父親との和解とその後の展開が
ED後の主人公と夕姫羽の会話内だけで解説されたり、許婚のようなものが完全にストーリーに絡んでこなかったりしたりする部分をみるにもっとどうにかでき
なかったのかと思う。ちなみにパッケージ、タイトル画面、キャラ選択画面には攻略可能ヒロインのうち彼女のみ姿が無い。

 このシナリオでも魔可の設定はどこかに家出している。細かい点はシナリオが酷すぎるので割愛。

●奈月ルート
 このルートは序盤から終盤まで「老人会の天体観測の司会進行の準備」を通して二人の親睦が描かれ、ED付近は「奈月の引越しと再会」が主な内容となる。
 このシナリオでそこまで気になる点はそこまで存在しない。彼女の意味不明な魔可の能力に対する説明が一切なされないことと奈月が引っ越してから一日で
戻ってくることを除けば果てしなくつまらなくてエロが薄いだけの凡庸ながっかりシナリオといえる。

【TRUEルート】
 このルートでは個別ルートとの食い違いが多々出現する。酷いものに至っては個別シナリオにおけるストーリーの根幹を完全否定するものまであり、個別ル
ートまでは「かなり強引に解釈すれば理解できなくもない茶番劇」と言った感じだが、ここにきてプレイヤーは本格的に錯乱することになる。
代表例
・晴のカルマルカに対する意識と自身の抱える問題
 「晴ルート」の項目でも述べたと思うがニコルルートでは「ぶっちゃけもうカルマルカなんてどうでもよくね?」とこの作品のタイトルすら否定するような
発言をする一方で、このTRUEルートでは自身の過去と決別するためにカルマルカに対し強すぎるほどの執着を見せる(画像参照)。
http://yui.oopsup.com/browse.php/KOTYE/%E6%99%B4%E3%81%95%E3%82%93%E3%83%BB%E3%83%BB%E3%83%BB%EF%BC%9F.jpg
・夕姫羽の父親に関する言動の矛盾
 彼女のルートの主題は「父親に決められたレールに従っているだけの自分を主人公の助けによって見つめなおすこと」であることが文脈上認められるが、
TRUEルートでは彼女の口から「父親はただ金を渡すだけで私に関心すら持たなかった」といった意味の言葉が次々と飛び出し、彼女の父親はこのルートでは
レールすら建設していないことがわかる(画像参照)。
http://yui.oopsup.com/browse.php/KOTYE/%E3%82%86%E3%81%8D%E3%81%AF%E3%81%95%E3%82%93%E3%83%BB%E3%83%BB%E3%83%BB%EF%BC%9F.jpg

・奈月ルートにおける重要なアイテムの消失と主人公の記憶の矛盾
 奈月ルートにおいては宝具が納められている箱から見つかる奈月の母の手紙が重要アイテムとして登場し、この手紙の内容が奈月に主人公の元にもどること
を決心させる。しかし、TRUEルートでは同じ箱から宝具が見つかるがそのときにこの手紙は発見される気配もない。また、主人公は奈月ルートでは奈月の母の
死を知らないが、TRUEルートでは奈月の母の死を知っている(画像参照)。
http://yui.oopsup.com/browse.php/KOTYE/%E9%8F%A1%E3%81%A8%E6%89%8B%E7%B4%99.jpg
http://yui.oopsup.com/browse.php/KOTYE/%E6%AF%8D%E3%81%AE%E6%AD%BB%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6.jpg 
 個別ルートを馬鹿正直にプレイしていた人間はここで泣きを見ることになる。これらをミスとして考えるとしても普通に作品を制作している場合には考えら
れないようなミスであるため、最初のうちは「カルマルカ接続権利を得るための儀式が成功しているからそのせいで現在に影響が出たのかもしれない」といっ
た無駄な期待を抱いてしまうかもしれないが、やはりこれらも魔可の設定と同じように最後まで何の解説もなく当たり前のように流されていく。本作の製作期
間はおよそ1年と7ヶ月である。三人のメインシナリオライター達はその間何をしていたのだろうか? どこかに遊びにでも行っていたのだろうか? 報告者
としてもこれらの食い違いがミスなのかただの手抜きなのかあるいは斬新な演出なのかを彼らにじっくりと問い詰めたいところである。
 某大手レビューサイトや某巨大掲示板の作品スレでは個別ルートとTRUEルート間の齟齬による不快感を回避するために個別ルートのスキップを推奨する書き
込みも見られるが、その後にプレイヤー達を待ち構えているものはスキップ機能を使えば3分15秒で終了してしまう短さのシナリオと登場すらしないエロシー
ンというエロゲユーザーを完璧に舐めきったものである。(計測期間はしょっぱい出来の2ndOP終了からED突入までである)
 この短さのシナリオに、このゲーム唯一の取り柄である「絵」が生かされるはずのエロシーンを削ってまで挿入された素晴らしいシナリオのごく一部を紹介
しよう。

・絶対に開かないはずの「開かずの間」
 共通ルートでは暦の口から「開かずの間は七夕の日以外絶対に開かない」と説明される。実際開かずの間が6月28日に開いているシーンで同好会のメンバ
ー達はかなり驚いた様子を見せる。しかしこのTRUEルートでは旧暦の七夕の前日に「開かずの間の偵察」が主人公と奈月により行われるのだが、その際従兄は何
の脈絡も無くまるで当然のようなノリで「開かずの間」の鍵を借りてくる。一応説明のようなものはあることにはあるのだがその説明というのも「亮兄には、開
かずの間のカギを持ってきてもらえないかと頼んでいた。」というやる気のない一文と「ああ。普段は持ち出されないものだけど、なんとか借りられたよ。・・
・ほら」という従兄の間抜けな台詞のみである(画像参照)。さらにこのルートの序盤でも、従兄は「自身は過去のカルマルカ被験者であり、黒幕である理事に
マークされているから表立って協力することはできない」といった意味の発言をしている。カルマルカが行われる「開かずの間」の鍵をめぐる攻防戦が「なんと
か」の四文字で済まされる様子を見るあたり、シナリオライター達の意気の低さが伺える。
http://yui.oopsup.com/browse.php/KOTYE/%E3%81%82%E3%81%8B%E3%81%9A%E3%81%AE%E9%96%93.jpg
・戻ってきた魔可の能力
 このルートでは「新暦の七夕のカルマルカ」が成功したため、主人公を含む「七名の大罪人」から魔可の能力が「カルマルカ接続の権利」と引き換えに奪わ
れる。しかし、終盤に差し掛かるあたりでなぜかこの魔可の能力が復活する。ご都合主義的な展開ととってもよいのだろうが、その辺の解説が未来の「なくな
った? いいえ、一時的に減衰しているだけよ」と「実際……私の魔可は戻っている」の二台詞だけで済まされ、主人公達が疑問に思う様子も「そんな、……
魔可はきえたはずです!」の一台詞のみであるため、プレイヤーはポルナレフも絶句するレベルの動揺に襲われることになる。新暦の七夕の儀式において、確
かにカルマルカの意識体はダンディな声に乗せて「お前達の罪、確かに受け取った。約束の日に贄をささげよ」という言葉を主人公達に送っている(画像参照)。
http://yui.oopsup.com/browse.php/KOTYE/%E9%AD%94%E5%8F%AF%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%B8%80%E4%BD%93%E3%83%BB%E3%83%BB%E3%83%BB.jpg

まだまだ沢山言いたい事はあるがあまりにも多すぎるので後は皆さん自身の目で確認して戴きたい所存である。
 なお、このゲームでは血反吐が出るようなご都合主義展開や、脳みその一部が吹っ飛んでいるのではないか思うほどの記憶障害ぶりを発揮する主人公の姿を
散見できるが、基本的なクソエロゲーにはよくあることとしてここでは敢えて触れていない。
 
【ヒロイン】
 このゲームは絵だけは良いため、ヒロインの見た目は他のキャラ萌えゲーと比べてもなんら遜色はなくむしろ上回るほどである。しかし、シナリオライター
が文章中でキャラ設定の矛盾といったミスや露骨な説明不足という手抜きをやらかしてくるので、シナリオが進んでいくとプレイヤーは特定のキャラクターに対し
「こいつは一体誰なんだ・・・?」という恐怖を抱くことになる。なお、一番人気のキャラは攻略できない仕様である。
 
【主人公】
 演出上仕方のないことではあろうが、黒服や消防士には魔可の発現をためらったり「暴力はいけない」と言ったりする一方で、物や子供、無抵抗な人間に
は清々しいまでの獅子搏兎ぶりを発揮するので、個人的な感情で大変申し訳ないが非常に印象が悪かった。また彼の魔可の発現条件に関する描写が
食い違っていたりあやふやだったりプレイヤーの解釈に丸投げしていたりするところが見られるために彼の言動がいまいち信用できない部分もあった。しかし、
これらの現象はライターによる説明不足と手抜きにより引き起こされているもので、本当の主人公の性格は(設定上では)それほど小物ではなく、少しは誠実
な人物であることにどうかご留意願いたい。

【エロシーン】
 若干デッサンがおかしい部分も見られるが、原画家はとても優秀であるためエロCGはかなりの出来のよさとなっている。しかし、極めてシリアスなシーンの
直後にパイズリセックスを始めたり、「中出し」「外出し」の選択肢を選んだ瞬間に射精する主人公など、ここでもライターが足を引っ張っているということ
が感じられる。また、エロシーンの薄さも特筆すべきところであり、個別ルートでのエロシーンは一ルートにつき大体二つか三つといった有様で、TRUEルート
に至ってはゼロというエロゲとしては大変やる気のない構成となっている。なぜ唯一の取り柄である絵を省いてあのようなゴミシナリオをねじ込んでくるのか
がプレイヤーの理解できないところである。(コンシューマ移植を狙ってのことだと推測できるが、絵はともかくシナリオに関しては同人の抜きゲーにも劣る
ような手抜きゲーである。非エロのCGはそこそこ多めなのが唯一の救いかもしれない)

【システム】
 シナリオは非常に低スペックだが、システムが正常に動作するのにはやたらと高スペックな環境が求められる。条件さえ満たしていれば動作は快適であるが
なんとなく空しい気分になる。バグがあるとしたらシナリオライター達の意思疎通能力であろう。

【考察】
 このゲームは全編を通して見られる「圧倒的な説明不足」や「設定の矛盾」、「ご都合主義により引き起こされる超展開」、「エロゲーとは思えないほどの
エロの薄さ」に目をつぶれば、絵は素晴らしいため値段と合わせて考えれば並みのがっかりキャラ画集くらいには楽しめないこともない。しかし、それらを気にし
てしまったときにプレイヤーを襲う苦痛は尋常なものではなく、報告者個人の感想としては笑い所のないチャージマン研を見ているようだった。設定の食い違い
が多く見られるため「シナリオ版間違い探し」として攻略していく手段が考えられるが、辛うじて整合性がとれている部分も作品スレ住民から「びっくりする
ぐらいつまらない」と評されており、どうしてもスキップ機能に手が伸びてしまう。また、魔可能力周りの設定のように、同じ事柄についての描写や説明が食
い違ったりあやふやだったりする箇所が同じルートや別のルートで縦横無尽に発見されるため、そもそもそれが間違いかどうかすらわからないという怪現象も
起こる。ただ何度も繰り返すように絵だけは良いため、絵が好みなら特典付きでシナリオは適当に読み流すという条件で購入する価値はそこそこあるのではない
かと思う(あくまでもゲームそのものとしての価値ではないが)。
 ここまで文章をお読み頂いて下さった方の中には「このゲームはキャラゲーなんだからシナリオにはそこまで突っ込まなくても良いのではないか」と思う
方もいらっしゃるかもしれない。しかし、体験版のラストは「―さあ、始まりだ。もう逃げられない。頭の片隅にそんな言葉が浮かぶ。戸惑うおれ達をよそに
事態は加速してゆく。カルマルカ。(中略)理を無視した、神の領域。そんな場所へ今からおれ達は。」という煽り文句で締めくくられており、製作者はこの
ゲームを「シナリオゲー」として売り出そうとしていたことが確認できる。また、「ダブル予約キャンペーン」や「カルマルカ*シールキャンペーン」等の意地
汚い特典商法に数多くの漢たちが吸い寄せられて爆散していったことも参考程度に付け加えておこう。

【まとめ】
 ここまでの長ったらしい駄文による解説でこのゲームの「説明不足」の酷さと「設定の矛盾」の多さが伝われば幸いである。このゲームはシナリオに関する
基本的なクソポイントは全て押さえていたがこの二点はその中でも特に異質な輝きを放つものであり、作品スレ中で「シナリオ改変パッチ」を要求する書き込
みが見られるほどの酷い有様であった。そもそも製作者はキャラ設定の時点で何かおかしいと思わなかったのだろうか? 何故こんなゲームの企画が通ると思
ったのか、そして何故こんなゲームの企画が通ってしまったのか、通ったら通ったで何故シナリオライター達は1年7ヶ月という期間でこんな手の込んだ突貫
工事をやらかすのか。企画者と三人のメインシナリオライター達にはこのゲームをプレイした後にじっくりと正座で反省して欲しいところである。
 
「こんなげーむにまじになっちゃてどうするの」と思う方もいらっしゃるかもしれないが、そういう方は是非ともこのゲームを定価で購入して憤怒の魔可に
目覚めてもらいたい。
 
 なお、最後の補足となるがこのゲームのジャンルは「ハッピー&スマイルADV」である。  


反応

174 :名無しさん@初回限定:2013/10/18(金) 18:04:09.14 ID:iX9XrZmx0

前回までのライターが辞めちゃってそれなりのライターを数人寄せ集めた結果っぽいね
公式には三人、エロスケには六人ライターかいてあるけどこれはどういうことなんだろ

個人的には好きなライターさんが混じってるのがつらい
177 :名無しさん@初回限定:2013/10/18(金) 18:31:16.87 ID:ekvr6pGB0

>>174
エンドロールでは7人いたはず
発売前は3人表記

最終更新:2014年08月04日 20:49